阿弥陀岳

      2805 (長野)

赤岳からのつづき。

2008年1月4日 晴れ

4日赤岳鉱泉テント7:00〜(地蔵尾根)〜天望荘(9:00〜9:30)〜赤岳10:00〜中岳〜阿弥陀岳(12:00〜12:30)〜中岳〜分岐13:30(文三郎尾根)〜赤岳鉱泉テント15:10

朝食。
餅入り味噌汁。紅茶。
新雪が数センチ。手にも足にもカイロを入れる。
昨日降った地蔵尾根を登る。稜線直下の積雪が多くて、前の二人がラッセルしている。深い柔らかい雪にはまってさっさと歩けない。足のつま先が冷たいのを通り越して痛くなってきた。凍傷になるのではないかと不安になる。
ここで上から数人降りてきたのでトレースができた。ありがたい。
天望荘で凍えた足を温める。指先をマッサージしてやっと感覚が戻った、あー生き返ったよ。夫は熱いコーヒーでほっと一息。
ラッセルの二人は神戸の方。労山の登山学校に入って岩登りを始めたそうだ。中高年ばかりの山岳会で、普段は六甲や雪彦山の岩場、御在所の前尾根、屏風、北岳などに行く。
今年は剣の岩場へ行く予定だが「雪山は初めてなので・・・。」と少し不安そう。
小屋を出ると昨日の道がない。ラッセルかと思えば少し下にトレースがあった。赤岳直下も雪が多く、新雪が20cmほどある。神戸さんは慎重だ。岩と雪は勝手が違うのだろう。

赤岳頂上。
頂上小屋はガスっていたが、祠まで行くと青空がのぞいた。「やったー。」中岳へ向う頃には真っ青な空になった。振り返れば白い岩山がエベレストのよう。
ダイヤモンドダスト?がキラキラ輝く。綺麗!
ここでカメラの電池がもうないと言っている。やはり消耗が速い。雪に落とさないように入れ替える。


中岳分岐。
少し先を行く二人の登山者が目に入る。天気は良くなりそうなので迷わずに進む。中岳の登りで雪が多くなる。前の二人に追いつき頂上近くでラッセル。「やったー。八ヶ岳でラッセルなんて、なかなか体験できないよ。」御在所でしか経験がない私は、ピョンピョンとびはねる。
前方阿弥陀岳から数人降りて来て道がつながった。「中岳沢の雪崩を避けてこちらに来た。」と言っている。しっかりしたトレースができたので有難い。ずっとラッセルだったら大変だろう。
両側が切れ落ちたナイフリッジの雪尾根をトレースのままに歩く。バランスを崩したらと思うと怖いので、横見しないで、ただ前だけを見て・・・。

中岳沢あたり。
ここから白く大きい阿弥陀岳の壁を見上げる。雪壁にはしごも見える。多分ここは数年前に雪崩が起きた所だろう。今日の雪は大丈夫かな。
後から来た二人(昨日地蔵で足がつった方)が先に登り始める。急斜面で、ほとんどラッセルのようなものだからめちゃしんどそう。「先に行ってください。」の声。「やったー。」ルンルン気分で先に行かせてもらう。このサクサク雪を歩けるなんてラッキー、ハッピー、楽しいー。体が弾む。
数箇所、雪面に亀裂が入っている。わー怖―い。こんな所はさっさと通過しよう。抱きかかえ岩をしっかり巻いて、ハイマツの柔らかい枝につかまりながら足早に進む。
上からザイルを持った人が数人降りてきた。右下斜面を見れば、北稜からの人が登攀終了、ザイルを片付けている。


阿弥陀岳頂上。
生憎ガスっているが無風。平気で立っていられる。寒くない。手も冷たくない。草もち一個をほおばる。
二人、北西稜を降りていった。
北稜の登攀を終えた人の装備は前尾根くらいのもの、ピッケル、シュリンゲ二本、エイト環、ATC、カラビナ数個。次回は私もこの尾根を登りたいな・・・。次々後続も登って来た。こんなにつんでいると待ち時間があって寒そう・・・。
時々うすく青空が見えるが赤岳はいっこうに望めない。待ちくたびれて降り始める。三分の一程降りた地点でやっと青空に赤岳が顔を出した。


我々も雪崩れを避けて中岳へ戻る。ここからの赤岳が格好いい。青と白の世界に夢中で写真を撮り続ける。
三人、中岳を登って来た。また直ぐ名もない尾根を引き返している。よほど八ヶ岳に慣れた人たちだろう。
神戸さんはあきらめたかな。阿弥陀岳へ行きたがっていたけど会わなかった・・・。


中岳から仰ぐ赤岳。美しい・・・。背後に阿弥陀岳が勇姿をあらわし始めた。
さらに進むと雪原のエビノシッポ越しの赤岳が見事だ。


分岐到着。
文三郎尾根を降りる。次第にガスがとれて行く阿弥陀岳。すごく迫力がある。素晴らしい。荒々しいコブの南稜も現れた。
ずっと前にいた北稜からの二人が赤岳へ向う。絵になる岳人・・・。
ふと赤岳主稜から声がする。見上げると雪と岩に魅せられた人達が果敢に攀じ登っている。


今日のこの尾根の新雪、超気持ちいい。さくさくだ。
中岳沢をおりなくて正解。
林のふわふわ雪にみとれながらテントに戻る。おとぎの国二日目・・・。


鉱泉からはいつまでも白銀の赤岳、阿弥陀岳が輝いていた・・・。

夕食。
ビーフシチュー、ポトフ、ポテトサラダ。
濡れた靴もストーブで乾かすことができてよかった。

今日は感動が大きすぎて?寒くないのに眠れない。いつものことだけど何度も目が覚てうとうとするばかり・・・。


硫黄岳、横岳へつづく。
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