愛知川
        (三重・滋賀)

ECHIKAWA

2005年8月7日 晴れ 

朝明P6:40〜ハト峰7:45〜白滝谷出合(8:45〜9:00)〜天狗滝9:35〜七丈淵9:55〜ヒロ沢10:25〜大瀞11:15〜大岩(11:30〜12:00)〜タケ谷出合(12:30〜12:50)〜根の平峠13:10〜(伊勢谷)〜朝明P14:10

駐車料金¥500

暑くなりそうなので愛知川へ行く。朝明手前で雨がパラパラ。黒い雨雲が上空にある。
朝明は降った気配もない。いつも閑散としている駐車場はすごい車だった。
いつもはハト峰までの道が暑くてフーフーいうのだけど、今朝は先ほどの雨が打ち水になったようで涼しい。ひんやりした大気の中を行く。虻も少ない。
ハト峰に着くと辺りはリョウブの花が咲き乱れている。甘い香りに包まれる。
愛知川手前で白滝谷沢歩きの五人が道に迷って戻って来た。「愛知川に下りないと谷は登れないよ。」地図を見て話すと、納得してまた降り始めた。
年齢は幅があり、どこかの山岳会とか。沢歩きの経験はあるがこの谷を知っている人が誰も居ないようだ。
愛知川に着く。少し下流を見ると白滝谷へのテープが見えている。木に巻きつけてありよくわかる。少し遅れてきた彼らに遠くから手振りで話す。通じたようだ。
愛知川は思ったより水量が多く綺麗だ。
渓流靴下を履いて渓流靴に替える。底がフェルトになっているので滑らない。さらにスパッツ。これは冷えすぎないように。
日射病予防に大きいバンダナをヘルメットの下に。登山靴をザックに入れる。
スポーツ飲料を飲んで愛知川遡行スタート。


出合から十分ほどの廊下のような所、淵が去年より深くなっているようだ。濃い緑色。ここはいつものように高巻く。
初めて来た時、この岩にどぎもを抜かれた。鈴鹿にこんな所があるなんて・・・何度来てもその思いは変わらない。
すごい迫力だ。大きい岩の上を歩く。
川の水は冷たく、深いところは腰まである。エメラルドグリーンの透き通った水がとうとうと流れる。
愛知川の水はなぜこんな綺麗な色をしてるんだろう。この美しさに勝る物が他にあるかな?どんな物も比べるに値しないよ。
どこまでも続く美しい緑の淵。透き通って綺麗。全くの別天地、愛知川。
今年も来る事が出来て良かった。
天狗滝。
淵に少し砂がたまって様子が変わっていた。ひな壇岩に木が何本も倒れている。危険。くぐり抜けたりしてここは急いで登る。ロープも頼らないようにして。
滝の上に出て見下ろす。真っ白の美しい石段の上に倒木。無残な雛壇だった。自然は変わる。姿を変える。この木も何時か朽ちる・・・



七丈淵。
ここも様子が変わってしまった。水は膝までしかない。浅い。
淵が深くて去年まで肩車をしてもらって渡った所。一人で行ける。もう七丈淵の名前も変えなきゃ。
滑り台のような滝は相変わらず深い色。水量も多く勢いがある。
左側の岩をまく。抱きかかえる岩もちゃんと行ける。
ヒロ沢では根の平峠から来て白滝谷に下る人一人。ハト峰から着いたばかりの子供達。我々は少し休んで大瀞へ。
ここから大瀞までは水は浅いし、危ない所もない。気持ちいい川原歩き。
大瀞。
淵は深く暗い廊下。ここは右へ高まく。
橋の下辺り手前で又川に降りる。
ライフジャケットをつけた若者二人と犬。大瀞の深い淵へ飛び込んだ。そんなことができるの?すごい。
犬は置いて行かれてキャンキャンないている。そのうち自分で判断して高巻いて行った様だ。
橋の下も廊下。深い緑色の水面が光に輝き美しい。
どこの淵にも三センチほどの稚魚が泳いでいる。ピチピチと元気。魚の世界も世代交代で新しい命が育っていた。
夏は生物の生きる姿をこの目で見る事ができていい。花や虫や動物と出会い、その生きる姿勢から感動とエネルギーをもらう。
山では、そのわくわくする自然との出会いが休む間もなく次々あらわれ延々と続く。もうこれでいいという時がない。
夏が終わって秋になったら、又秋の出会いがあるし・・・
山を歩いて、「自然」と友達になれて良かった。


この淵は腰辺りまでの水。「冷たーい。」だけど「気持ちいーい。」



その後大岩で休憩。
ここは愛知川後半、大瀞からタケ谷までの核心部。
平らな岩に乗る。靴など脱いで素足で岩を歩く。気持ちいい。
熱くなった岩で冷えた体を温める。これってすごい贅沢。真夏に体を温めるなんて・・・
岩に寝転ぶと樹間から青空がのぞく。夏らしい濃い青。空気もカラッとしている。やっと真夏の空になった。入道雲も垣間見えて夏本番。
愛知川にはこんな日がよく似合う。
今日、暦の上では立秋らしいけど・・・


ミヤマカラスアゲハ。黒い大きい羽を広げて、濃い緑に輝かせている。美しい。
ヒグラシなどセミの声があまり聞こえない。命を燃やし終わったセミがあちこちに・・・
今日はなぜかマムシなどヘビも見ない。気温が高いからかな?
タケ谷手前で急にアキアカネが多くなった。顔にぶつかりそう。辺りはずっとリョウブの甘い香りがする。
この辺で、ゆずりおからタケ谷まで片道四時間かけて往復しようという人。根の平峠からヒロ沢まで川下りの人等に会う。
少し先で、わら草履、地下足袋、浮き輪を持った十人ほどの人達。浮き輪に乗ってのんびり川下りとか。
一度車を朝明に置きに来て、武平に戻り、沢谷峠からコクイ谷経由で来たらしい。愛知川周遊縦走?型。
タケ谷出合。
川歩きは終わった。暑くもなく冷えすぎる事もなく、湿度も低く快適。
ここで靴を登山靴に替える。
出合から根の平峠までは、笹が枯れて周囲が明るくなった。見渡せる。
数年前は笹をかき分けて進んだような?
「川歩きは最高だけど、その後の峠までの道が暑い。虫も多いし・・・」なんて思っていた。
今日は虻など虫もいない。湿気もなくさらさら。峠までの道がこんなに爽やかだと気分が良い。
又、愛知川でこんなにたくさんの人に会ったのは初めて。それぞれが美しい夏の愛知川を自分流に楽しんでいた。
一度来たら忘れられないよね。こんな綺麗な川。どこにもないもの。
エメラルドグリーンの愛知川を満喫して帰途につく。


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