白山
      2702m
(石川・岐阜)


2011年11月4日 はれ

自宅20:15〜尾西〜荘川〜R156(県道白山公園線)〜R451〜平瀬道登山口P23:30(車中泊)

東海北陸道は空いていた。月夜で明るい。荘川で降りて、R156を進む。御母衣ダム沿いの道は急カーブが多い。R451に左折。
林道のような狭い山道。暗闇に道路脇の紅葉が目に入る。この辺りが一番いいのかな?ナビの赤いカエデが教えてくれる。
白水湖に到着。白水湖畔ロッジはライトが明々と灯っている。既に数台駐車。

2011年11月5日 くもりのち小雨

登山口P5:00〜大倉山避難小屋7:00〜賽ノ河原8:30〜室堂8:40〜白山山頂9:25〜大倉山(10:30〜11:10)〜登山口P12:55

ザバスを忘れずに飲んで!ヘッドランプをつけて出発。前に先行者のランプが動いている。

木の階段の上にどっさり落ち葉が降り積もっている。ふかふか絨毯は10cmほどもある。カサコソではなくてガサゴソと大きな音。カエデの落ち葉は綺麗だ。道はきちんと整備されて歩きやすい。

六時少し前、東の空が明るくなった。次第に金色と紫色に染められていく。神々しい・・・「紫だちたる雲の細くたなびきたる」ってこんなんかな?


モルゲンロートに染まる別山あたりの尾根。美しい!
ナナカマドの赤い実の彼方には白山。右に張り出した尾根も重量感がある。
ダケカンバの白い幹が力強い。曲がった枝や抱きかかえられないほどの幹に見とれながら歩いていると、登山道わきの笹の中でなにやらゴソゴソ。熊ではないかとドキッとする。鈴を大きく揺らしたりしてみる・・・

そのうちガサガサと笹から飛び立つ音と共にピーヨというような声が騒がしいほどに聞こえ始めた。ツバメやスズメより少し大きい鳥。あちこちから一斉に飛び出し、群れて空いっぱいになり、朝日の方向に飛んでいく。夏、御在所のアキアカネが空を埋めるように、白山の空を埋める鳥。びっくり!やかましいほどの羽根の音、鳥の声、笹の音・・・渡り鳥かそれとも住んでいるのか?
多分、十分ほどの出来事だろうが、とても長く感じた。初冬の白山で、渡り鳥?との出会い!

上から数人降りて来た。昨夜避難小屋で泊った人達。「朝から何人も登って行きましたよ」 我々だけではなかった・・・



大倉山避難小屋。
岳樺の白い幹の上に、丸くて柔らかな山容の白山が座っている。冬枯れの淋しい風情がいい。

背後を振り返ると、雲海と朝日の隙間から蒼い峰がつながって覗いている。
後ろ正面には御嶽山、乗鞍岳、穂高岳、槍ヶ岳、立山、剱岳らしい三角の山。なんて雄大な景色なんでしょう。すぐ目の前はたぶん三方崩山。本当に崩れている。


トレランの若い男性。登山口を4時半に出てもう戻って来た。仙人みたい!「天気は、午前中持つでしょう」と励まされる。

カンクラ雪渓。
春に雪渓が残るのだろう。ダム側に数か所ある崖道を慎重に歩く。別山の峰には滝雲が流れ始めた。天候が悪くなる雲だ。


賽ノ河原。
山頂からガスが流れ降りて来た。あたりは何もない白い世界になった。
前回は10月に雪だった。今回は11月の雨?



霧の枯野を歩く。心細いが、砂道に踏み跡がある。三ケ所河原を横切る。


灰色の世界に、ぼんやり室堂が見えた。「ホッ」 鳥居まで来て、「剣ヶ峰はどうしようか」と思っていると、砂防新道から来た二人に「山頂はどっちですか?」と聞かれ「こっちですよ」と一緒に進んでしまった。

出会った人に背中を押された格好だ。あちらはかけ足で登る。私は足が重くてゆっくり。でも平たい石畳の登山道は歩きやすい。四時間余り、ほとんど休んでいないので疲れがピーク。上から、トレランの若者四人が駆け下りて来た。「左手に曲がるんだよ」と声をかけている。彼らも平瀬道かららしい。それからも数人降りてきた。風が出て来た。冷たい風に、よろよろ歩いていたら、又、後から来た若い人に追い越された。

今度は、先ほどの親子が黄色のカッパで降りて来た。「退散、退散。寒くて居られない」我々も、ここでカッパを着ることにする。



白山頂上。
霧の中に、社が見えた。四年ぶり三回目の白山山頂。一度目はただ花に会いたくて、二度目は雪山、三度目は今日の霧。白山との出会いはいつも感慨深いものがある。丁寧にお参りする。「白山の神様、ありがとうございます」 霧の中で、緑の屋根が厳かな雰囲気だ。

こんな天候なのに、次々人が登って来る。霧が怖くないのかな?初めてらしい地図片手の若い人もいる。来たことがあってもガスの中は不安なのに・・・「分かった、きっと彼らは方向音痴じゃないんだ!」

やっぱり寒い。雪が降り出すかも知れない。手がかじかんで来た。というより痛い!


もう降りよう。社まで続いていた綺麗な石畳は登山者を安心させる。迷ってないことがわかるから。雪なら道が隠れるけど、霧だから大丈夫だよね。

白い室堂へ。

そのまま休まず、霧の中を賽ノ河原へ。途中、埼玉から来たというカップルが休んでいた。私はこんなところでは休めない。今にも雪か雨か降ってきそうだから。


ハイマツ帯を抜け、ダムが見えてくる頃、空が明るくなってきた。登山道が崩壊している危険地帯を慎重に降る。


御嶽山も、乗鞍岳も、雲に隠れてしまった。殺風景な山肌にダケカンバの幹が曲がっている。大倉山を見降ろすこの展望台で休もう。深まった秋を感じながら・・・

ここは、全く風がない。ヤマハハコのドライフラワー?が可愛い。ザバスを飲んだからか、たいしてお腹は空いてないよ。オニギリ、ラーメン、バナナ、紅茶。

白山Uにつづく。

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