御在所岳
    1212m
(三重)


2005年12月3日  くもり時々霰 

旧料金所P7:15〜(中道)〜朝陽台8:50〜望湖台9:20〜武平峠〜鎌ケ岳11:05〜白ハゲ11:45〜(長石谷)〜P13:30

朝、山を見上げると山頂が白い。雪化粧している。
今日はボレアールの冬靴。スパッツも付ける。Oさんもブルーの冬靴を新調している。車も替えて冬に備えている。
中道の岩には雪がついている。滑る。「もし前尾根でも雪がある時はリスクを避ける為、ない所を歩く。」そうだ。
地蔵岩。
雪があるからパス。凹角部もキレットもOさんは新しい冬靴で楽らく。既に岩を見るとどこでも登りたくなってムズムズしている様子。
富士見岩クサリ場下でスパッツの裾のゴムがはずれていると言われて気付く。引っ掛けると危険なので直す。
ついでにここで毛糸の帽子を被る。温かい。「クサリ場は凍っているんじゃないかな?」と心配したけどまだ大丈夫。



富士見岩展望台下あたりから一面雪となる。降ったばかりが一番滑りやすいとのことで今日は手前のガレ場は行かない。
富士見岩。
余り寒さは感じないが気温0度。山頂積雪2cm。今季はじめての樹氷。なつかしいていうか久しぶり。綺麗。
朝陽台からケルン、望湖台へ。雪が靴の底について高下駄になる。ああ雪はこうなるんだった。忘れていた雪の感覚を思い出す。舞妓さんのぽっくりみたい・・・。

ここで聞きなれない鳥の声。「エナガです。」と鳥博士のOさん。すごい!短いさえずりを聞いただけで鳥の名前がわかるなんて。私なんぞ鳥の声がしたかな?という程度。


望湖台の空は暗く冬の空。いつもの明るい望湖台ではなく少し不気味な感じ。岩に小さいエビノシッポができている。風の方向に大きくなってくるくる回る風車のよう。自然が作り出した「万華鏡。」不思議。
さすが伊吹おろしか鈴鹿おろしかといわれるだけあって望湖台の風は冷たく寒い。強風に頬が痛く指がかじかむ。
三角点手前で「足跡が綺麗。」 雪についた靴の足跡がひし形、クローバー、そろばんの玉のような六角形と三種類。雪があればこそ気がつく面白さ。
あずまやの樹氷が一段と白い。
峠道でススキの穂にも樹氷がついてエビノシッポになっていた。ここからは雨乞岳からの風がきつい。それは冷たい冬の風。全身で「冬」を感じて颯爽と歩く。寒くて冷たいけどこの風を感じられて幸せ。

武平峠でTさん宅の無農薬栽培みかんを頂く。Oさんと半分っこして。酸味があっておいしい。


展望台。
私だけ木のあるところからよじ登る。見下ろせば三ツ口谷の樹氷が美しい。冬の鈴鹿初めてのOさんは今日来て良かったと樹氷に感動している。
このあたりで又鳥の声?耳を澄ます。それは強風で木と木がすれあう音だった。
木と木の摩擦で火災になることもあるとか。怖ーい。初めて聞いた不思議な木の音。
鎌ケ岳まで三重県側の木々だけに雪と樹氷が付いて真っ白。さながら白い衣装を纏っているよう。綺麗。細い木の幹にも小さいエビノシッポがちゃんと付いている。幹に触るとふきつけられたようで柔らかい雪。今朝降って気温が低いのでそのまま融けずに付いているみたい。
その白い林に見とれているとうしろで「ロウ細工みたい。」と言う声。その美しい形容に又また感動する。
三ツ口のザレ場に来ても相変わらず薄暗い冬空。御在所岳は望めない。振り返ると展望台あたりの樹氷が綺麗。前方鎌ケ岳の樹氷も。さらに北風が強くなる。


頂上手前を右へ。大岩にエビノシッポができている。大岩南の斜め岩に積雪。靴で雪面をなでて確かめ乗ろうとしたけどあきらめる。
私の岩にも雪。ここもエビノシッポ。滑りそう。まだ鳥居前の雪庇はできていない。また今冬もできるかな?楽しみ・・・。
南に行くと風があたらなくて北面に比べればうんとあたたかい。
白ハゲはどうなっているのだろう。山頂で休まず、そのまま馬の背尾根から長石谷に降りることにする。
尾根を行くと左に長石谷の樹氷が美しい。「あ、虹。」ハライドの裾の方?


白ハゲに来ると雪がない。雪を想像してたもんだからちょっとがっかり。でもそこから見下ろす鎌ケ岳の裾の峰々、ハライド、キララなどの大展望に感動。
大地を見おろす感じがいい。こういうのを「俯瞰する」って言うのだろう。今までここで立ち止まった事がなかったので写真を撮りながらじっくり味わう。まだ虹もかかっている。
静かな初冬の雰囲気がなんともいえない。好きな砂ザレを蹴って降りる。気持ちいい。ふりかえれば鎌ケ岳の粉雪薄化粧も綺麗。秋の終わりを告げるように長石尾根に一本だけ黄葉した木が残っていた。ここで霰がパラパラ。登山道に白い霰が鮮やか。

長石谷に降りる途中で御在所岳山頂のアゼリアあたりからちょうど雪を被った中ほどまでを望む事ができる場所があった。夏には気づかなかった・・・。木々の葉が落ちた今日だから気づいたのだろう。
水量が少ない犬星滝を見上げながらパンとチョコ、飴。ここまで来るとそれほど寒さは感じない。
谷は枯れ葉が多くて、さながら美しい「落ち葉谷。」


バランス感覚と運動神経抜群のTさんとOさんは軽く岩を飛んで行く。私はといえば、その落ち葉に滑って「おっとっと」となったり、転んだりする。まだまだだな。


登山口で見上げれば静寂の中に薄化粧した御在所岳が聳えるばかり。それは冬の御在所岳だった。
帰り、車で裏道登山口のトンネルを抜けると雪のように落ち葉が降ってきた。道路にも落ち葉がくるくる舞っている。まるで映画のワンシーンのような「落ち葉吹雪」の中を駆け抜け帰途につく。

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