御在所岳
     1212m
(三重)


2006年12月9日 雨

温泉最奥料金所P7:30〜朝陽台〜カモシカセンター前9:30〜望湖台〜センター前10:00〜P11:30

朝家を出る時小雨が降っていた。御在所は雪かも・・・と出かける。
裏道の駐車場にも旧料金所駐車場にも車は一台もない。やはり雪ではなくて小雨。
スカイラインに私だけ車を置いて雪になったらゲートを閉められる・・・と心配になって温泉街の方へ回る。
こちらにももちろん車は一台もない。
「まあ12月の雨の日に山に来る人もいないよ。」と思いながら傘をさして歩き出す。気のせいか先週より足は軽い。
雨が上がるのか、おばれ岩あたりから白い雲海があらわれる。蒼い山なみを見下ろしながら登山道を進む。


風の音とササに落ちる雨音と小鳥の声だけが聞こえる。とても静か・・・。
それは今このときだけの世界。山と私だけの時間。なんて贅沢な時間なの?
心あらわれる時間。

下界の「超過激ストレス」に身を置き、御在所岳を眺めているだけの半年だったけど・・・。
足裏で岩を感じ、山を感じる。その一歩一歩が喜び。
今、山を歩けて幸せ。


山頂近くまで来るとガスッて来た。閉鎖されたカモシカセンターも静か。ちびっこ広場には雪。先週のかな?

もやの中を望湖台へと進む。白い霧の世界。人っ子一人いない御在所岳。
広場に戻ると、アゼリヤの方が「お茶どうですか?」と声をかけてくれる。まだ若い。ロープウエーも点検休みだし、カモシカもいなくなって寂しいと話される。
体力のあるシカはロープウエーで下界に下ろされたが一頭の老いたシカをどうするかが悩みだった。体力がないしちょっと下へ降ろすのは無理だろうとみんなで心配していた。どうもそれを動物の感で悟ったようで降りる直前に息を引き取った。
たしか新聞にも出ていたが改めて職員の方から聞くととても哀れ。自然にも動物にも何も聞かず人が勝手に横柄に振舞った結果なのに・・・。
カモシカの研究は何処かで続けられるのだろうか?
土日の自然学校だけはそのままだとか。
大切な物が何かよく考えずに切り捨てるような気がしてとても残念と新聞にあったが・・・。私も記者と同じ気持。

以前数回出あったことのあるカモシカの事を思いながら小雨の中を歩き出す。雨はあまり苦にならないほどになった。
「山頂雪は人工雪。」大きいエビノシッポに乗って雪の感触を楽しむ・・・。

下りでキレットから雲海が綺麗。
雲と風と山が織り成す墨絵。ベールの様な雲がたなびいて幽玄の世界にしばしたたずむ。
誰もいない神秘的な御在所岳だった。





2006年12月10日 くもり

P6:55〜小屋7:40〜ウサギの耳8:00〜(藤内沢)出合8:15〜朝陽台9:40〜(ギャラリー)〜武平峠〜鎌ケ岳〜(長石尾根)〜(三ツ口谷)〜ダム13:15〜P14:00

小屋で久しぶりにテストストン。岩が濡れている。ここでOさん。半年ぶり。この頃は愛知川周辺に行っているとか。オゾ谷からわさび峠や天狗の滝あたりが気にいっているらしい。
藤内沢ストンでも練習。半年振りの岩はちょっとこわい。やはり継続して練習しなきゃダメだよね。
前尾根をアイゼンワークという人達。「正月に南アルプス赤石岳に行く。」すごーい。本核的な冬山登山。南アルプスは山が大きいから体力がないと・・・。私も若かったらやりたいな。行きたいな。冬の南アルプス・・・。
「朝は晴れると思ったけど、ちょっと嫌な天気になってきた・・・。」岩をやるには天気に敏感でなければならないようだ。
元気な若者をうらやましく思いながら藤内沢へ。


岩が濡れてぬるぬるしているので慎重に。
枯れ枝の右岩から。この岩は以前なかなか乗り込めなかった。フリクションを効かすと登れた。体は覚えていた。ここで黒いシルエットのツルムを仰ぐ。
ガスが立ち込めてきた。薄緑色の美しい苔が目に入る。
三ルンゼアイスクライミングの岩から左へ尾根を上がる。ここの岩がガサガサして好き。誰も歩いていないのでフリクション効きすぎ。超気持ちいい。大岩にも登る。良い気分。
広場の人工雪に乗って鎌ケ岳へ。
稜線から黒雲の下に菰野の町が見え隠れする。鎌山頂はガスっている。武平を通過して展望台あたりで山が明るくなってきた。なんとなく雨乞岳手前も明るい。枯れ草?ススキ野原?黄金色・・・。上高地の落葉松にはかなわないけど綺麗。

荒々しい三ツ口谷のガレが見え始めるこの場所も好き。そしてここから見る迫力ある御在所岳はもっと好き。
馬の背岩から左俣を見下ろす。
山頂直前はどんどん崩れて様子が変わっていた。右の岩へ。大岩に乗ろうとするが風がきつくあきらめる。後ろ岩に乗る。するとガスがサッと空いて御在所岳の白い鉄塔が見えはじめた。「私の岩と蒼い御在所岳。」やっぱりここは最高だ。




下りは長石尾根から。
木々に葉がなくなってシャクナゲ林がすぐそこに見える。そのあたりが左又。傾斜は急で岩場のように見えるけど・・・。
雪があるとないとではまったく感じが違う。きつい胸突き八丁を降りる。その先の岩場から望む御在所岳も好き。
草原から三ツ口谷へ。二段の滝を降り、谷を左右渡渉する。谷周囲の尾根斜面はまるで落ち葉を敷き詰めたよう。美しい落ち葉絨毯。そして沢にも落ち葉が・・・。
高度感ある大滝の上に来た。木の根や落ち葉が濡れている。慎重に降りようっと。少し前を行く夫がズルッと滑る。もう心臓が止まる。こんなところで落ちたら滝まで行くよ。・・・。
より慎重に木の根などを持って降りる。大滝の水量は少なかった。



谷を下まで降りると、青空とダム湖に写った青空が綺麗。どっちが主役かな?
十センチほどの魚数匹。
清流におなかの赤い斑点までが透き通って鮮やか。アマゴ?私に見られているとも知らずにスイスイ気持ちよさそうに泳いでいた。


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