藤内沢

        1212m (三重)
GOZAISYO

2009年1月18日 くもり

P7:00〜(中道・裏道)〜藤内小屋〜(藤内沢)〜三ルンゼ(ジャンダルムアイスクライミング)〜朝陽台〜(藤内沢)〜(裏道中道)〜P

裏道に出るとよく踏まれた硬い雪道。滑らないように歩く。藤内沢出合でアイゼンをつける。北谷が深くなったので一壁までの距離が遠く高く急斜面に感じる。
前を行く人一人。前尾根テストストンは崩れずにそのままだった。中俣には青氷が大きい。昨日の土曜日、大勢入ったらしくしっかり踏まれている。ラッセルではないので歩くのが楽。
藤内滝上の廊下のようなところも雪の階段。マイナスの滝にちょこっと氷。その上の奥叉の氷が張り出している。踏み跡さんはそちらから回ってトラバースして来た。去年の冬、藤内でお会いしたU尾さんだった。

ヤグラ下。
三ルンゼへの分岐で雪が柔らかい。体重が増えた夫は、はまり込んでばかりでいっこうに進まない。私が先になり、鋸岩に突き当たるところまで直登する。トラバース練習もしながら。滅茶苦茶気持ちいい粉雪ラッセル。しっとりさっくりなめらかな雪。


三ルンゼの氷はできたかな?
二人がトップロープ準備中。トップの方がスクリューみたいなボルトを氷にねじいれて支点を作っている。その響き具合でわかるのか「中が空洞。」とかいっている。氷が剥がれたら大変。さらに少し上のテラスにも支点、「保険の為に。」とかで近くにもう一つ支点。その後はしばらく藤内沢のような雪のみの斜面を行って、左上岩間の氷を登り終了。その後懸垂下降。セカンドはボルトを回収しながら進んだ。

ロープはシングルで。(9、5ミリ。)
夫々ルベルソとグリグリを持って見える。「ロープが凍るとグリグリは使えない。最終的にはエイト環を使う。」そうだ。
うらやましそうに眺めている我々に「登ってみる?」と鶴の一声。去年はじめて氷を登ったというU尾さん。ハーネスもちゃんと用意して準備万端。バイルを二本借りて、アイゼンは縦走用の自分のもので、いざ氷へ!

その時、写真が趣味の方かな?傍の氷上から「写真撮らせてください。」と声がかかる。

そして彼はいとも簡単にスイスイと、楽しそうに登ってしまった。降りるのも楽々。

次、私の番だけど、そんな風にできないよ。登攀用具を全部借りてバイルの使い方を教えてもらう。バイルは一番下に小指がかかるように持つ。肘からストンと落とす感じで。打ち付ける場所は氷の窪み。氷からバイルをはずす時は縦に動かす。

いよいよ、スタート。
バイルを氷に振り下ろす。右手左手。足を上げアイゼンを蹴りこむ。右足左足。足幅は少し開いて。又腕を振り上げる。次に足。知らないうちにテラスについた。
ここから普通の雪斜面なのでバイルを適当に持ちかえると「ちゃんと持って。」と下から注意。雪でも氷と同じように歩いて、最後の岩と氷だ。
岩と岩の間の狭い場所の氷なので何処に刺せばいいのか・・・。足の蹴りこみもなかなかうまくできない。
「ロープを体の前に!後ろだとひっくり返る。」少しずつ進んでやっと終了点のテラス。雪と氷のついた岩にアイゼンで立つ。「こわーい。」
「バイルを持ったまま体重掛けて。」このギザギザの歯が一つ間違えば自分に降りかかって凶器になるのではと思うと怖くて一歩が踏み出せない。思い切って後ろに体重を預ける。ドキッとするのはほんの一瞬。アイゼンで岩や氷を蹴って降りる空中散歩。足幅を少し開きながら氷を蹴る。あっという間に氷の下へ到着。最後は十分しゃがんでロープを引く。谷に背を向けないで立つこと。

アイスクライミング初体験終了。


岩と違って、氷があれば足も手も何処でも自由に置ける。誰でもすぐ出来るから楽しい?でも氷が剥がれたらと思うとやはり怖い。
インドアで鍛えているU尾さんは若いし身軽。「素質があるよ。」○古屋ACCのお二人さんは来週もと熱心にお誘い。「夏には剣ケ岳の八ツ峰へ。チンネ、熊の岩で遊ぶし、錫丈岳も行くよ。」山スキー、岩、アイスクライミングと何でもありの山岳会だそうです。

私は、先ほどのカメラマンからインタビュー。話すと、なんと○日新聞にいつも山の情報を提供されるU美さん。御在所を歩き始めた頃「この岩は何処にあるのかな。行ってみたいな。」と教科書にしていた「御在所ゆうゆう」を出版された方。思いがけない出会いでした。

U尾さんは今年の正月は八ヶ岳へ。単独テント泊で阿弥陀岳北稜を登られたそうだ。3、4日は天気も良好だったとか。

彼は本谷から降り、私は下りも藤内沢から。奥俣の滝はどうかな?急な斜面をトラバースして寄り道する。氷が小さいからか?クライミングはしていない。

格好いいツルムとご対面。その後マイナスの滝手前から、コオモリ滝下、前尾根フランケ下へ続けて滑り降りる。こんなこと雪たっぷりでないと出来ないよ。
藤内滝横のツララはまだ小さくてその間を潜り抜ける。そして仕上げはテストストンからの急斜面降り。出合でアイゼンをはずし、裏道を滑りながら降る。


「スカイラインを歩くより、山道のほうがいい。」と朝来た中道に抜けると、登山口辺りで小雪が舞い始めた。
温泉を出る頃には完全に雨。天候が崩れる前に藤内沢の雪と氷を楽しめてラッキーでした。


そして21日付北勢版、手前に大きく氷を入れた三ルンゼの写真。タイトルは「氷の壁、歩みしっかり。」「氷の壁に挑むクライマー、御在所岳で。」なんとアイスクライミング初体験の私が紙面を飾っていたのでした・・・。

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