御在所岳
    1212m
(三重)


2006年6月18日 小雨のちくもり

旧料金所P5:30〜(一の谷新道)〜カモシカセンター前広場7:00〜朝陽台7:30〜(中道)〜P8:50

午後から用事があるので朝早く出かける。新道から。
降りたことはあっても、余り登った記憶がない。多分数回。
山の家前からいきなりの急登。こんなに急だったんだ。喘ぎながら一歩一歩進む。
初めて登った時は余りの急坂なのと岩壁などが出てきてびっくりしたが・・・。
岩が点在する広場のような所で「ここが迷いやすい。」と思った。踏み跡が幾つもあったから。
その踏み跡はSさんらが岩尾根へ行く道だった。ここから左の東多古地谷へ降りるルート。数回ついて行ったことがあるけど怖かった・・・。
そんなことを思い出しながら歩いていると右手に白い鉄塔が見えてきた。左手からは東多古地谷からの涼やかな風を受ける。この尾根道は夏に涼しくていいのでは・・・。
今日は百闡黷フ水音も大きい。風もとても爽やかでひんやりしている。汗をほとんどかいていない。時間が早いせいもあるだろうけど・・・。
右にトラバースしてたかみ岩を通り過ぎる。
冬に急坂のクサリ場手前で本谷へ降りたこともあった。確かI川さんと。「ここだったかな?」と急な斜面を見降ろす。
そのクサリ場を過ぎると背後にたかみ岩。樹間にわずかだが望める。



雨に濡れた笹をわけると右手前方に大黒岩が見えてきた。雨上がりでヤマツツジの水玉が美しい。
山頂直下のクサリ場を上がる。センター前の広場はガスッていた。遊歩道を歩いて行くと雲海の上に南方の山が蒼く見え始めた。青山高原あたり。
ケルンまで来ると国見岳山頂から北谷へ雲が流れた。ハッとするほど美しい滝雲。それは夏の雨上がりだけに見られる大自然のショーだった。
ケルンから朝陽台に出て大岩に乗る。と眼下には湧き上がる美しい雲海。
鎌ケ岳からも雲が流れる。雲海の隙間から黄金色に染まる麦秋と菰野の町並みがのぞく。それは鈴鹿でなくてまるでアルプス。
その雲海を見下ろしながら階段を下って行く。背中に羽でも生えていて空から下界へ舞い降りるような気分。足元もふわふわするような錯覚を覚える。


富士見岩。
雲がどんどん形を変える。その不思議な姿に目を奪われる。雲上の人になってただ呆然と見とれる。
それは今この時だけのドラマチックなシーン。大自然の神秘的な最高演出に酔いしれる。多分たった一回きりの
・・・。


夏は朝早いと気持ちいいし、こんな出会いもあるのでこれからは「サマータイムにしようか。」などと話しながら降りる。
すると岩棚で大きいカメラザックを背負った若者。重そう。「今朝滝雲がきれいでしたね。昨日から入っていれば良かった・・・。」と残念そう。
やはり本格的に写真を撮る人は狙ってるんだなあのシーン・・・。我々は何も考えずに登って出会ってしまっているというラッキーの見本みたいなもの。
話すと私のHPとリンクしていただいているSさんの写真仲間の方。いつも「岳人」に写真が掲載されているT田さん。
「雲が好き。双六岳が好き。双六岳小屋のK池さんによくしてもらっている。」そうだ。名刺を頂く。高校の先生だった。今年は1、2月号と6、7月号に写真が掲載されたとか。

家に帰って早速「岳人」を開くと、名前も写真も見覚えがあった。言われたとおり、どの写真も雲の表情が素敵だ。不思議なご縁でお会いできた。


山はいつも筋書きどおりでなく、自然の営みとの思いがけない出会いばかり。
今日は朝が早かった上に雨上がりと重なり、見事な滝雲と雲海に出会えて幸せ
それは魅力的な夏の御在所岳だった。


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