御在所岳
     1212m
(三重)


2007年2月4日 くもりのち晴れ

さくさくの10cmほどの新雪を歩く。とてもかるーい雪。誰も歩いていない雪を歩くのって本当に気分がいい。
地蔵岩の上、キレットの手前、凹各部の下などあちこちにできた吹き溜まりやテラスの上の大きい雪庇などを乗り越す。雪泳ぎ。
腰や足元にまとわりついてくる雪の感触がたまらなく心地いい。雪の魅力にとりつかれているような今の私・・・。



ガレ場。
雪が柔らかいので今日は直登しない。さくさく雪は膝下くらいまで。
富士見岩。
樹氷が見事だ。いつか武平峠で岩の練習をしていた人が長靴で降りてきた。7時半に登山口。本谷から
。私より15分遅い出発でもうここに居る。速い。


朝陽台。
雪と樹氷と空が白い。神秘的な空間。
先週藤内沢を一緒に登った彼が丁度本谷から。「先ほどの長靴の人が早くて。」と私と同じように驚いている。
冬は藤内沢、本谷、鎌ケ岳とよく似たところを歩いて見えるようだ。あの後三ルンゼでアイスクライミングを見学していると「やってみるか?」と言われて体験させてもらったとか。
白い世界に包まれた至福の時間、しばらく山の話をする。
きっと今日は望湖台の雪庇尾根もできているだろう。行きたいけど風がきついし、午後用事があって時間もないし・・・。
そのまま中道の私のラッセル跡を降りるしかない・・・。

ついさっきまで私一人だけの足跡だったのにもうしっかりトレースができている。


さくさく雪を降りるのも超気持ちいい。腰まではまり込んで雪と遊んでいると「大丈夫ですか?」「上は凍ってないですか?」などと声をかけられる。地元K市の山岳会十数名。元気な女性が多い。
岩だなに降りると御在所岳の上に青空。樹氷が白く輝いている。そこに光が射して美しい。どんどん青空が広がって御在所岳をより凛々しく見せてくれる。「綺麗。」
この美しい瞬間に出会えた喜びは何ものにも代えがたい。満ち足りた思いで家路を急ぐ。




2007年2月11日 吹雪

P7:00〜(本谷)〜朝陽台9:20〜望湖台10:00〜武平峠〜鎌ケ岳11:30〜(三口谷)〜ダム12:50〜P13:15

雪の本谷へ。今季は二回降りたけど登るのは久しぶり。
登山口から雪があるので滝横の岩を慎重に。一枚岩はクサリを頼る。大黒滝は凍っていない。滝上から雪が増えてきた。
くぐり岩横の岩。ついたばかりの雪が柔らかい。滑落しそうなので廊下のような岩寄りを登る。


その後少しずつ雪の量が増えて真冬の状態。はまり込まないように雪えくぼを捜しながら進む。夫は体重が増えたのではまり方がひどい。体重の少ない私が先に進んでその後を付いてくる。
ロープウエイの真下あたりからはササに雪が積もっている。雪払いの為、夫が先に。雪が降り続いて、降り積もって幻想的な本谷。
朝陽台。
I井さんがロープウエイで。御岳神社まで散策すると言っている。
北風に雪が舞っているが、時々蒼空も広がる。


新雪を蹴って遊歩道を行く。蹴っても雪など何もない見たいな軽い雪。気持ちいい。三角点を越えると小さい雪庇尾根ができている。柔らかいのでとてもその尾根は歩けずはまり込む。
望湖台。
雨乞岳からの風がきつくて吹き飛ばされそう。今まで暖かすぎてこんな日は一日もなかった・・・。今日は真冬のそれも吹雪の御在所岳。春は暦の上だけ。

階段を降りて記念碑へ。あずまやあたりから御岳神社にかけて樹氷が美しい。
峠道。北風を全身で感じて踏ん張って歩く。
粉雪まぶした鎌ケ岳へ。峠から踏み跡はない。誰も行ってない。いつもの自分なら降りようと思うだろう。
今日はなんか「冬を感じながら歩きたい。寒い冬を知らずにこのまま春になってしまうのはつまらない。」という気持ちになって歩き続ける。
風は容赦なく吹き付ける。顔が冷たい、痛い。体も吹き飛ばされそう。
山頂手前のガレ場。硬い雪を蹴りこんで中ほどを直登。大岩にはエビノシッポがいっぱい。
吹雪の鎌ケ岳山頂。
祠の前で風をよけ、お茶にする。カズラ谷から来た人一人。「自分の前にいた人は余りの悪天に全員引き返した。」そうだ。こんな日に山に来る人もいないよ・・・。


くだりはピッケルを出そう。
尾根から左俣を見て、日本庭園あたりでは強風に吹き飛ばされそうになりながら降りる。しゃくなげの木あたりでH山岳会。十数名。全員登り終わるのを待ってる間に体が冷えてしまった。
去年大雪の日に凍っていた胸突き八丁。今日は硬い雪にアイゼンなしで降りる。時々木の枝に膝あたりをぶつける。
草原を左に三ツ口谷へ。誰も歩いた跡がない。
大滝も直進。戻って見に行くが氷のかけらもない。そういえば今年は凍った滝にあってない。昨年の大雪の氷ばく滝と同じとはとても思えないけど、薄化粧が綺麗。


今日は、思いがけず「真冬の御在所岳」に出会った。寒くて冷たくて体中で冬を感じた。吹雪の山を喜々として歩き、そして「冬はやはりこうでなくちゃ。」と思う自分に我ながらびっくり。少し成長したかも・・・。

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