中岳分岐。
少し先を行く二人の登山者が目に入る。天気は良くなりそうなので迷わずに進む。中岳の登りで雪が多くなる。前の二人に追いつき頂上近くでラッセル。「やったー。八ヶ岳でラッセルなんて、なかなか体験できないよ。」御在所でしか経験がない私は、ピョンピョンとびはねる。
前方阿弥陀岳から数人降りて来て道がつながった。「中岳沢の雪崩を避けてこちらに来た。」と言っている。しっかりしたトレースができたので有難い。ずっとラッセルだったら大変だろう。
両側が切れ落ちたナイフリッジの雪尾根をトレースのままに歩く。バランスを崩したらと思うと怖いので、横見しないで、ただ前だけを見て・・・。
中岳沢あたり。
ここから白く大きい阿弥陀岳の壁を見上げる。雪壁にはしごも見える。多分ここは数年前に雪崩が起きた所だろう。今日の雪は大丈夫かな。
後から来た二人(昨日地蔵で足がつった方)が先に登り始める。急斜面で、ほとんどラッセルのようなものだからめちゃしんどそう。「先に行ってください。」の声。「やったー。」ルンルン気分で先に行かせてもらう。このサクサク雪を歩けるなんてラッキー、ハッピー、楽しいー。体が弾む。
数箇所、雪面に亀裂が入っている。わー怖―い。こんな所はさっさと通過しよう。抱きかかえ岩をしっかり巻いて、ハイマツの柔らかい枝につかまりながら足早に進む。
上からザイルを持った人が数人降りてきた。右下斜面を見れば、北稜からの人が登攀終了、ザイルを片付けている。 |