御在所 

      1212m(三重)
2012年2月4日 晴れ

P7:15〜(本谷)〜大黒岩(12:45〜13:15)〜(本谷)〜P15:00

T尾さんが駐車場の雪を圧雪している。隣にMさん、まもなくTさんも到着。総勢五人で出発。

登山口手前でリスが飛び出した。手にのるほど小さくて、シッポがふわふわ。松の木に登って朝ごはん?雪に付いた足跡も、数センチ。


本谷へ。
え、もうトレースがあるの?谷に降りると、下からずっと谷をつめて来た若い二人のトレースさん。

川にはまらないように気を付けて雪を被った岩を歩く。もうここで雪は結構深い。巻き道を行く。トレースがないと道がわからない。いつの間にか滝下の大岩に来ていた。

不動の滝。
凍っている。ここでアイゼンをつけて、柔らかい雪の巻き道を登る。時々、木につかまりながら。



再び谷に降りて、一枚岩へ。
三番目。岩に着いた雪がまだふかふかなので、最初の一歩が怖い。そっと左足を乗せて、右手のピッケルを刺し込むと登れた!それを超えると雪の階段で楽ちん。

T尾さんから大福餅。力餅。

トレースさんも登ってきた。こちらも小休止らしいので、「お先」

谷をつめる。リボンの滝は、今日はリボンではなく、まっすぐツララ。


オレンジ色の伊勢湾を見降ろす。


左手に折れて、バンド岩へ。
右手から雪崩れたように張り出した雪壁は、ラッセルするT尾さんの頭を超えている。まさに、雪壁を削って進むラッセル車!

透明氷、ゆっくり時間をかけて凍った氷。

バンド岩は、ただの雪の壁。Tさんがピッケルで雪を払い、丁寧に綺麗にステップを刻んでくれたので、相方のピッケルを借り、ダブルアックスで。登れた!

すぐ下に来ていたトレースさんもアイゼンを付けている。え?一枚岩、アイゼンなしで登ったんだ。


大黒滝へは、より困難なルートから谷芯を登りたいTさん。左岸に向かって、わざわざ深い雪をラッセル。さらに右に大きく巻きこんで一番深いところからつめる。その間にトレースさんは右岸の浅い所をスイスイ行ってしまった。

滝直下の氷をチムニー登りすると、その先に、クリスタル大黒滝。清楚なウエデイングドレスの裾を翻しておすまし。なんて美しいのでしょう!見惚れていると、冷気が体に降りかかって凍えてきた。


滝の上に出る。青と白の空間に、銀色鉄塔と赤いゴンドラが現れた。
先ほどと気温が全く違う、温か。ここには氷はないので・・・。雪と氷ではこんなに温度が違う。

先行の二人は滝に向かった。トップロープでアイスクライミングするようだ。

我々は、雪がたっぷりついたV字の谷芯から登る。取りつきはチムニーで。柔らか雪なので、中ほどはスラブ岩から。足を滑らさないように、笹などを持ってT尾さんに続く。最上の氷は左足をツララ下の氷塊に、右足を右壁に押し付けて、チムニー登り。

