御在所岳
1212m
(三重)


2005年2月5日 くもり 

温泉最奥P7:30〜(本谷)〜くぐり岩10:30〜大黒尾根12:30〜(本谷)〜P15:00

スカイラインで20cmほどの雪。本谷を行く。橋を渡って小屋へ。踏み跡はなくもうここから雪が多い。カッパの下をはいていたが熱くて脱ぐ。でも雪がすぐひざ以上になってズボンがぬれる。もう一度はく。
雪が多すぎて岩の間の雪がどれほどか見当がつかずすぐ嵌まり込む。水のあるところは「へつり」でいく。岩にへばりつくことらしい。雪に埋もれた岩はピッケルで雪をどけて、水が流れているところはそのまま流れの中を歩く。一枚岩は右端を登ると雪の階段になった。とがった岩がみんな雪に埋もれて丸くなっている。その柔らかなまるっこい白い風景がなんとも言えず心が和む。
不動滝は水量が少なく凍っているのかいないのか。その滝の上の一本杉でアイゼンをつける。リボンの滝(勝手につけた名前。凍るとリボンがもつれたようになる)は雪があって氷もよくわからない。そのあと大黒滝下を左へ折れる辺りはただ雪の斜面。道がない。一番左から這いあがる。先週苦労したその後の岩間もはまり込みながら行くと雪の積もった大黒滝。氷のシャンデリアも先週と同じく雪の下



この辺りからデジカメが変。「ズームエラー」と表示。故障かな?電池を温めたりしてみる。
遠目に滝を見て、その上の鎖場に出る。左のV字谷を行けるかと取り付きを見に行く。雪は吹き溜まって腰まであるが右寄りの岩を登ると倒木に到着。そこから登山道に戻り、デブリとかで雪が流れ落ちた雪崩跡のような所を歩く。でこぼこした雪で表面は固いが中はグサグサ。慎重に歩を進める。
左折する鎖場が雪で埋もれわからずまっすぐ点検道の方へ上がってしまった。左にトラバースしてくぐり岩まで下りる。雪があればこそできること。くぐり岩右の岩場も雪に埋もれている。登っていくとそのまま雪の階段になった。上から見下ろすとほとんど垂直。この岩がこんな状態になったのを目にするのは初めて。その岩の上辺りがまたまた吹き溜まりで身動きできない。左寄りの岩壁に沿って上がりやっと脱出。ここまでラッセル約3時間。
ここから山頂までが大変そうと思ったが意外にその後は膝上辺り。はまり込まずに行けたが今までの疲れで大腿四等筋がつりそう。少しずつ前進する。上部岩の氷も雪の下。
大黒尾根に上がるところはさすがに今日の最高だった。小さい私は雪に埋もれそう。朝陽台への分岐少し上を左にトラバースする。しっかりピッケルで雪をどけて木登り状態。中ほどで黄色のロープが目に入り大黒尾根到着。
「ついた。やっとついた。」厳冬本谷をラッセルすること5時間。それは今日しか味わえない世界だった。


体が冷えるのですぐダウンのインナーとフリース、カッパの上を着る。パン2個と生姜湯。さらに紅茶で温まる。
食事後遊歩道に出るためそのまま大黒尾根を登ろうとしたが腰の高さ以上の雪。峠道どころかアゼリアまでもすんなり行けそうにない。
そのまま今来た道を戻る事にする。谷に下りると青空ものぞいて、白い鉄塔がきれいに輝いている。雪はべたつかず朝のままで気持ちよく滑り降りる。雪が一緒についてきてあまりスピードは出ない。自分がつけたトレースを消して下りる。
くぐり岩左は前向きで一歩一歩慎重に。時々アイゼンについた雪をピッケルでたたいて取る。
雪の岩の上を歩いたり、滑り降りたりしながら下る。一本杉手前で仕上げ。もう一度ピッケルをしっかり使って岩の雪をどけて乗る。
下の方でスノーシューの跡を見つける。この人は足慣らしに来て戻ったのかな?誰にも会わなかったけど・・・
アイゼンの使い方がよくわかってないので何度も蹴ったりする。爪を1本かけて1回で決めるとうまくいくそうだ。
本谷のラッセルは初めてで「すごい。」の一言に尽きる。それも近年まれにみるこの大雪。登山口あたりまで雪に埋もれた白い本谷はいつもの岩の本谷とは全く違っていた。今日のこの大雪ラッセル体験はずっと記憶に残ることだろう。


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