雨乞岳・イブネ
    1238m  1167m
(三重)

AMAGOIDAKE

2005年10月9日 快晴

雨乞岳登山口P7:15〜(クラ谷)〜七人山コル8:40〜東雨乞岳9:15〜雨乞岳山頂9:35〜杉峠10:20〜佐目峠11:00〜イブネ北端11:25〜上水晶出合12:15〜雨乞岳根の平峠分岐12:40〜望湖台13:55〜登山口14:35

朝、千草辺りで御在所岳を仰ぐ。白い鉄塔下の岩峰にスポットライトの様に朝日が当たってそこだけ輝いていた。前尾根と地蔵岩あたり。その間の立ち岩も。

武平トンネルを抜けてすぐ左折。十台ほどのスペース。「鎌田・・・邸跡」という石碑。道路反対側に雨乞岳登山口。
シロモジの実が誰かが剥いたように散らばっている。笹が濡れている。



カヤ?の木が多い。

釜跡の平からクラ谷へ。クサソテツやトリカブト、ヤマシロ菊が一面に。とうもろこしのような赤い実。マムシ草?
下草が何もなく綺麗な登山道。

鹿の鳴き声がもの悲しく淋しく聞こえる。季節が秋だから余計に・・・。
土があちこち掘り返されている。いのしし?突然怒ったような鳴き声。食事中なのに驚かしてごめんね。

玄武岩?の青い沢をつめる。流れが優しくて瀬音が心地よい。


七人山のコル。
風が涼しいと思ったのもつかの間。すぐ肌寒くなる。少し登り始めると背後に笹の間から七人山。その後方に御在所岳が見え始める。
いつもの三重県側から見る御在所岳と違ってより重量感がある。抜けるような青空のもと御岳神社やレーダーまではっきりと。裏返しに見る鎌ケ岳も鎌尾根も雰囲気が違っていい。
右前方にイブネのなだらかな峰。トンビが二羽、谷に舞っている。
ミズナラの大木、シロモジが多い。


笹のトンネルを抜けると東雨乞岳山頂。
さえぎる物は何もない。広々している。
笹の向こうに鈴鹿の山々が青く連なる。仙ケ岳の岩尾根が御在所岳から眺めるのとは位置が違う。周囲360度の素晴らしい展望だ。西には雨乞岳。右の尾根に岩場も。山頂に続く笹の道がくっきり。
なんとなくアルプスの稜線上を歩く感じがする。背が低くなったような笹原を歩く。吊り尾根から望む鎌ケ岳はとても素敵だ。
所々紅葉した木が薄茶で秋らしさをかもしだしている。釈迦岳山頂の雲も取れていった。


雨乞岳山頂。
快晴。何年ぶりだろう。ここに立つのは。
山を歩き始めた頃、確か朝明から入った。遠くてきつくていいイメージがなかったけど・・・。
昨夜甲津畑でテント泊した人達。大きいザック。ヒルにやられたらしい。こんなに涼しいのにヒルがいるの?
怖いのでここで早速スパッツをつける。池の周りの笹を進む。北尾根の岩場からは今から行く予定の北に連なる山々が美しい。先ほどの東雨乞岳山頂の笹も遠くに輝いている。



ここは雨乞岳の北尾根。いつもは釈迦岳大ガレの山の端は√に見える。ここからはその√も裏返し。大ガレが正面に。
尾根上の岩に乗って空を仰ぎ見る。「空ってこんなに広くて青かったんだ。雲があんなに高い。」
澄み切った秋空に吸い込まれそう。気分は最高。


杉峠に降りる。この杉は今にも枯れそう。
ツリバナの様に垂れ下がる赤い実の木を見上げる。甲津畑への道はしっかりしているようだ。軽く食事。
尾根をイブネに向う。笹が枯れた跡が広場のよう。どうして枯れたんだろう?アシビだけが逞しく育っている。
振り向けば東雨乞岳の背後に鎌ケ岳が見える。七人山、御在所岳も。

杉峠の頭。(アゲンギョ?)
右折れしてしばらくすると草原に大きな岩の佐目峠。
さらに草原広場が続きイブネ山頂らしい。広くて傾斜がないのでどこが山頂だかよくわからない。
センブリ?が咲いていた。


イブネ北端まで来た。銚子ケ口への稜線を分けて、さらに北方に草原が広がる。右手にやや三角の山頂らしきもの。これがクラシ?この山もどこが山頂だかよくわからない。


近くに植生を調べる自然観察の白いプラスチック鎖があった。
ここから右折れして東尾根を愛知川に降りる。急傾斜のようだ。
木の枝をつかんだら折れた。枯れ木。枝は横に持たず、下に力を入れるといいとか。木を持つのも力の入れ方で怪我も防げると知った。
東雨乞岳の念仏ハゲが目に入る。
尾根上にシャクナゲの林が続く。行けども行けどもシャクナゲ。時々テープもある。踏み跡もしっかりしている。この山にこんなに人が入るなんて驚いた。
左手に岩盤。峠が見えてきてその向こうに町も・・・。伊勢谷、根の平峠らしい。もう愛知川は近い。相変わらず山の斜面は急。極めつけはスキーでもするような感じで斜面を滑り降りる。



愛知川に降りたったらしいが私にはどの辺りなのかよくわからない。
向こう岸に上水晶出合。信長も通った千草越えだとか。その上水晶出合の山道を行く。ここを歩くのも多分初めて。しばらくすると雨乞岳根の平峠分岐の丸い二つ岩に出た。そこから上水晶谷、地獄谷。
ナメ滝右横を巻いて滝上で小休止。ここでみかん一個。
この前、夏にここ地獄谷を登った時は風もなく暑かった。十月の今日は風が涼しく気持ちいい。
なのに足が重い。「なんでこんなにして山を歩いているんだろう。」そう思ったら可笑しくなった。


西方の岩から望湖台へ。
いつもの岩に乗る。「やったー。」
朝から歩いたクラ谷、雨乞岳、杉峠、イブネを前にして感動だった。「ここまでよく歩きました。」はなまる気分。
武平峠手前の岩でもう一度雨乞岳を望む。鎌ケ岳に続く尾根に秋の陽ざしが降り注ぐ。
この爽やかな秋の日に、奥深い鈴鹿の山を歩けて幸せ。全ての出会いに感謝しながら、満ち足りた思いで峠を降りた。

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