その上は、夏に馬乗りしたことがある岩。相方は雪を除いてスタンスを見つけた。



くぐり岩横岩の下も左岸から雪が張りだしている。深い。何回踏んでもどこまでも落ちていく。それを繰り返していると、少しずつ進むことができた。

くぐり岩横岩。
掛けたピッケルが外れて一度滑り落ちる。もう一度、しっかり刺し込んで、アイゼン効かせて一歩一歩登る。


先行Tさんは直登のクラックではなく、右の氷壁に沿って登っている。「ベルグラ」とか言って、薄い氷をはがしている。

スラブについた柔らか雪と土が滑りそうで、ここがちょっと怖かった。登りで一番緊張した所・・・

くぐり岩の上からは、さらに雪が深くなるはず。岩の隙間に、相方が胸くらいまでごっそり。この先、体重の重い人は何処までもはまるから気をつけよう。


一息入れて、急な登り。雪の端は、ラッセルするTさんの頭。今日はワルツでなくてエイトビートとかで、3M、5Mと確実に進んでいく。

T尾さんもパワフル。足、手、口と全身フル回転。「御在所の一年はこの日の為にある」そうだ。ぐんぐん距離を伸ばしている。


後ろからついて行くだけでは寒いので、ラッセルさせてもらう。

ピッケルで雪をかいて、膝で押して、足で踏む。時々、数回押してもどんどんはまる。そんな時は立たずに膝歩き。膝で雪を押さえたまま、前に進む。

T尾さんがつけた先日のトレースは、新雪1Mほどの下になってしまったようだ。トレースを見つけられない。

この辺りで、スノーシューで挑戦した地元の方もうまくいかなかった。新雪が深すぎるから。

さらに雪がどんどん深くなってもへこたれずにガンガン進むT尾さん。やっと氷の壁に来た。氷の縁取りに見惚れる。手作りクッキーみたいな素朴さがいい。

振り返ると大地も白い。こんな光景なかなか見られないよね、すごーい。


トラロープのある巻き道から大黒尾根へ。
Mさんのアイゼンが緩んで、登りにくそう。木や笹につかまって無事尾根に到着。

下から二人登って来ている。


大黒岩。
風がなく穏やか。綿帽子かぶった岩がすぐ目の前に。
無雪期にも危ない大岩の下は、雪で埋もれている。何処に足を置いたらいいのやら、こわごわ歩く。特別席に行くのもスイスイと行く人々を羨ましく見送る。滑落しそうでこわい!


さらに大岩に楽々登る人達!私はと言えば「こわい、こわい」と震えながら。
なんたって、こんな雪の大黒岩は初めてだから。

そして岩に立つ!

大黒岩てっぺんだ!


「やったー」大雪御在所本谷、5時間半で到達。Tさん、T尾さんラッセルありがとうございました。

「左または遠かった!」本日の予定は鎌ヶ岳だったのです・・・

雪の大黒岩。
こんな素晴らしい場所でランチを頂くことに。御褒美はホットはちみつレモン、ラーメン、お蕎麦、ソーセージ、チョコ。

サラミソーセージって火で炙ると、めちゃ美味しい。山にピッタリで大満足!

帰りは中道を降る予定で、大黒尾根を登りだす。が足が重い、キツイ。右手にドンツキから本谷へのトレースが見えて来た。それじゃここを降りましょう。

滑ってあっという間に本谷へ。
深い雪。やっぱりこんな大雪の本谷はじめて。降って改めて知る今日の豪雪。

二人登ってきた。先程のアイスクライミングさんでした。

降りも、難関は、やっぱりくぐり岩横岩、下を良く見て、クライムダウンで。

ここから下は、雪量は朝のままだが、陽があたるところはちょっとべたついてきた。

バンド岩へは行かず、左岸からお尻で。一枚岩も、一番下で滑り降りる。



不動滝への激降り。
後ろから「カンカン」そうか、私も。「プレートがあるから、やらなくていい」そうだ。でも、やりたいんです。雪のある今でしかできないアイゼンの雪払い。

日陰はまだ朝のままのサクサクした雪。
登山口辺りでアイゼンをはずす。山の家まで戻ると日が傾いていた。三時。行動時間は約八時間。そして、今日大雪の本谷を登った人は10人。


駐車場。
白い衣装の御在所が、穏やかに見降ろしている。さっきまで、あのドレスの裾にいたんだよね。ハッピイでした。

十数年通って、ナンバーワンの御在所大雪体験。皆さんのお陰で楽しませていただきました、ありがとうございました。

たいして何にもしてないのに、足に豆。それが水ぶくれになりました。

         トップメニューへ
inserted by FC2 system