御在所岳
    1212m
(三重)


2006年4月15日 小雨のちくもり

旧料金所P7:00〜(中道)〜朝陽台〜(中道)〜P12:00

駐車場に車が一台。小雨が降ってあたりはもやっとしている。山頂は望めないだろうが行ける所まで行こう。
登山口でミツバツツジ。雨に濡れてしっとりとした美しさで迎えてくれる。
ロープウエイを望む岩ではアカヤシオが咲き出した。淡いピンクが可愛い。今年は雪が多かったし、四月になっても寒い日が続いている。なのにちゃんと咲いている。時期がくれば固い樹や皮を破って咲こうとする花のエネルギーに感動する。
やはり山頂は望めない。白い霧の中で何も見えない。
藤内小屋の見えるザレ場。一人だけ足跡が。
ショウジョウバカマがあちこちに。雨を含んで花びらがみずみずしい。紫やピンク、白っぽいのも。
地蔵岩が白く幻想的。キレットもガスに包まれている。



残雪は下のテラスあたりにわずか。先週はまりこんだ山頂近くの雪は一週間で融けてしまった。まだ随分あったのに・・・。雨が続いたからかな。
何もない雨に濡れた登山道を行く。そして周囲にも何もない。何も望めない。
富士見岩の岩場でK君。「Iさんみっけ。」かくれんぼで見つかってしまったらしい?
久しぶり。冬の間は栂池や八方でスキー三昧。先週から御在所岳へ来ているそうだ。今朝は結構雨が降っていて本谷に水が多く中道を来たとか。さっきの足跡は彼のだった。
富士見岩下。
雪も氷もない雨に濡れたガレ場を登る。富士見岩へ直登していた尾根道は笹が起きて冬の日の気配もない。
遊歩道で白いバイカオウレンの蕾を見つける。まだ花が小さい。今朝咲きだしたばかりのようだ。ブレて旨く撮れなかった。

朝陽台。
何も見えない。Aさん一家とともに軽く食事。体が雨に濡れたので冷えてきた。手もかじかむ。肌寒い。熱いお茶がほんのちょっとだけ体を温めてくれた。がすぐ元に戻って寒い。冷え性にも困ったものだが、我慢できずに望湖台にも行かずもう早く降りることにする。


おばれ岩まで戻るとやっとガスがあいて辺りが少し見え出した。そしてそこここに優しいピンクのアカヤシオの蕾。風がきついので木々が揺れてなかなか上手く撮れない。
ガスが飛ばされて御在所岳山頂がぼんやり望めるようになってきた。
裏道への分岐から下を見下ろすと朝見たアカヤシオの隣になにか白い花。コブシ!そこから登山口までは所々に白い花びらが目立つ。行きにはガスで何も見えなかったから・・・。
その花びらの白さにここにもあそこにもコブシの木があったんだと教えられる。
そして薄紫色が鮮やかなミツバツツジ。花びらに水滴を含んで朝見た時よりさらに美しい。甘い香りがあたりにたちこめている。




