荒島岳

       1524  (福井

2009年3月8日  くもりときどき晴れ

勝原スキー場P6:00〜しゃくなげ平鞍部(トラバース道)〜荒島岳10:00〜P14:00〜美山森林温泉〜(北陸道・福井〜木之本)〜自宅

朝、腰と相談しながらそっと起きる。動けるのでひと安心。腰の両側が痛むから、たぶん軽い捻挫。鎮痛剤バッフアリン(頭痛薬かな?)を飲んでとにかく行けるところまで行こう。空荷で。
手をコルセット代わりに押し当て登る。急激な行動は避け、できるだけゆっくり靜かに足を置く。登り始めると昨日の降りの痛さはない。足腰にとって降るより登るほうが楽?

スキー場には雪がなく、リフトが取り外されていた。
藤原岳でお会いしたM谷さんと再会。ヒマラヤ、ニュージーランド、マチュピチュなど海外のトレッキング経験の持ち主。経済力と時間と体力と全て揃わないと行けないよ。恵まれた環境のM谷さん。おまけに5000mの高所もへっちゃらで、何もかも山仕様!高所に弱い誰かと大違い・・・。
「エベレストを見たい。」という願いがかなったら終わりじゃなくて、よけいに視野が広がったとのこと。その向上心とパワフルな行動力に脱帽。私が今まで出会った女性で最高レベルの山旅をされた方!

ブナ林のブナに見とれる。ダケカンバも出てきた。
シャクナゲ平鞍部へのトラバース道。シャクナゲ平をショートカットする。
テープが何本も巻いてあり、トレースもある。O須さんはGPSで確認。日本語版で現在地が良く分かる。「地図がなくても、これがあれば迷わない。迷っても迷ったまま戻れる。」心強い味方とともに最先端登山。
樹氷が美しい。エビノシッポも大きい。白い白山が姿を現した!

早めに声をかけて、アイゼンをつける。「どうせつけなければならないから。」と・・・。なるほどと納得。昨日の野伏ケ岳のように切羽詰ってからでは危ないことが多い。心の準備もできるし・・・。急登直前には皆ピッケルも用意。

ブルーシートの雪洞が現れる。雪のトイレにもびっくり。ショベル、鋸?など数人分が置かれ、雪のブロックは隙間なく積まれている。

急斜面を登る。さらに雪庇の乗り越しなど数箇所を慎重に。
加賀の大日?や、銀杏峰の白き峰が美しい。そして大野の薄緑の大地が何処までも広く続いている。

樹氷越しに白山。
雪庇がひび割れている!杭があるから、多分ここが登山道の端なんだろう。あまり雪庇の先に行かないように気をつけよう。
乗鞍岳、御嶽山が見えてきた。富士山のように頂が白い。大日岳左には穂高、大キレット。槍ヶ岳だけは黒い。



荒島岳山頂。
360度の展望。目の前にドーンと白山。エビノシッポが御在所とは違って、鋭く尖っている。
歩くのがストレッチになったのか腰の痛みもたいしたことなく、無事山頂に到達できてよかった。白く美しい荒島岳山頂を堪能する。



風がきついので少し降りてから休憩することに。天気予報は午後雨だったがどんどん良くなっている。
白山を見ながら硬い雪を降る。アイゼンがよく効いて気持ちいい。腰をかばってダブルストック。体重が手足に分散されてすごく楽



朝、ピッケルに持ちかえた急坂で小休止。桜の花びらがはらはら散るように樹氷が舞い落ちてくる。白い雪の花びらが舞うなんて雅な世界・・・。ブナの木は背が高いからこうなる?御在所は背が低い躑躅類だからこうはならないよ。

カドタ?の前身、タニ?(メーカー名だと思うけど)のアイゼンをみせてもらう。プレートがないので簡素に見え頼りないようだが、靴につけるとしっくり馴染んでいる。
いいものは時を越えても変わらない。アイゼンが普及し始めた頃のものとか。ピッケル同様、一生添い遂げるような道具。
それを心を込めて作った人、大切に使う人。古い山の道具に出会うと胸がキュンとなるのはきっと双方の心がこもっているから。そして私の知らない何十年も前の、装備も服装も質素だった時代に、その持ち主は山の魅力にはまって、そのアイゼンも山々を歩いていた・・・。そう思うとやはり熱いものがこみ上げる。


雪はどんどん緩んで泥んこ赤土。滑ると腰に響くのでリフト乗り場跡までアイゼンをつけた。雪で靴とアイゼンを洗う。
そこからは皆フキノトウを摘みながら降る。枯れたススキが滑るし、手がふさがっている・・・。


山を降りて、大野から白い荒島岳を仰ぐ。ボリューム感ある堂々とした山容だ。さすが百名山、風格がある。さっきまであそこにいたと思うと満足感でいっぱいになる。
福井の水羊羹をおみやげに。寒天が多く甘さ控えめ、冬に美味しいとか。

美山森林温泉。¥500
山間の木立からこぼれる日の光を受けて湯に浸かる。まだ山を歩いている気分。すっかり腰も回復したようだし・・・。
北陸道はスキー帰りの車が少ないので順調に走れた。
二日続けて、野伏岳と荒島岳の雪を楽しめてラッキー。やっぱり雪山はいい!


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