御在所岳
     1212m
(三重)



2007年1月14日 晴れ

中道登山口5:00〜(中道)〜朝陽台7:15〜(本谷)〜登山口8:45

ヘッドランプを付けて歩き出す。暗いので次の一歩がさっと踏み出せずゆっくりペース。○○ドルの夜景を見下ろす。綺麗。
名古屋市内あたりが一段と明るい。3000m級の山から下界を見下ろすのと同じ・・・。
雪が硬くてはまらないので歩きやすい。

午前7時。
富士見岩あたりまで来ると朝焼け。いつもと違って上から見下ろすモルゲンロート。東の空がほんのりオレンジ色。こんな空見るの初めて。
白い樹氷が茜色の空に映える。次第に紫に近いような柔らかな赤に染まる樹氷。幽玄の世界・・・。
あまりの美しさに心奪われて私は歩こうにも足を踏み出せない。なんて神々しいのでしょう。こんなシーンに出会えて幸せ。
ほんのわずかな時間だったんだろうが私の中では時間が止まってしまった。気がつけば山頂。空はまだほのかに赤い。

朝陽台から直かに本谷へ降りる為、下りはアイゼンをつける。谷に滑落しないように、はしごにアイゼンをひっかけないように慎重に。
大黒岩直下まで来ると尾根から降りた足跡がある。雪の多い昨年、何度も上り下りした大黒尾根。今年は雪が少ないので一度も歩いていない。


ガスがかかってきた。雪はサクサクして気持ちいい。アイゼンがあってもないように滑り降りる。
部分的に氷。V字谷には雪は無く岩が見えている。大黒滝の上で右足アイゼンがはずれ後ろ向きで慎重に岩を降りる。
滝には氷のシャンデリアはなく水が流れるだけだった。雪が融けて岩も見えてきたのでアイゼンをはずす。
不動の滝あたりは落ち葉と柔らかい雪で滑落しそう。木の根などをしっかり持って一歩一歩降りる。本谷は南斜面で日当たりがいいのか雪がすぐ融ける・・・。
小屋で年配の女性。
60歳代後半?年代物のピッケル、アイゼン、ザック。「20年以上使っている。自分で靴の張り替えもする。先週来たら余りにも綺麗だったから今週も来た。」とか。「自立した方だな。」と尊敬の眼差しでいると反対に「本谷を降りたの?すごい。」と言われてしまった。私が出会った女性で最高齢の方かな?
登山口まで降りるとますます青空が広がる。今日は気温も高くすごくいい天候になりそう。
早朝の神秘的な御在所岳と出会った感動を胸に、午後の用事の為、家路を急ぐ。




2007年1月8日 くもり時々小雪

湯の山温泉バス停8:00〜温泉最奥駐車場〜登山口9:00〜(中道)〜朝陽台(12:00〜13:00)〜登山口13:50〜バス停14:20

「昨日の粉雪はどんなだろう。」それが知りたくて今日も来てしまった。
蔵之助まで上がるが道には残雪。新雪が積もって車が降りれないと困るのでバス停まで戻る。
駐車場まで一時間。直前のカーブに人一人。スカイラインの雪道には裏道ゲートからの足跡がたった一人。それも本谷へ。
この時間で中道は誰一人行ってない・・・。と言うことは処女雪ラッセル?
それも一人で大丈夫かな?



登山口あたりでは新雪15センチ。飛蚊症のせいかも知れないがなんとなく雪が黒く見える。
雪面が丸くなだらかで魅力的。優しい滑らかな雪肌に見とれる。
後から先ほどカーブにいた人が追いついてきて一緒になる。御在所岳には十数回。12本のアイゼンを付けている。
一人だったら戻ろうかと思っていたけど・・・。道連れができて心強い。
積雪が少ないので膝で押さなくていい。雪を手でどけなくていいのでピッケルもいらない。足だけで雪に乗れる。楽で気持ちよくてこんなラッセルが丁度いい。なるべく岩に乗るようにして。
昨日はさらさらのあってもないみたいな雪だった。その後我々の踏み跡の上にさらに降雪。今日はちょっとしっとりしている。下にちゃんと硬雪があるので足を置いても滑らない。歩きやすい。
キレットの岩場は結構積っている。今日は左のクサリから。
北谷テラスより上は吹き溜まりに困って左の尾根に乗ったりする。雪庇があちこちにできていて面白い。


