御在所

        1212m (三重)
GOZAISYO

2009年1月3日 くもり

P8:30〜(本谷)〜大黒滝10:45〜くぐり岩12:30〜大黒尾根14:00〜カモシカセンター前広場15:30〜ロープウエイ(15:52〜16:05)〜P16:40



昨日の中道の雪を思うと本谷も深いだろう。午後も降り続いていたから。
やっぱり重い雪。はまり込むと腰辺りまである。新雪で気持ちいいけど・・・。
不動滝横の林に入る。雪の下の落ち葉に滑らないように雪を除けながら進む。夏道より左の山側に寄って進む。トラバースして谷へ降りる。
若者が後からやってきた。彼は谷への吹き溜まりを軽く進む。滑りながら後をついて降りる。

よく岩登り練習した岩が埋もれて見当たらない。左に巻いて山側へ出る。一枚岩もなんか様子が違う。手前の大岩がない。左岸沿いに巻いて一枚岩上へ。ここもなんか雰囲気が違って明るい。見上げれば一の谷新道から崩れている。
右に緩やかにカーブして左岸の山側を巻く。

大黒滝へ。バンドのような所はピッケルをガバにかけて中ほどを行く。足元は雪で高くなっているので楽。
滝の氷ばくはまだ小さかった。滝上に出るまでの吹き溜まり。一番体重が軽そうな?私が膝で歩いてラッセルする。若者さんは滝横で大休み。O須さんはショベルで雪を除いてワカンで踏む。ちょっと雪崩れが怖い。クラックのような岩場を越え滝の上へ。



又吹き溜まり。再び若者さん登場。見ているとピッケルを振り下ろす腕力がすごい。雪を落としたらすぐ膝で押し進む。一つ一つの動作が速い。ほとんど足などで立たない。
パワフルで機敏なラッセルに見とれる。真似てみるがなかなかできない。
山側を進んで三角岩のあった地点へ進む。雪が深い。数年前の初体験大雪くらいある。

そしていよいよ今日の核心部。くぐり岩横岩。
岩壁が雪で覆われている。まるで垂直雪壁。ワカンの夫が試みるが取り付けない。私が取り付く。雪のない時を思い出してピッケルで雪を蹴散らして、小さいスタンスに乗る。雪を除く。気分は北ア穂高の垂直岩壁ラッセル。少しずつ少しずつ進んでやっとくぐり岩上にたどり着く。「やったー。」とても御在所にいるとは思えない緊張感と達成感!

いい気分もつかの間。その後の吹き溜まりが何処までもはまり込む。底なし・・・。大きいスラブ岩を求めて足元の雪を三回くらい踏んで固めて進む。雪は細かい霰。あり地獄のように何処までも落ちるし固まらない。その雪をなるべく避けて、できるだけ丸くなった雪(下は岩だから)を求めて進む。

そのうち、凍えてきた。ずっと陰にいて動かないし、風が冷たいからだろう。いつも御在所での冬はマイナス7、8度。今日はそれよりずっと低く感じる。がたがた震えが来て、手もこわばってきた。「体調が悪いので降りよう。」と言うのに反応なしの夫。何か食べなくてはとバナナを口にするが、これが凍っていた。冷蔵庫で凍らしたものとまったく同じ・・・。
ダウンを中に着込みカイロを頂いてお腹に貼る。動けばいいかもと二番手になって雪を踏み均す。すると段々体が温まって手の感覚も戻った。御在所で低体温症になったらそれこそ大変だ・・・。
その後も、急斜面はいっこうに進めない。やっと大黒尾根の取り付きトラロープが見えてきた。必死で尾根に取り付く。ここで五時間経過。


アゼリアはまだまだ。ロープウエイ乗り場の百葉箱がわかる。そして前方に氷ばくも見えてホッとする。階段は雪に埋もれてどこかわからないが適当にはまり込みながら降りて行く。広場に到着。
O須さんとやったー握手をして歓び合う。時間は既に午後の3時半を回っている。約7時間本谷の雪の中に居たのだ。凍えるはずだよ。パワフルな地元菰野の若者さんとO須さん、ありがとうございました。

既に薄暗い。中道を降りようと意気込んでいたがヘッドランプを持っていないことに気づく。それでは初めてロープウエイのお世話になりましょう。今まで乗った事がないのでいい記念。


一分間隔で動いているのかな?スキー客も多く並んで順番待ちだけど速い。6人で乗る。今度は雲の上の人となって白い本谷を見下ろす。自分たちのトレースがくっきり。さっきまであそこでもがいていたのかと可笑しくなる。
初めて、ゴンドラからの雪景色を楽しむ。薄化粧の温泉街も綺麗だ。



降りて右手に進むと寿亭の橋に出た。30分歩いてやっと駐車場に到着。
長い御在所の一日が終わった。
早く温泉でぬくぬくしないと、このままガチガチに凍りそう。

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