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所々の岩場に出てホッとするのもつかの間、又、どこか分からなくなるほどの雪に埋もれる。
何となく掘割道だろうなと思う道を進むと自分の背を越すような雪にはまりこんで雪にもがくことになる。四苦八苦してそこの雪から脱出する。とても御在所にいるとは思えない大雪。必死の雪泳ぎ。
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とてつもなく大きい壁のような雪庇が、突然頭の上に現れる。ある時は、固まりのまま目の前に落ちてきて驚く。自然はなんて面白いものを作りだすんだろう。
そのエネルギーはすごい!風と雪の共同芸術作品に感動する。
この雪壁を越えるの?ドキッとしながら進むと不意に目の前に見慣れた岩が現れて「あ、ここだったのか・・・。」とホッとしたりする。
薄暗い冬空に、前方が望めるようになって、鎌ケ岳への登りの雪庇も目に入る。こちらもでかい・・・。
なぜか雪庇が現れるとそちらへ進もうとする。多分それでは登山道から外れることになって、端に行き過ぎると踏み抜くのだろう。
雪の大波はつぎつぎ押し寄せる。波際?に近づかないように右の笹原寄りに風紋を越える。多分ここは初夏にササユリが咲く笹原・・・。わかんの足を高く大きく上げて一歩進む。めちゃくちゃ大また。まるでスローモーション。
突然そこだけ雪がなく岩肌が出ていた。ガレ場だ。わかんどうし踏んで転倒。左腕を岩で強打。雪なら痛くないのに・・・。
原因は、雪にはしゃぎすぎて、どこもかしこも雪という先入観で注意力に欠けていたこと。
それと目の前の出来事にとっさに対応できないこと。体の反応が遅すぎるのを自覚しよう。次に痛い目にあわないために・・・。
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圧巻は峠直前の雪山。いつか見た二段山。「武平峠の風はなんてすごい物を作るんだろう。」と感動しながら、数メートルある雪山を乗り越して滑り降りる。
「ふーっ。」やれやれやっと峠にたどりついた。背を越すような雪泳ぎに死にそうだったよ・・・。
さらに目の前には人を寄せつけないような雪壁が立ちはだかっていた。鎌ケ岳への踏み跡はない。この雪じゃ何時間かかることやら・・・。誰も行けないよ。
数回はずれた夫のスノーシュー。しっかり結んだからか一度も外れなかった私の芦峅寺わかん。こんな雪にはやっぱり「わかん」かな?
後からずっと我々のトレースを辿ってきた三人。「いやーすごかったね。」とスカイラインへ降りて行った。真っ赤に雪焼けして・・・。 |
スカイライン道にはガードレールまで雪があり、西多古地の滝も凍っていた。表道登山口の鳥居は雪に埋もれ、三ツ口ダムも雪と氷の世界だ。
厳寒の御在所、峠道の大雪に出会えてよかった。きっと今日が今季一番厳しい冬の御在所。そして多分一年に一度あるかないかの大雪だったのだろう。この日の御在所を私は忘れない!
翌日筋肉痛!腕や胸、肩など上半身のあちこちとすね。やっぱり雪泳ぎは全身運動!
毎週歩いていてもまだまだ使わない筋肉があることを知る・・・。
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