白 山
    2702m(石川・岐阜)

HAKUSAN

1999年7月31日 晴れ 

自宅0:45〜白鳥2:15〜(R157)〜(長山信号右へ)〜(R158)〜市の瀬P4:00〜市の瀬バス停4:50発臨時バス(5分おきに出る)〜別当出合(砂防新道)5:15〜別当覗き6:15〜甚之助小屋7:15〜黒ボコ岩8:30〜室堂9:30〜御前峰白山山頂10:30〜(池めぐりお花畑コース)〜室堂12:15〜(エコーライン)〜南竜12:30〜エコーライン分岐12:40〜南竜セントラルロッジ(キャンプ場)13:50〜夕食ロッジ17:45



市の瀬の広い駐車場に車を置く。車の多さに驚く。バスの始発は5時だったがそれより早く臨時が出てそれに乗る。
別当出合に着く。バス停にきれいな大きいトイレ。砂防新道を行く。
出合からの登山道でいきなり大きいウバユリの花。他の花も大きいものが多い。
鈴鹿の物と比べると何倍もある。地質が肥沃なのかな?
登山道はしっかり整備され歩きやすい。中飯場あたりでは山崩れ砂防工事が目に付く。
甚之助小屋から南竜道分岐にかけて大きいシシウド、ナデシコのような花びらの白いセンジュガンピ、小さい白いゴゼンタチバナが咲いている。
このあたりで美しい緑の別山を眺める。急な坂道を登ると黒ボコ岩。ここで観光新道と合流する。
この下はハクサンフウロなどのお花畑。イブキトラノオ、ミヤマキンポウゲ、テガタチドリ、オタカラコウ、ネバリノギラン、ヨツバシオガマ、クロユリ、コバイケイソウ、チングルマ、キヌガサソウなど。
はじめて見るクロユリは感動だった。美しいというより知的だった。少しすましているような雰囲気だった。


その上の弥陀ヶ原は広々した野原の様だった。なだらかな御前峰が見える。五葉坂には雪渓があった。そのせいか気温がすごく低く寒い。冷える。
小さいクルマユリ、ニッコウキスゲ、ハクサンフウロ、イブキトラノオ、濃い紫のイワギキョウ、イワツメグサ、タカネナデシコ、モミジカラマツ、ダイモンジソウ、オンタデなどが咲き乱れる。
工事中の室堂は利用できないようだ。ここから御嶽山がよく見える。白いコバイケイソウが多い。
室道横から登り始める。石畳のように綺麗に整備された道。御前峰までの登りは急で風がきつい。寒くてカッパの上を着る。
ここからも緑の別山が美しい。見下ろすと先ほどの室堂が小さかった。
今来たルートの他にも幾つも登山道があるのが目に入る。こんな広大な緑のパノラマは初めてだった。
チブリ尾根も油坂のジグザグ道もよくわかる。
シモツケソウが綺麗。白山奥宮に着く。風がきつい。そのすぐ上が頂上だった。
「わー綺麗。」蒼い山なみが素晴らしい。居合わせた方に山の名前を教えていただく。
北アルプスから南アルプス、中央アルプス、乗鞍岳、御嶽山。富山湾、能登半島まで一望。素晴らしい360度の大展望だ。


御前峰、翠が池や剣が峰など頂上のお池巡りコースを歩く。
草木のない荒れた岩場を行くとグランドキャニオンにでもいるかと思う。やはり火山だったのがよくわかる。
翠が池と雪渓の対照が美しい。白と蒼。
ガラガラした岩道を歩く。
少し下りると、アオノツガザクラ、ハクサンコザクラ、クロユリが咲いている。コイワカガミ、ピンクのツガザクラ、ミヤマキンバイ、紫の小さい花ヒメクワガタ、ナナカマドの白い花、ハクサンボウフウ、ミヤマコゴメクサ、ハクサンシャジン、エーデルワイスのようなヤマハハコ。
室堂に近づくとクロユリやハクサンシャクナゲが多くなった。



