御在所岳
    1212m
(三重)


2006年1月8日 くもり

温泉最奥P7:30〜(本谷)〜大黒尾根12:30〜朝陽台(12:45〜13:45)〜(中道)〜P14:45

車が3・4台縦列駐車。仕方がないのでその奥に止める。
登山口では新たに15cm。谷はその新雪が美しい。時々木漏れ日が射して雪の結晶がキラキラと光り輝く。風と雪の美しい造形芸術作品に見とれながらラッセルして行く。綺麗な冬景色。
こうやって雪山の魅力にどんどん嵌っていくのだろう。現に年末年始、御在所岳に六回も通っているんだから・・・。もうすでに嵌りこみ過ぎかな?


不動滝左上の尾根、柔らかい雪が滑りやすいので慎重に行く。雪の量はどんどん増える。大黒滝下あたりでMさん夫婦が合流。
気がつけばここまで私一人でラッセルを独占していた。夫は後ろから。誰にも譲らないよ。こんな楽しいこと。
年末にT川さんと降りた右斜面から雪崩れている。今も時々落ちてくる。そこを横切って真ん中の滝下に行こうとするがここの吹き溜まりが深い。右の雪崩が怖いので無意識に逃げてトレースから少し左にずれたようだ。
もがいて滝下へ。ここも深い。腰辺りまである。
大黒滝の氷が大きくなっていた。



その後左へ出て登山道に戻る。ここも深い。
滝上手前の斜面にもデブリ跡。このあたりのラッセルMさん。若いのでパワーが違う。
そこも慎重に横切って滝上へ。V字谷へ上がろうとするがここが特に雪が柔らかく深く嵌る。
岩の左から倒木まで前回一月四日のトレースをピッケルで探るが雪が多くてさっぱり見つからない。やっと中ほどまで来て倒木右側にトレースを見つけ乗る。今日のこの谷は、吹きだまりになっているし、上から雪崩た跡もある。そこに時々雪が落ちてさらに雪崩れてくる。怖い。
その後は傾斜もきつくなり進行方向の雪面は胸以上。見上げる。こんな雪が崩れてきたら身動きできない。埋もれてしまうよ。雪が締まっていた先日とは大違い・・・。
ここからじゃ、いつもの右尾根に上がるにはちょっと深いし遠いし・・・。こんな危険な所は速く通過しなくては・・・。
このあたりではとても私の出る幕じゃない。手におえない。深すぎる新雪に夫等も悪戦苦闘。遅々として進まなかったがようやく上部岩場に来た。ちょっとでも谷から離れたくて左の固定ロープから岩上に上がる。やっと三角岩下へ。
後ろからゾクゾク人が来て右ルートもできた。約30人。見れば後方にIさん等も。中ほどにUさん。ピッケルでなくスコップで雪をかく人もいる。本谷に登山者の行列が出来た。驚き!



ようやく大黒尾根に取り付いて山頂へ。約5時間のラッセル。カモシカセンター前の大きくなった人工氷ばくを見下ろして遊歩道へ。
去年の正月、西穂高岳で会ったKさん。今年も行かれたそうだ。「余りの大雪に小屋まで行くのも怖かった。去年と全く違った。」そうだ。「我々は(未熟で軟弱なので)大雪が怖くて行けなった。行かなかった。」と本音を告白する。
後尾の老夫婦は「除雪してくれた誰かのおかげではじめて本谷を歩けました。」と明るい。
食事は屋根つき休憩所で。テーブルが雪に埋もれそこを歩くと頭が天井につかえそうだ。こんなことは今までにないもの。数年しか知らないけど・・・。
今日の樹氷はとても大きくもこもこした金平糖になっていた。


中道から望む周囲の山の雪化粧にも目を見張るばかり。それに頂上からのサラサラした雪質は登山口までまったく変わらない。下り中道尾根歩きは西穂高岳か八ヶ岳を歩いてる気分。少しもベタベタしないもの。
記録的大雪で日本中雪害が多いこの冬。我々ばかりが楽しんでいては申し訳ない気がする・・・。



反省として、「山はけっして昨日と同じではないから無謀な行動を慎みたい。」ということだ。
同じ場所でも気象や雪質、積雪量で全く違う。この前こうだったからというのは役に立たない。一つの経験というだけ。事実今日の雪は一月四日とは全然違って柔らかすぎ。
こんなに新雪が多くて締まっていない時は新雪雪崩が起きる。それが一番怖い。
又、吹き溜まりや穴などがあると奈落の底へ。既に積雪が1m50cmほどあるから小さい私など嵌ったら、そこから抜け出す事も大変だ。単独ならなおさら。
幸い何事もなかったが、こんな日は雪崩の危険を考え、特に上りでは尾根を歩くべきだったと振り返る。谷では逃げ場がないもの。
昨年の藤内沢雪崩同様の事故が御在所岳のどこで起きてもおかしくない今日の雪。改めて友人の体験を教訓にしなければ・・・とハイになりすぎる自分自身を戒める。
雪山の知識や経験が乏しい「ガムシャラと体力と無謀さ」だけの「山素人」の我々だからこそせめて危険回避できる知恵を持たねば・・・。

もっと冷えて、雪が締まらないかな。そして嵌り込まない超気持ちいいガリガリした雪の上をサクサクとアイゼンを利かせて歩きたい。


     トップメニューへ
inserted by FC2 system