2006年4月16日 くもりのちはれ

旧料金所P7:15〜(本谷)〜朝陽台9:00〜望湖台〜武平峠10:00〜展望台10:30〜鎌ケ岳11:50〜(三ツ口谷)〜P12:45

本谷は水が多い。濡れた岩の上を歩く。不動滝左の尾根は落ち葉がいっぱいでヌルヌルしているので慎重に登る。
大黒滝下の分岐で落石がいくつか。落ちて間もない。こんなのが目の前に来たら死ぬ。この分岐の休憩は危険だ。休まずそのまま滝下へ。真ん中のガバを持ってあがる。
大黒滝下にはまだ残雪。そこにも落岩。どうも先日滝の上に落ちた三角岩らしい。
くぐり岩右、岩が濡れているがそのまま直登。そこからも大黒尾根から落ちたのかあちこちに落石。浮石。滝辺りから一緒になった人と夫は今にも落ちそうな岩を安全な所へ落とす作業。
ロープウエイ下を右折れ。この道は久しぶり。冬の間は通っていなかったので。笹をつかんで登って朝陽台へ。あたりは真っ白で何も見えない。
望湖台へ。何も見えない。雪庇尾根が小さくなっていた。最後まで残るのかな?
武平峠。10:00
峠に雪は全くない。鎌ケ岳へのあの雪壁は陰も形もない。風の通り道だから雪と風があの壁を作るのだろうか?
雪の消えた登山道を普通に歩く。
御在所岳側から展望台へ。
岩に乗ってから、「二つ目の岩がぐらぐらする。」と言われて気づく。「早く通過しなければ・・・。」「乗る前に感じなければ・・・。」反応が遅い私はこんなもの。
ここから眺めると鎌ケ岳山頂直下には二箇所残雪。左が左俣らしい。よく見れば一壁のように垂直に見える。たしか降りはじめが怖かった・・・。
冬、雪壁になっていたところは段々になっていた。ここも風が壁を作るのかな?白いバイカオウレン。北風も当たるし雪も多い厳しい環境だからか花が小さい。
積雪期にどこを歩いたかを考えながら歩く。登山道を離れて三重県側の雪の上を行ったようだ。
三ツ口源頭部。大雪の日、大雪庇ができていたあたりの残雪を見下ろす。
山頂直下右へ入って大岩へ。
大岩前から左へ。私は中ほどから上へ。大岩に乗って後ろの私の岩にも乗る。鎌ケ岳山頂に雪は何もない。社はかたむいたまま。
山頂から見下ろす宮妻の山桜や大地の緑が綺麗。雨乞岳の笹原も薄緑色。春色に染まり始めた周囲の山がとても美しい。
冬にあった雪庇尾根、下段の雪原、その下の垂直雪斜面は消えてしまった。そこには笹が起きだして冬の面影はまったくない。
下りは尾根から三ツ口へ。左俣はどこから降りたのか確かめながら行く。降り始めはシャクナゲの大木あたりらしい。尾根ザレ場から見る左俣。傾斜がきつい事がよくわかる。
目の前に奥行きがある大きい御在所岳を仰ぐ。「でかい。」
三ツ口谷には残雪が多くその形が面白い。アメーバみたい。
急斜面を降りたあたりにバイカオウレンが群生している。米粒くらいの蕾が愛らしい。花びらの外側が淡いピンク。その花びらに雨上がりの水敵が美しい。今日の主役はやはりこの花。
雪の多かった日に高まいたらしい滝上の尾根を見上げて大滝へ。
雪融けの水量が多く迫力がある。滝前に今日最大の残雪。その固い雪に乗る。下りは踵で。
残雪の裏側を見るとスプーンカットになっている。雪と岩の間にはシュルンド。尖った雪の先から雪解け水の雫がぽたぽた落ちている。北アルプスの雪もこうやって一滴ずつ融けるのだろうか?アルプスの雪に思いをめぐらす。
小滝。
ここではバイカオウレンとショウジョウバカマが一緒に咲いている。白とピンクの取り合わせが可愛い。水量が多いのでいつもの滝でないように見える。
シャッター速度を下げて撮ると水滴が粒粒でなく白く滑らかに映るらしい。
当たり前だけど堰堤の下にはいつかの白い雪斜面はなかった。あるのではないかと思ってしまう自分が可笑しい。ただの普通の登山道を下る。
天気がどんどん回復して青空が広がった。水量が多い一番下の小滝からジャブジャブとダム手前の川に入って行く。川底は固い。
ダム湖の緑の水が綺麗。
なぜここの水はこんなに透き通って深い緑色なんでしょう。
湖面に映る空の色は目で見るとただ白いだけ。なのにデジカメでは鮮やかな水色。風が優しく銀色に湖面を揺らす。
漣が刻々と形を変える。綺麗。その漣が湖底に映って白くキラキラ光って揺れる。風と光と水が作り出す美しい幾何学模様に魅せられる。それは今この瞬間だけの自然美。緑の水に吸い込まれそう・・・。
そしてここには俗世間とは無縁のゆったりした時が流れる。まるで時間が止まっているような錯覚を覚える。今この美しい空間にいられて幸せ。
「ダム下の水も緑。」 辺りにはキブシやシロモジの黄色い花。
スカイラインに近づくと車の音で現実の世界に引き戻される。もう冬のように静かなスカイライン道の真ん中を歩けない。
駐車場に着くと時間はまだ12:45。雪の時、ヒヤヒヤしたり四苦八苦した三ツ口谷も雪がないとこんなにはやい。太陽と青空がのぞめたのも久しぶり。ずっと雨が多くて寒い日が続いたから。
ゲートあたりから希望荘にかけてのスカイライン道の桜が春の光と風に美しい。ピンクのトンネルを車は駆け抜ける。
雪融けの進む御在所岳。木々の緑も萌えはじめ少しずつ春めいてきた。萌黄色の谷に躑躅が咲き乱れる日も近い。

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