南竜までエコーラインを行く。木道歩きで気持ちいい。噴火のときに飛んできた岩があちこちにある。
中ほどにニッコウキスゲ、フウロソウ、イブキトラノオ、ミヤマコウゾリナなど気持ちのいいお花畑。日本庭園のよう。
エコーライン、トンビ岩コースなどの登山道が緑の山肌にはっきり浮かぶ。雄大な風景。
南竜は湿地帯だった。イワイチョウ、ハクサントリカブト、ツマトリソウ(白)、オオバモゾホオズキ(黄)。山荘近くでハクサンコザクラ、アオノツガザクラ、フウロなど。どこまで行っても花・花。
予約してあったケビンは八畳くらいの一軒家。二部屋あり新しい。近くに冷たい水場がある。食事は山荘でお世話になる。五時四十五分から。
山荘セントラルロッジは新築されたばかりでトイレは水洗だった。夕方はとても冷えて寒い。
前のキャンプ場にだんだんテントが多くなった。若い女の子が一人用のテントを張っていた。「明日は中宮温泉へおりる。」と言った。
山ヘ一人で来るなんてすごい行動力だなと感心したり心配したり・・・
ケビンにはマットや毛布など寝具が揃っていた。強風で一晩中戸がガタガタしたが歩き疲れ熟睡する。


1999年8月1日 くもり 

南竜ケビン5:45〜油坂の頭6:45〜別山山頂(8:00〜8:15)チブリ小屋(9:30〜10:00)〜市の瀬登山口13:00〜P13:30〜ブラッシュ(温泉)14:30〜(R158)(R157)〜油坂峠〜白鳥〜羽島〜自宅20:00


5:00起床。弁当食。5:45出発 朝、南竜から眼前に白山がよく見えた。空も明るい。別山に向う。
油坂の頭はニッコウキスゲなどのお花畑。登山道脇の斜面一帯がうす緑のじゅうたん。


その油坂の頭から風がきつい。それにずっとガスが出て見通しが悪い。朝の天気はどこへ行ったのだろう。
左側斜面は崖で落ちそうで怖かった。
ニッコウキスゲ、タテヤマウツボクサ、モミジカラマツ、ツガサクラ、キヌガサソウ、ハクサンイチゲ、シモツケソウ、カライトソウ、マツムシソウ、エゾシオガマ、ウサギギクなどが別山近くまで咲き乱れていた。
池塘で白いキヌガサソウ。初めて見るこの花はとても神秘的だった。ハイマツの下にはシャクナゲ。
別山辺りまでずっとガスの中だった。辺りが何もわからずとても不安。出あった方が「もう少しですよ。」と話して下さると安心した。
別山山頂も強風、何もわからずそのまま降りる。
特に山頂からチボリ小屋までの尾根は台風のようで吹き飛ばされそうだった。とても夏とは思えない。小屋から下もまだ風がきつい。
この辺りは大きいヤグルマソウ、ヤブレカサ、オオモミジカサ、カニコウモリなどが多かった。
小屋から下の池にオオサンショウウオのオタマジャクシがいた。


尾根
中ほどはブナが小さく空が開いている感じ。下に行くとほおの木、トチノキ、ブナなどの巨木が多くなった。空が幹や枝葉で塞がれて見えないほど。
巨木を見上げて悠久の時を感じた。長い時間を生きてきたこの木々に今日出会えたことがうれしかった。
倒れたブナの木を見ると年輪がなかった。つる性のイワガラミはブナの木にからんで白いアジサイのような花だった。 
小屋から下りるにしたがってだんだん暑くなった。気温が上がるのが体で解る。市ノ瀬に下りたら猛暑。晴れて暑い。
別山頂上のガスや尾根の寒い風がうそのよう。山の天気は下界とはまったく違うと実感した。この下界の暑さから山頂の寒さは全く想像できなかった。
標高千五百メートルより上ではアキアカネも飛んでいた。
市の瀬から見上げると白山頂上はやはり雲がかかったままだった。
いつも知り合いのAさん、Nさんに白山の素晴らしさを聞かされていた。ずっと花の白山に行きたいと憧れていた。でも体力がないので歩き通せる自信がなかった。
白山に行きたいが為にいつも家の近くを愛犬と共に頑張って歩いた。
御嶽山、八ヶ岳と歩いて大きい山の様子も少しずつ分かってきた。
そして今回やっと念願が叶った。
白山は、山渓など山の雑誌やガイドブックで見て想像していた通り、花が多くとても美しい山だった。

トップメニューへ
inserted by FC2 system