いつか雪崩れが起きた上のテラス手前の谷。
今にも自分に向って雪が落ちてきそうで右端笹の上や木の間を進む。はまりこみながら急いで通過する。
ガレ場下も雪崩れがきそうで左の尾根に乗る。後から三人、普通にクサリ場あたりを登ってきた。何の不安も感じてないように・・・。
私には数年前の藤内沢雪崩が頭にあるのでこんな新雪はコワイ・・・。
ここで始めて少し人に譲って、富士見岩尾根に直登しようとする。ところが雪は柔らかく深くはまりこむ。おとなしく登山道に戻って最後に富士見岩からもう一度私。
登山口より約3時間。御在所岳新雪独り占め。積雪量が少ないと膝で押さなくていいのでピッケルもアイゼンもいらない。手を使わずただ足だけで登れて楽。
さらさら粉雪がまだ足にまとわりついているようでとても良い気分。
山頂では木の幹にまで白く樹氷がついて綺麗。


その樹氷の写真を撮る人にモデル?を頼まれた後、アップルパンと紅茶で軽く食事。
ここで登山口から一緒だった人が到着。帰りはロープウエイで降りるとか。パトロール?とガイド?のお礼をいわれて別れる。

私は念のためアイゼンをつけて中道を。
この新雪の下りは超気持ちいい。自分についてくるような粉雪を蹴りながら歩く心地よさ。きめ細くて蹴っても何もないみたいにかるーい雪。
朝、自分が踏まなかった所を捜して足を置いたり滑り降りたりする。


粉雪に遊んでもらって上機嫌。今日は有料駐車場だったことをすっかり忘れていた。さらに下のバス停まで戻る。
まだ道には所々雪があったので今日は車をここに置いて良かった。
料金¥800。





2007年1月7日 くもりのち雪

P7:00〜(中道)〜朝陽台9:00〜(藤内沢)〜P12:00

前線が来て大荒れ。
今年初めての御在所岳。年末の雪が消えてしまって黒いスカイライン道。モルゲンロートで山が赤く、登り始めると目の前の木々が赤く染まる。
富士見岩下からの尾根道は風がきつい。吹き飛ばされそう。



人っ子一人いない山頂でアイゼンをつける。
裏道に行くか、藤内沢を降りるか。結局藤内沢へ。
雪が少ないのででこぼこ雪に嵌る。捻挫などしないように。
三ルンゼも雪も氷もほとんどない。ヌルヌル岩直下、雪斜面をトラバース。今日の核心部、超気持ちいい。
その後は雪がどんどん少なくなる。奥又アイスクライミングに行く道にも雪が無くて行けない。
マイナスの滝下も雪が無いので横の笹にのって降りる。下段ではピッケルをかけてクライムダウンで苦労する。


前尾根フランケ下。
大きいツララができてない。融けて落ちたような跡がある。
突然「バリバリ」と一度だけ爆音。とっさには何の音かわからなかった。
冬に雷?ピッケル持ってるし・・・。危険だからはやく降りなくては・・・。
飛び降りたりして右足アイゼンを落としたのに気づかなかった。少し降りてから拾いに戻る。雷は一回きりだった。
廊下のような岩。一人来たので先に上がってもらう。ここは冬、私が落ちたところだから後ろ向きにしっかりアイゼンとピッケルを効かせ慎重に。藤内滝のツララはできていない。
テストストンは白く雪に被われているし、沢は雪が少なくてがたがた。滑り降りることもできない。
登山口あたりまで来ると、雪が降り出して冷え込んできた。
ウサギの耳上で岩を極めたT川さん。久しぶり。「やはり山なしの生活は考えられない・・・。」雪の降る中を裏道から藤内へ。
小屋テストストン左岩、登ってみるがどこにスタンスがあるかわからないので、アイゼンをフラットにおいてロープを持って上がる。
ここでI木さん等。「小屋まで行く。」そうだ。
中道へ。
新雪が降り続いている。細かい霰。サラサラと霰が流れ落ちる。水のように。これは雪崩れそうな新雪粉雪。去年知ったあの蹴っても雪なんか何もないみたいな軽―いかるい雪。
朝、土の道だった中道は10cmほどの雪道。いつのまにか雪庇もできて、年末にもがいた掘割道も綺麗な雪壁。
スカイラインもあっという間に雪原。さらさら粉雪蹴って雪遊び。降り始めの雪はこんな雪だと知る。
この粉雪、明日はどんなだろう。


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