御在所岳
    1212m
(三重)


2006年5月21日 快晴

旧料金所P7:00〜藤内小屋〜(裏道・藤内沢)〜前尾根テストストン9:00・一壁(見学)・前尾根(P3)10:40(P2P1)〜望湖台(12:00〜12:20)〜鎌ケ岳13:50〜(三ツ口谷)〜ダム15:10〜P15:30

千草あたりで田植えが済んだ田んぼに御在所岳が映る。空は明るく青い。こんな空は久しぶり。
駐車場に着くとすごい車の数。すでに左側スペースは全部埋まって右側手前に数台分。この車の数は何?ずっと天候不順で山に来れなかった人が待ってましたとばかり一斉に繰り出したの?今日は快晴だから。

久しぶりに一壁を一周しようと藤内小屋へ。裏道へ抜ける道でカジカの声。深山と言う感じがする。
上からカッパを着た人数人。「昨夜は風がきつかったので寒くてビバークが大変だった。」らしい。
小屋テストストン。岩は乾いている。数回練習。一番上は右足を外に掛けて。マントルできない・・・。やはり上部ではザイルを持ってしまう。
小屋からの裏道にはササユリの蕾が多い。ウサギの耳前で新緑の藤内壁を仰ぐ。ついでにウサギの耳にも寄る。私は二回目。夫は初めて。緑の藤内壁が圧巻。風がきついので岩には乗らず・・・。ここのイワカガミは優しいピンクで背も高い。



藤内沢の入り口で年季が入ったザックや靴の方。最近はエベレストやキナバルなど海外の山に行かれているとか。話を伺っていると錫丈や穂高などが自分の庭の様。屏風岩の一番上で岩がはがれ落ち、ザイルパートナーが木に引っかかって命拾いした経験もあるとか・・・。恐ろしい・・・。
一人で前尾根へ。
私達はテストストン左端で岩歩き。
その後一壁下へ。前尾根を見れば、先ほどのエベレスト経験の方が軽々とチムニー左側を登って行った。
一壁三ルート下にはKさん。「何べんやってもルートが頭に入らない。」と言っている。風がきつくて待っている間Kさんは「寒い。」を連発。我々も体が冷えてきた。
余りの強風に吹き飛ばされそうなので、壁一周をあきらめ藤内沢に降りる。沢中ほどから新緑が美しい谷を見下ろす。雪融け時に落ちたらしい見覚えのない岩があちこちに。
谷に響き渡るミソサザイの複雑で美しい歌声に心が落ち着く。そしてうっとり聞き入る。
久しぶりに二俣から右折れ。目の前に前尾根P3が見える岩。ここはツルムや一壁を真下に見降ろす岩なのだ。岩登りせずに岩登り気分を味わう・・・。
そこからP3に行って久しぶりにヤグラを見上げる。新緑に包まれて若々しい前尾根の岩峰。
さらに我々はP1に向って登る。上から見下ろすヤグラはとても不格好。ヤグラは下から見上げた方が好き。
P1から、北谷沿いのシャクナゲを見降ろす。咲いているのはわずか。藤内側には前尾根のタテヤマリンドウがいっぱい。
目の前には萌黄色に染まる三ルンゼ鋸岩。新緑が目に沁みる。その沢を登る人が目に入る。コオモリ滝付近と鋸岩向かい側の奥又尾根上部に。この時期にも藤内沢に入る人が多いのかな?
山頂直前で裏道に出るとヨウラクツツジが咲き始めていた。


望湖台手前の遊歩道には光をいっぱい受けて花びらがしゃんとしたタテヤマリンドウ.。押し合うように咲いている。
望湖台。
今日は空気が乾いて湿度も低いからか周囲の山がはっきり見える。上水晶の尾根も薄緑が美しい。
一番前の岩に乗っていると谷からの風が冷たく肌寒くなってきた。観光客も登山者も多い。地図の読み方の勉強をしている高齢者山岳会もある。
地獄谷上部になにやら白い花。シロヤシオかな?よくわからない。
記念碑前に行くとタテヤマリンドウの絨毯。一面薄紫色。ここも光が満ち溢れているのでどの花もシャキッとしている。今日の主役はタテヤマリンドウ。
峠道から望む峰々は先週より一段と緑が濃くなった。麓から山頂まで濃い緑。刻々と山の色が変わる。
ここにもササユリの葉が目に付く。昨年は少なかったから今年は花が多いかも・・・。




雨乞岳登山口辺りから「カッコウ、カッコウ」とゆったりした鳴き声。もう渡ってきたのかな?三ツ口谷ガレ場あたりからはホトトギス。こちらは「特許許可局」と聞こえる。
ウグイスに託卵する彼等を悪く思うけど彼等自身は体温が低く自分で自分の卵をかえせないとか。ウグイスも他の鳥の卵を育てて大変だけどそれも宿命なのかな・・・。
鳥の声だけ聞いていると何事もないように穏やかだ。心がほんわかしてなんともいい気分。
新緑のシャワーを浴び、鳥の声を聞き、木漏れ日に見とれる。こんな山道を歩ける時間は最高に幸せ。この上ない贅沢。



鎌ケ岳山頂。
大岩に乗って緑の山々を独り占めする。山頂は人だらけ。余りに人が多いのでそのまま尾根を降りると左俣上部のシャクナゲが咲き出していた。蕾が少し。足元にはタテヤマリンドウとイワカガミ。
そしてやっと見つけたシロヤシオ二本。今年初めて。昨日の強風に白い花びらが傷ついている。
草原から三ツ口谷へ。大滝あたりには淡いピンクのイワカガミ。そして小滝下に今日三本目のシロヤシオ。咲き始め。花数が少ない。ここのシロヤシオは花びらが凛として清楚そのもの。


三ツ口ダム。
ここで花に詳しいY方さんらが日陰尾根から降りて来た。「今日は車が多くて置く所がなく、表道まで行って百間滝岩尾根から登った。」そうだ。
「下りの尾根ではシロヤシオが少しとイワカガミの群落がよかった。」「車が上にあるので・・・。」と表道のほうへ登り返して行った。



いつものエメラルドグリーンの湖面。今日は緑の木々を映しそれはそれは綺麗。山も水面も「緑みどり」している。
こんな空間にいると私も緑色に染まりそう・・・。


     トップメニューへ
inserted by FC2 system