ハライド
908 (三重)
HARAIDO
2004年11月3日 晴れ 

旧料金所P7:25〜(中道)〜富士見岩9:00〜望湖台〜国見峠〜石門〜国見岳〜青岳10:15(1090m)〜腰越峠11:00〜ハライド(11:10〜11:30)〜三岳寺跡〜岳不動道の川原(12:00〜12:20)〜(裏道)〜藤内小屋12:25〜P13:15



朝いつものところに車を止めようとしたらそこに偶然Tさん。ご一緒していただく。はじめて地蔵岩の肩に上がる。ささっと身のこなしが軽いTさんを見ていると自分もできる気がして不思議。
言われるまま手で岩を支え、足を岩に乗せると地蔵岩の肩に上がる事ができた。「やった。」Tさんはさらにその上の頭で得意のポーズ。レビュファーの両手を広げて立つ姿勢。私もいつかその頭に乗れるようになってやりたいそのポーズ。
又新しい目標ができた。メスナーやレビュファーの事ももっと知りたい。下りるときは上りの姿勢のまま下りた。
地蔵岩のすぐ上の岩場では以前ここに「刀」みたいな岩があって折れたとのこと。倒れた石のふちを見たらまさしく「刃」だった。この岩に乗るには勇気がいったよね。きっと。今まではなにげなく踏んでいたこの石。この石の一生?に思いを寄せ、これからはいつも目を向けよう。
その後キレットで岩場を下りる。斜めの岩にそのまま足を乗せてかかとを下げ、引っ掛ける感じではなくフリクション(摩擦)で立つ練習。(最近覚えたロックの言葉)
富士見尾根の下の鎖場は下りてからチムニをもう一度上がる。(チムニはえんとつから来たらしい)体はなるべく外へ出し、手足や体を岩に押し付けて上る練習。「できた。」
上部テラスで一本たてる。(これも山の言葉)この言葉の語源は、ボッカの人が休憩時お尻のところにT字型の支えをおいて休んだことから来たらしい。なんか温もりがある言葉だ。


今日は文化の日で快晴。
富士見岩から望む鎌ケ岳も際立って美しい。さらに朝陽台から望むと大黒尾根や鎌ケ岳がより鮮やかに見えた。
紅葉が終わった山頂付近や望湖台からは雨乞岳、釈迦岳などが晩秋の装い。
「たおやかな峰」イブネ、クラシにも魅了される。
三角点からスキー場横を左に入るとしっかりした登山道。ガレ場を下ると目の前に国見岳が大きく現れた。
上水晶からの道に出て国見峠から国見岳に向う。国見岳の一番上の岩から今来たスキー場からのルートがよく見えた。すぐ左にも木に覆われた道がある。冬道らしい。



迫力ある藤内壁をしばし放心状態で眺める。石門は以前のような笹もなく入りやすく、岩の上からは目の前に雨乞岳だけが望めた。国見岳は人が多く通過。
朝明に向かうとそこは秋というよりもうすっかり冬枯れの世界だった。
腰越の方に右折れ、ヤシオ尾根を下る。
きのこ岩は北からの風がきつく寒く感じるほどだった。雲がながれて紅葉した谷に陽があたると赤や黄色の木々が浮かび上がった。そこはまさに大自然のキャンバス。錦おりなす裾模様だった。
国見尾根の揺るぎ岩や天狗岩が小さく見えて、岳不動辺りのきれいな紅葉が目に入る。
さらにその下の三岳寺跡割谷の頭から割谷を下りると鳥居道谷のキャンプ場へ出るらしい。
我々は分岐を左に腰越峠、ハライドへ。
峠に下りるところは急降下。この急斜面を年配の方が数名登ってみえた。そのあたりの紅葉が特に鮮やかだった。突然岩のハライド全景が目に飛び込んできた。「わー綺麗。」


腰越峠に到着。そこにはケルンがあった。
今急降下してきた尾根を背にハライドへと登る。風がきつく帽子が飛ばされそう。ここから望む御在所岳は又一味違う迫力があった。キレットやその下のザレ場、ロープウエイまでもが逆光に映えて美しかった。
朝明に目をやれば、公園やはと峰、水晶岳も鮮やかに紅葉している。この絶景の中にいると自然の中に溶け込んでしまいそうな錯覚に陥る。
峠に戻り少し登り返して御在所の方へ左折。鮮やかに紅葉した谷沿いの腰越峠道を進む。右の山の斜面をうまくトラバースしている感じだった。
見事に紅葉した木々の下を歩くと、赤い葉が光を受けオレンジ色に輝いたり、黄金色の世界が現れたりと感動の連続だった。
ヤシオ尾根に出る手前にきついアップダウンが数箇所あった。
尾根に出ると目もくらむような光と紅葉のシャワーが降り注ぐ。
先ほどのつらさもどこへやら気分は最高潮に達した。
この峠道はしっかりしていたが尾根道に取り付けられた地図には点線で描かれていた。
三岳寺跡へはロープの張り巡らされた急な斜面を下りた。



枯れ葉がはらはらと水面に落ちて秋の風情があふれる小屋手前の川原で食事。
その後藤内小屋のテストストンに登る。右の岩は今日が初めてで右下から真ん中に上がった。左の岩はロープを持たずに下りた。
Tさんの言う通りにやると、恐怖感をほとんど感じることなくできた。
ここを通るたびに何度も練習しよう。Tさんの言葉を思い出して・・・
中道に戻って朝とは違う光に輝く御在所岳を仰ぎ見た。
新しいことを一杯体験した今日の感動からか、ひときわ「綺麗」な御在所岳だった。
今年の御在所岳はじめ鈴鹿の紅葉は幾たびかの台風、豪雨に耐えてすばらしい色となった。大自然に自らの生きる姿勢を学ぶ気がする。
穏やかな秋の陽射しの中、Tさんのお陰で御在所岳、国見岳、ハライドの秋を堪能できてこの上なく幸せな日だった。


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