穂高岳
    3190m (長野、岐阜)
HODAKADAKE

2002年8月30日 晴れ 夫と二人

自宅20:00〜平湯温泉23:30(仮眠)

2002年8月31日 晴れ

平湯温泉P(タクシー)5:30〜上高地6:00〜(岳沢)〜岳沢ヒュッテ8:30〜前穂高岳(11:30〜12:35)〜紀美子平〜(吊り尾根)〜奥穂高岳(14:30〜14:45)〜穂高岳山荘15:30



朝3:30分にあかんだな駐車場に行ったが、5:30になっても駐車場があけられない。8:00からとしてある。急いで平湯温泉の駐車場へ戻り、ちょうど来たタクシーに乗る。ラッキーなことに5時予約の人の後だった。料金¥6000
上高地につくと、焼岳が霧の中に見えて幻想的。この時期天気のいい日には大正池にもやがかかるらしく、ちょうどそうなっていた。いいお天気になりそうだ。

上高地から岳沢ヒュッテまでは、よく整備され歩きやすい道だった。ヒュッテからすぐ上のテント場に韓国の親娘がテントをはっていて、彼女らと前になり後ろになり穂高岳へと進んだ。やはり海外でも穂高岳に憧れる人がいるんだなと納得した。

ヒュッテからの道は急に傾斜がきつくなり、ほとんど垂直の鎖場が続くすごい急登となった。こんな道歩いたことがない。さすがの夫もふうふう言っている。山の店の浜谷さんが、「整備されたいい道ですよ。」といっていたのに・・先行きが心配になった。



いつのまにかダケカンバが終わり、ナナカマド、ハイマツが出てきた。緑美しい西穂高岳を左に眺めながら、前方にコブ二つの奥穂高岳も望めた。岩の鎖場とはしごを行くと、紀美子平へ出た。

ザックを置いて、岩が今にも落ちてきそうなところを前穂高岳へと登る。「やったー。」山頂は大変広く360度の大展望。表銀座の蝶ケ岳の方面、目の前に北穂高岳に続く槍ケ岳の山なみ、裏銀座の山々、富士山、南アルプスの山々、秩父の山など、青い蒼い山がどこまでも続いている。

この美しい山を見たいという思いだけで頑張ってここまで来たのだ。ただただ美しい。見たこともない茶色の蝶がヒラヒラ飛んで来た。蝶にも歓迎されたようでうれしくて勝手に「穂高の蝶」と名づけた。



吊り尾根は始めは歩きやすかったが、奥穂高岳に近づくにつれ岩場も険しく、左は上高地まで見えるので落ちないように慎重に行った。右手は岩を伝っているが、2回つまずいて怖かった。
前を行くパーティの九州の方から、夫が「足がつった」と言ったら、塗り薬のバンテリンと飲み薬カネボウの芍薬甘草湯をいただいた。おかげで夫は足が治り元どうり元気になった。

奥穂高岳の手前には、何度も回りこんで空を行くようなところがあった。時々右手の涸沢を見下ろす。目がまわりそうだ。



西穂高岳が近く感じられたら、突如奥穂高岳山頂。
左前方のジャンダルムが、目に飛び込んで来た。「わー」と叫んだ。
右手に涸沢から北穂高岳、槍ケ岳、北アルプスの山々・・・なんとすごいところへ来たんだろう。信じられない、自分の足で来れたなんて・・・

この景色にずっとあこがれ続けていた。そしてとうとうその山に来て、今自分の足で立っているよ。穂高の人になったのだ。
感動が体中を突き抜け、最高に幸せな気分になって、特別素敵な時間が流れた。

穂高岳山荘への鉄はしごも、笠ケ岳を見ながらおりていく贅沢さ。山荘の前はテラスになっていて涸沢を見下ろし穂高を仰ぐ絶好の空間。まるでヨーロッパアルプスの様だ。
テント場は狭くヘリポートそばにはった。夕方はガスってきた。いつもながら胃がムカムカして頭が痛くて何も食べられない。バファリンを飲む。でもこの上ない満ち足りた思いだった。

2002年9月1日 晴れ

山荘前テント5:30〜奥穂高岳(6:10〜6:20)〜紀美子平7:30〜岳沢ヒュッテ9:25〜上高地11:30〜平湯行きのバス12:15〜平湯(13:00〜14:30)(温泉)(食事)〜高山〜飛騨清見(東海北陸道)15:30〜自宅18:30

朝食はおかゆ、梅干、バナナ、ブドウ。
朝山荘から見下ろした涸沢は、ミニチュアの様で小さく感じた。目の前には、黒々とした岩の北穂高岳への稜線が続いていた。改めて、穂高にいるんだなとしみじみうれしく思った。

ご来光を背に受けながら奥穂高岳へと登る。今朝もアルプスの山々が見事に肩を並べ、朝日に輝いている。これ以上うれしい事はない。

奥穂高岳の山頂は風がきつかったが、朝のジャンダルムや西穂高岳はすがすがしくてさわやかだった。西穂高岳へ下りる人を見送って、吊尾根を下りる。緊張していた登りより楽しく歩けた。紀美子平からの下りは、すごく急で2回ほどずるっと滑った。
焼岳の煙が風にたなびいている。ハイマツの緑とナナカマドの赤い実が鮮やかだった。

上高地河童橋に下りて穂高岳を見上げながら、「あの吊尾根のあんな高い所歩いたんだね。」と夫と改めて喜びをわかちあった。

長い間夢だった穂高岳に足跡を印した今回の山行は、新たな世界が開けたすばらしい体験となった

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