御在所

        1212m (三重)
GOZAISYO

2007年12月15日 晴れのちくもり。

P7:15〜(中道)〜御在所〜武平峠〜鎌ケ岳〜(三ツ口谷)〜P

山は新雪を被っている。綺麗!今朝降ったばかりのようだ。温泉街で見上げる淡いピンクの山はまるでマッターホルン。モルゲンロートに染まる御在所のその神々しい美しさに引きつけられ、ひきよせられ山に向う。
道路に雪はないが裏道のゲートは閉じられていた。Uターンして温泉最奥駐車場へ。
車は数台。冬、ここから仰ぐ御在所は美しい。今日は白い装いで綺麗。凛々しい。
ピッケルとアイゼンを持ってスタート。


おばれ岩下。
耳を澄ませば何か音がする。いつか聞いたことがある、樹氷が笹に落ちる音に似ている・・・。木の枝や葉についた氷が朝日に融けて落ちる。数センチほどのいろんな形の氷が枯れ葉や岩の上にいっぱい。手にとってみれば透き通って美しいかけら。どんな宝石より綺麗!
登山道に雪がでてきた。ふかふか雪だが、何時か見たことのある「あってもないような軽い雪」ではない。それよりちょっと硬いような・・・。丁度サクサクして片栗粉のような感覚。水分は少なくサクっとした雪。
見上げれば雪化粧御在所が綺麗。鎌ケ岳や鎌尾根も薄化粧。展望台あたりが特に白い。
珍しく地蔵岩の頭にも雪が積もっている。
釈迦ケ岳もいい。本峰より松尾の頭が高いように見える。庵座の谷は白くスッキリしている。普段は目立たないが雪がついた釈迦ケ岳は特に美しい。手前の国見岳も勿論綺麗。
雪って魔法つかい。どんな物も輝やかせる。枯れ木や岩もひとたび雪を被れば変身。そして実物以上に、実力以上に美しくなる・・・。


そんな薄化粧した周囲の山々にみとれながら雪道を歩けるなんて最高!


キレット。
鎌ケ岳山頂の樹氷と、粉雪降りかかる一の谷の尾根が美しい。

キレットの見える岩。
コブシ下の岩には滑りそうで怖くて乗れない。


下のテラス。
国見岳がこなゆきに包まれて丸く白いお饅頭みたい。優しくまろやかな風情・・・。
木の根を巻き込んだつららが大きくて目を見張る。

富士見岩下。
ここもやはり怖くて鎖を持ってしまった。サクサク雪を蹴って歩く。
テラス下の岩についたつらら。氷と岩の間を水が流れている。

上のテラス。
足元の谷は真っ白。国見岳、ヤシオ尾根、釈迦ケ岳、藤原岳の雪化粧に見とれる。
山頂はさぞ綺麗だろう。早く行かないと融けるよ・・・。

ガレ場。
真っ白の岩場を歩きたいが落ちれば下まで行くので今日はやめておく。

富士見岩。
白いベールを纏った鎌ケ岳、鎌尾根に連なる尾根が特に白い。本谷も真っ白で美しい。今日の富士見岩は特等席!ずっとここにいたい・・・。


朝陽台。
樹氷と雪と霧氷の公園、白い世界が美しい!
雪の花に包まれる鎌ケ岳に見とれる。
点検の為、ロープウエイが休みなので人がいなくてとても静か。

カモシカセンターへ。
はじめて人に会う。今まで足跡がなかったから彼等は一の谷から?
草もち一個。
風が冷たいのでカッパ上下を着る。手袋も濡れたので替える。
スパッツを忘れた!これからは雪が靴に入るし、ズボンの裾が濡れるのでゼッタイ必要。雪原を駆け回りたいのなら忘れないこと。
武平峠からこちらに向って足跡一人。

望湖台。
雨乞岳は思ったより黒い。それに空が暗い。岩に小さいエビノシッポがいっぱいついていた。風がきつくて吹き飛ばされそう。必死に踏ん張る。
東公園を振り返れば白いレーダーが青空に浮かぶ。先日真っ赤に紅葉していた木々も今日は白に衣替え。清楚でいい。
ここ望湖台の樹氷は一方方向でなく四方八方から風を受けた「こんぺいとう」だった。
南方を望めば鎌ケ岳北斜面と鎌尾根が白い。御岳神社の尾根の粉雪も美しい。
遊歩道には風紋。風の通った跡がくっきり。その風紋を蹴って歩く。超気持いい。「壊してごめん・・・。」と雪にあやまりながら・・・。相変わらず片栗粉雪がサクサクして足に心地いい。兎の足跡やキツネ?の足跡も見つける。


武平峠。
「10:40」「雪があるから楽しく歩ける。」と登り始める。人の足跡は峠へ降った人一人。

動物は?兎の足跡が登山道にあったり脇に消えたり。兎と一緒に歩いている気分で楽しい。二つ爪が荒ら荒らしく登山道を横断している。鹿かイノシシか・・・。

展望台。
御在所が白い。足元三ツ口谷の樹氷がすばらしい。雨乞の薄化粧も綺麗。樹氷の上に聳える雨乞岳、御在所に見とれる。青と白だけの世界・・・。

三ツ口谷。
岩についた雪や源頭部の谷あたりの白さに見とれていると上から男性一人。ポケットに手を入れて片手でストックを使いながらグリセードしてきた。「ちょっと降りすぎた。」と言って戻り、源頭部へ。あっという間に降りて行った。身軽!今日の此処の雪はどんなだろう。

山頂手前。
ふかふか雪なので馬の背岩も左から。直下の岩場もいつもと違って右寄りに岩と雪を歩く。柔らかい雪を楽しみながら一歩ずつ・・・。
振り返れば雨乞岳の中復まで粉砂糖がふりかかっている。きっと神様がそこで雪を振り掛けるのをやめたのだろう。手前の鎌尾根からの尾根の粉砂糖が一番白くて綺麗。
大岩小岩。小さいエビノシッポができている。今日は岩に乗るのをやめる。


鎌ケ岳。
滋賀県側の樹氷が見事。祠の前に来ると風が途切れて暖かくホッとする。
仙ケ岳南方にるいるいと蒼い山が続く。青山高原あたりかな?冬は空気が冷えて澄んでいるせいか、遠くの山々まではっきり見える。
その青い峰に一段と白い鎌尾根が映える。入道山頂にも雪が見られる。鎌ケ岳でせき止められるので雪はあまり積もらないそうだが・・・。


降りは三ツ口源頭部。
先ほど登った山頂直下のガレ場を今度は降る。雪が柔らかく少ないので大胆には行動できないが楽しい降り。雪さまさま・・・。
いつか私が落ちた岩を横目に降る。岩と、岩についた雪に滑りながらの岩歩き源頭部は楽しい!あっという間に左俣出合。
雪が次第に少なくなる。谷の岩と薄い雪を歩く。
濡れた落ち葉と少し残っている雪に滑り落ちそうなので滝の前には降りず、直進する。
気がつけば足元に雪はなかった。

   
三ツ口ダム。
落ち葉は湖底に沈んで、ダム湖はすっかり冬のたたずまい。またスケートができるような部厚い氷が張って雪に埋もれるかなこの湖・・・。
車に戻れば朝の白い御在所はすっかり消えてしまっていた。暗い空に、微かに白さが残るばかり・・・。
夢を見ていたのかなと思うほどの、ほんのつかのまの美しさだった。はかない雪・・・。
今日、特別に美しい御在所とその雪に出会えて幸せ。


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