御在所岳
     1212m
(三重)


2006年12月30日 くもり時々晴れ

蔵の助7:30〜温泉最奥P8:30〜(中道)〜地蔵岩〜キレット〜富士見岩12:30〜朝陽台13:10〜ギャラリー13:30〜登山口15:10

蔵之助手前の坂で車のお尻が右に左に滑る。積雪は30cm?ほど。ホテルドマロニエで「止める?」と言いながら登ってしまった。
積雪量が多くてこれ以上はとても無理。有料駐車場¥600とあるがここに置かせてもらうしかない。
準備していると一台登って行く車がある。すごいねと見送る。
歩き出すとすぐ、先ほどの車がスリップして止まっている。「押してもらえませんか?」坂をバックで戻れるように前から押してあげる。やっぱり無理みたい。
早めの我々の判断は良かったということ・・・。
雪は既に膝辺りまであって車も人も誰もいっていない。ここからラッセル。温泉最奥駐車場まで一時間かかってしまった。今日はきっと上まで行けないよね。いつか地蔵岩まで三時間かかったけど。


スカイラインを歩き出すと雪はもう膝の上。すぐ昨日の人の足跡がなくなった。「戻ったの?」ここから又ラッセル。
御在所岳のこんな大雪はじめて。それもいきなりだから大変。我々の体が硬くて重い。おまけに雪に慣れていない。新雪もふわふわでなんか重い。それで少しも前に進まない。
一回で決めるように意識して足を置くが決まらない。ずずっと落ちたりする。二歩も三歩分も戻るから疲れる。一歩進むのにいつもの三倍くらいかかる。時間も労力も。
この辺でカメラの三脚を背負った若者。「トレースは無いんですか。」交代する。
まだおばれ岩下なのに吹き溜まりで腰以上ある。木の枝を持ったり尾根に上がったりして彼も悪戦苦闘している。
相変わらず我われも足が上がらないし、はまり込む。膝で押してもなんか固まらない雪だし・・・。もがいてもがいてもなかなか進まない。進めない。
カメラの彼はおばれ岩下でルートを間違えて真っ直ぐ行ったりする。
キレットは左のクサリ場から。ここは一年ぶり。
木の階段もうもれているので慎重に。凹角部横の岩峰も普通のルートで。
テラスからの国見尾根と下界の白さに見とれる。そこから雪が急に多くなる。以前確か左の尾根に上がったところ。
富士見岩下の岩。岩が雪に埋もれている。右に回りこんで木の枝を持って。
ここで後ろからもう一人の若者。彼も雪になれてないようでうまく乗れない。クサリ場下でもがく。
前の二人はテラス手前を左に行って(以前雪崩れた所)戻ってきた。タオルを頭に巻いた若者は木に足を掛けている。「スパッツの紐が外れて雪が靴にいっぱい入った。」と言っている。捻挫でもしたのかなと心配したけど・・・。
テラス上の後尾根から上がったロープ。ここの吹き溜まりは深いのでちょっとやそっとでは登れない。いつか私がもがいてもがいて苦労した所。やっと抜け出すと小さい雪庇尾根ができていた。
ガレ場上の急登は私。「待ってました。」とばかりに張り切る。ピッケルで雪をかいて膝で押して一歩進むという三拍子。面白い。パワフルに進んでいい感じ。気分はルンルンだけど思うように足が上がらない、体が動かない、続かない。
こうやって下からずっと一人でやりたかったんだけど、とてもできなかった今日の重い雪。
最後はカメラの彼が仕上げ。やっと富士見岩到着



樹氷の間から白い大地が目に入る。時々青空ものぞく。
遊歩道の樹氷はよく見るととげのように尖っている。いばらみたい。清楚な白い棘。(金平糖のように丸くない・・・。)

ふかふかの重い雪に悪戦苦闘。蔵之助から約五時間。若者三人のおかげで頂上に到達できました。
山を休んでいて体が固い上に重い?我々だけならとても無理だった。若い人はパワーが違う。姿勢が違う。ひたむきさがある。
「ありがとう。」の挨拶。タオルの彼は「雪の日にラッセルのトップをしたのは初めて。いい体験ができてよかった。」と感動している。
膝で押すのがとてもうまかった。ピッケルが無かったので手で雪をどけ、とても初心者は思えなかった。
夫は裏道を降りたいというその彼を引き止めた。時間も遅いし、この雪では誰も入ってないし降りるのにも苦労して真っ暗になるよ・・・と


結局、今日の登山者はこの五人だけ。皆、そのまま自分たちのトレースがある中道を降りた。
時々光が射して美しい白い大地や国見尾根を見下ろしながら。



長石登山口辺りで除雪車が出ていた。随分手間取っている様子。
蔵之助では、朝うまく登れなくて押した二人組の車はすでになかった。
我々も二人だけならこんな日はやはり途中で引き返しただろう。
思ってもいなかった大雪ラッセル。それもきまらないとても重い雪。ただでさえない体力、脚力が相当落ちていることを思い知らされる。
ラッセルは楽しかったけど疲れた・・・。二日分も歩いた感じ。

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