御在所岳
1212m(三重)


2005年1月8日 くもり

温泉最奥P7:20〜富士見台9:20〜朝陽台〜望湖台〜(峠道)〜武平峠11:30〜(スカイライン)〜P12:30


昨夜又降ったらしく新雪10cm。あちこちの雪を蹴りながらTさんと西穂高岳の話をしながら行く。デジカメは体で温めるといいらしい。次回はそうしよう。
おばれ岩でレイバック1回練習。藤内の小屋が見えるザレ場がガリガリに凍っていた。
槍平山荘の裏から槍ヶ岳に行くルートで南岳に上がるところがこんな状態だとか。一歩踏み外したら命がない。だから落ちないようにして歩くそうだ。
冬の槍ケ岳の経験がない私には理解できない世界だけど西穂高岳を知った今では少しだけ解る気がする。言葉で言い表せない厳しさだろう。
雪があったけどアイゼンなしで岩棚の手前も右に上がる。キレットはやはり慎重に下りる。この前の31日よりは下りやすかった。ちょっと雪の付いた岩に慣れたのだろうか。


曇っているけどモノクロのシックな感じも又いい。国見岳やハライドが墨絵のようだ。富士見尾根の樹氷が一段と白い。
上部テラス上の岩が凍っていた。「ステップを切る。」といってTさんはピッケルで足を掛けるところの氷を削った。以前はこうやって一歩一歩の足場を作りながら進んだのでとても時間がかかったそうだ。私もやってみてバイルのなかった時代の苦労を味わう。
鎖場下はやはりいつも雪が多くラッセルで大変らしい。今日は踏まれて歩きやすい。鎖場手前から朝陽台にかけて樹氷が白く輝いている。



山頂公園の人工の氷ばくも青く綺麗だ。遠く伊勢湾が光っている。
除雪してないアゼリアからの道は、年末は新雪だけで歩きやすかったが今日は下にあるそれまでの雪が凍って滑る気がして歩きにくい。

望湖台では雨乞岳こそ霞んでいたが三角点や御岳神社あたりの樹氷が灰色の空に美しかった。やはりこの辺りは積雪が多いようだ。
ここでわかんをつける。Tさんの本物のわかんは籐でできていた。真ん中に麻縄が2本。雪に刺さる歯の部分(木製)が減って丸みを帯びていた。その丸みはTさんが北アルプスはじめ、多くの雪山を歩いて来た事を物語っていた。
三角点に戻らず笹の上の道なき道を行く。わかんはどこでも行けて面白い。はまり込んだり、すべったり。
記念碑の前から誰も通っていない遊歩道に行くと、雪に埋もれた笹の向こうに御在所岳朝陽台のレーダーを望む事が出来た。ここまで来る人はほとんどなく静かな冬の御在所岳を独占する感じだ。


積雪時に峠道を歩くのは年末以来2回目。こんなに多いのは初めて。笹はすっかり雪の下になっていた。
峠道の岩から望む鎌ケ岳がことのほか美しい。この前行った日陰尾根も墨絵の中で縁取られて浮かび上がった。雨乞登山口あたりの雪化粧も綺麗。
武平峠手前は雪の量が先週より少なかったらしく思ったより早く峠に降りた。鎌ケ岳へは踏み跡はない
スカイラインに下りる。この道は数回通っただけでしかも積雪時は初めてなのでどこか知らない山を歩いている気がした。
スカイラインに降りると雪に嵌まり込んで歩きにくい。武平の駐車場でわかんをはずし小休止。まだ雪にもわかんにも慣れないので疲れる。あんなに雪を待ち焦がれていたのに贅沢いってるよ。
見上げれば西多古知谷の岩塔に日が射していた。通行止めなのに車の音がする。工事車両の移動が始まったようだ。しばらく登山道に入り途中からその跡をたどる事が出来、スカイライン歩きが楽だった。
三ツ口ダムは白く凍って冬の眠りについていた。その下には踏み跡があり三ツ口からは、鎌ケ岳に入った人がいるようだった。
年代物のTさんの木製ピッケルを見せてもらう。私の物と比べると重かった。刀と同じようにかじやで作られたらしい。きっと武士の刀の様に山男の身をしっかり守るように作られたのだろう。
手をかける木の部分にも温もりがあった。雪山の事を何でも知っていそうなピッケルは穂高の事など今にも語り始めそうだった。


今日もさらさら雪と樹氷を楽しむ事が出来、Tさんに感謝しながら山を下りた。帰り菰野の庁舎や千草辺りから振り返ると山は灰色の冬空にすっくと胸を張っているようでとても凛々しかった。
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