藤内沢

        1212m (三重)
GOZAISYO

2008年3月2日 晴れ

P7:00〜(藤内沢)〜御在所〜(藤内沢)〜P13:30

中俣の氷が先週よりさらに大きい。ここのこんな大きい氷ばくは初めて。雪も被って綺麗。後ろから来た二人。「中俣を三ピッチで登って懸垂下降二回で降りる。」と言っている。京都の某山岳会A田さん。「毎週、毎年日向小屋へ来ているが、今までにない大きさ。」だそうだ。
一壁の網目模様雪にも見とれる・・・。

沢出合でアイゼンをつける。アイス用アイゼンを見せてもらう。小さいのも数えると歯は十八本ある。彼らは左寄りに一壁下へサクサク雪をラッセルして行った。

我々は藤内滝下へ。
つららが大きくなった。フランケ下は雪で谷が埋まっている。岩は見当たらず、ただ白いだけの谷。はまり込まないが所々表面10cmほど霰の層ができている。今日の新雪は霰!こんなのが雪崩れたら埋まりそうで怖い。

マイナスの滝下へは行かずに、右折れしてコオモリ滝大岩へ。

ヌルヌル岩は陰も形もない。夏の姿など想像できない、まっ平な雪野原をさくさく歩く。三ルンゼの氷もさらに大きくなった。


アイスクライミングの真似事。
本物のクライミング氷壁の左寄り。「こんな所、登れないよ。」弱音を吐きながら雪と氷を登る。氷にスタンスを作ってもらって右足を掛けると氷壁を登れた。目の前には垂直の雪壁。また「私にはとても無理・・・。」と半分あきらめムード。でも降りるに降りられないし・・・。

短いロープをエイトで腰に結ぶ。I木さんに確保してもらい、木につかまりながら、ピッケルとアイゼンを効かせる。登れた!下を見たら目が回る・・・。なるべく見ないようにしよう。こんな所にトレース!きっと「水筒さん。」


必死で垂直の雪斜面を攀じ登る。向かいの三ルンゼ大岩上に一人。私たちが登るのを見ていて「行けたね。」と声をかけてくれる。

どこに出たのかわからなかったが裏道の降り口だった。あたりは樹氷が美しい。こわかったけど楽しかったような気になる・・・。

そういえば、ここはたしか何年か前、I川さんが途中で「怖ーい。」と降りた所だ。その時もI木さんだけは登って行った。雪があると何処でも行けるのでこんな事が出来る。

望湖台へ。
遊歩道が雪に埋もれてどこがどこだか・・・。こんな大雪はじめて。雪壁を掘ればいいので、子供でも楽々かまくらが作れる。
望湖台の雪庇尾根は沈みこまないのでいい。山頂の岩はエビノシッポに覆われていた。結晶が細かくて綺麗。
記念碑へは行けるかな?少しはまるが大丈夫。地獄谷からの風でできた雪庇尾根を歩く。いい気分。あずまやへの雪斜面もさくさく気持いい。
下りも藤内沢へ。


大岩。
三ルンゼのアイスをロープウエイで見に来た人。「今年はアルファールンゼの氷がよくて先週先々週と登った。強風の24日は前尾根から頂上へ戻るのが死に物狂いだった。」そうだ。
「あんな所に足跡が・・・。」「私のです・・・。」朝悪戦苦闘した我々の落書きがくっきり残っていた。
「僕は歩かないから。」アイスクライミングする人はたいていロープウエイで昇り降りするようだ。アイスを上ることだけが目的?沢に降りると雪は朝のままさくさく。

三ルンゼ氷壁前で、風貌がいかにも山男のS崎さん等と出会う。手に持っているのはどこかで見たことがあるのと同じ木製ピッケル。やっぱりこの人も山やさん・・。



ヌルヌル岩から滑ると雪崩れ雪がついてくる。今季初めてマイナス滝からフランケ下へも滑る。朝、藤内滝に滑落しそうだった斜面を慎重にトラバース。廊下の様な岩場も雪の階段を普通に前向きに降りられるので楽。

中俣を仰ぐと朝出会ったA田さん等が一番上の氷に到達する所だった。
我々は登山口まで一気に滑る。一番上の沢上部大岩から25分くらいで降りた。今日の藤内沢の雪質は最高。しっとりさくさく。

ウサギの耳からは、中俣を懸垂下降するのが目に入る。
小屋で休憩していると、A田さんらが降りて来た。氷壁を登り終えた達成感いっぱいのいい表情で・・・。100mもあろうかと思われる垂直の氷を登るってどんなに爽快でしょう!
氷がはがれたらとか割れたらとか心配している人には無縁だけど・・・。
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