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高原ホテル上でテントが四つ並んでいた。夏道は右に回り込むが、トレースは林の中に続いている。
赤旗ではなく、ピンク旗が出て来た。雪の上に食べ物を捜せなかったらしい子どもの猪が倒れていた。
そういえば、大雪の今冬、鈴鹿の朝明あたりでも鹿など動物の死骸が多いと新聞に出ていた。だから、沢の水を飲まないようにとあったが・・・厳しい自然界の一面を目の当たりにしてちょっと重い気分。
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六合目の小屋は埋もれていた。
はるか前方に、15人ほどの団体さん。避難小屋で小休止している。蟻のように黒い点々が動いていく。その後、その上の直登ルート手前でワカンをつけているようだ。
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先頭グループは、その前、数人の単独者。右に巻いたり、直登したり・・・
我々も避難小屋でアイゼンを付け、ここでピッケルを取り出す。
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ゆったり準備中の団体さん、お先に失礼。人数が多いと行動に時間がかかるようだ。
トレースがあるので直登しよう。固い雪と氷の階段ではまりこまない。楽ちん。
ザーツと音がして、山スキーの人が滑落して行った。固すぎて雪をうまく捉えられないのだろう
急登が終わって、遊歩道の案内板が見えて来た。くいのてっぺんがちょっとのぞいている。そのうち、くいも見えなくなった。あたりはガスっている。ここには微かにトレースがあるだけ。雪は降っていないから消えないだろうとお堂へ向かう。泣いていた去年よりちょっと強くなった・・・
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伊吹山山頂。
覚心堂にはエビノシッポが恐ろしいほどにデッカイ。もこもこと屋根に盛り上がっている。近くの山小屋もほとんど埋もれて屋根が見える程度。
中に入るとボードを持った若者が一人。ずっと前方に見えていて、右に巻いた方だった。もう一人の彼も三回目でやっと滑れると喜んでいる。前二回は吹雪だったらしい。この二人がトレースをくれた方々だった。ありがとうございます。
お腹が痛いけど紙がないという彼に、ロールペーパーを渡す。外へ出て行ったけど大丈夫かな?遭難しないで。
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ミニパンを齧ってお茶で喉をうるおす。こんな天候では、とてもゆっくりできない。早く降りよう。
外に出ると、トレースは消えていなかった。ホッ。微かな踏み跡を心強く感じながら辿って行く。その後、直下の固い雪を駆け下る。アイゼンが効いて気持ちいい。サクサク。
山スキーの人が登って来た。登山の人も夏道など考えずにどこでも歩いて来る。見るとダブルストックの人が多い。伊吹山は単調だからそのスタイルが楽だよね。
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避難小屋で休憩しよう。西側にちょっと青空がのぞくが、山頂は相変わらずガスっている。日あたりがいいし、天候も崩れないようだ。緊張がとけて、やっとゆったりする。Cラーメンとお茶。
登って来る人はみんなこの小屋で一息入れる。アイゼンをつけたり、食事したり。雪が融けて来た。ここからはスノーシューで降ろう。
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急斜面は歩きにくいが、平たい雪野原ははまらない。ふわっと雪面に浮く。アメンボウが水面をスイスイ泳いで行く感覚。
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どこでも好きな所を歩いて雪面に落書き!めっちゃ楽しいスノーシューハイキング。
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白い大地を見下ろしながら、広い雪原を歩くのって超気持ちいい。
ふわふわふわふわ、雪に乗る・・・
広大な白い世界に何もない、誰もいない。どこか、ヨーロッパの雰囲気を感じながら一合目に降って行く。いつもつぼ足ではまりこむところだが、今日は楽。スノーシューは疲れない。
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スキーヤーが一人降りて来た。狭い林道を板のまま滑って行くので、雪壁にぶつかったり転んだり危ない。山スキーって、やっぱり難しそう。
今度は、そり滑り家族が現れた。すぐ上のスキー場まで行けば広いし、安全だと思うけど・・・
車に着くと、駐車料金徴収おばさんが待ち構えていた。¥1000
出発が早かったので午前中に行動出来てよかった。固い雪歩きと、楽しいスノーシュー落書き。伊吹の雪を存分に楽しみました。
伊吹薬草の里が工事中の為、阿下喜温泉「あじさいの里」
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