一壁・(御在所岳)
    1212m
(三重)


2005年6月30日 くもりのち晴れ 

裏道登山口P7:45〜ログハウス8:00〜(裏道)〜小屋〜(藤内沢)〜一壁(9:40〜15:00)〜(藤内沢)〜小屋〜ログハウス15:30〜P16:00

2005年6月26日撮影  

時々小雨がぱらぱら。
靴を借り、ヌンチャクなどを肩に掛けるものを持つ。
裏道の岩や落ち葉が少し滑りやすい。藤内小屋の手前にツルアリドウシが咲いていた。
一壁下の木の中にササユリ二輪。藤内の風が爽やか。汗をかいたので肌寒くTシャツをもう一枚重ね着。寒いなんて下界では考えられない。
ヘルメット、ハーネス、靴下をはいて靴。準備OK。

まず八の字結び。
ザイルを持つ。右足つま先に端が来るように垂らし曲げる。右に二回ひねり、上のひねり目を左手で押さえ、ワッカの中に端を入れる。一重の八の字の出来上がり。
そのザイル先をハーネス下から二箇所通す。上から出した物を下に折り曲げコンパクトにする。一重の八の字に重ねて通す。二重の八の字ができた。末端処理する。端を手前に左に二回巻いて手前から外側に出す。

セルフビレイ。流動分散?
岩にボルト二本。それぞれカラビナを通す。シュリンゲを通し二重にする。内側はひねる。ひねったものとまっすぐなのと二本一緒にカラビナをかける。下側を開くほうにして上からかける。カラビナをひっくり返す。上側に開くほうが来る。
そのカラビナに自分の八の字結びから二十センチくらい残し、ザイルをクリップする。徳利結びみたい。カラビナの上からザイルをかけて下に回し、上に持ってきて反対に一回ひねり重ねてカラビナにかける。両端を引いて締める。
これで自分の確保ができたことになる。上の人が落ちた場合、自分も引っ張られない。セルフビレイ。
安全管つきカラビナにザイルをかける。
皮手袋をはめる。
ザイルを出す。
持ち方は、右手で刀を抜くように一本ザイルを持つ。引き上げる。もう一方のザイルは左手で旗でも持つようにして引き上げる。
下に手をずらしロープを出す。緩すぎず張りすぎず程ほどに。上の人の動きを良く見て出す。
落ちた時は右手のザイルを右に引く。体の右外に引く感じで。



岩壁上部から「解除」の声。

カラビナからザイルをはずす。ザイルが引き上げられる。
セルフビレイをはずす。
徳利結び?の結び目ごとカラビナから抜く。カラビナをはずす。カラビナを肩のひもに掛ける。
流動分散の二重になったシュリンゲをはずす。
まず片方のカラビナをもう一方のものに通す。くぐらす。くぐらせたカラビナを下の二本のシュリンゲにかける。それを肩のひもに掛ける。
前に教わったようにセカンドでもトップの気持ちで行く。
登って行く時、ヌンチャクをはやめにはずす。遅いと取れなくなる。
足は岩に垂直に置く。斜めに置いたりするので。

初心者用の一ルート。
一壁の左端。中ほどから真平ら。岩が濡れているのでヌルヌルした感じ。よくわからないまますんなり上がった。終わってしまった。
一壁の上に出るといつも一周する時歩く見慣れた岩場に出た。
壁を見下ろすと頭がクラクラした。え?ここ上がって来たの?自分のことじゃないみたい。こんな所にいるなんて。
支点に上がり左方の安全な所まで進む。
登攀が終わったら、トップの人がセルフビレイをはずす時、落ちるといけないからザイルをしっかり持ち確保する。その後ザイルを肩に掛けて降りる。
登攀が終わって一壁下へ歩いて戻る時、ここでは確保されてないから落ちたら怪我をする。気をつけて落ちないように手をしっかり使う。けがはこんな何でもない所でするそうだ。慎重に降りる。
いつも難儀して上がる所は右のスタンスに右足のかかと、その左スタンスに左足かかと。お尻を浮かす感じで降りる。
一番下は前を向いて右足、後ろ向きになって降りる。一壁下へ。



初心者用の二ルート。
中ほど三角の顔みたいな岩を抱きかかえるように左に移る。止まることなくすんなり上へ。ここも余り覚えていない。ここを二回。

初心者用の三ルート。
左にずっと出張った岩がある。その右よりを行くようだ。
一回目。取付きからスタンスが小さい。足場があまりない。つま先に力を入れているので足がつりそう。
Mさんから上からは見えないところなので右寄りに行くように言われていたが動けない。まずここで立ち止まってしまった。よく見ると小さいスタンスがあった。少しずつ上がる。
次はテラス前で立ち往生。手前にチョックストンみたいなのがあって左足を掛けた。するとテラスに上がれた。
その上、ちょっとオーバーハング気味の岩。手も足も出ない。動けない。隣りルートのIさんが助言をくれる。足を大きく開くと右にしっかりしたスタンス。左に行く感じで左足。これもしっかりしたスタンス。体は少し左に行ってまた戻る感じで右に行く。
その後少し上のチョックストンのような岩も通過が難しい。
ここで「色々聞いているといつも聞かないと動けないようになるよ。自分で考えて行くように。」とMさん。
次何をどうするか言ってもらうのを待っているのではだめということだな。受身ではね・・・
自分で考えよう。割りと冷静に岩を見る事が出来た。
多分左手で三角のチョックストンの上に手を掛け右足を右壁に押し付けて上がったと思う。
これは始めにMさんが教えてくれた上がり方ではなかった。やった。自分で見つけた。
というより言われた事が出来なかっただけだけど・・・
それと先ほどの叱咤激励が功を奏して・・・
最後は直登。



壁下から先ほど立ち止まった所を見上げる。
二ルートより難しいと思うのはスタンスが小さいから?
距離が長いから?
オーバーハングにパニックになるから?
高度感があるから?
それでもどうにか行けた。
ここで軽く食事。パン二個。トマト二個。
休憩後、Mさんは、ツルムの隣りモンキーフェイスに登攀。


私はもう一度三ルートへ。
二回目は先ほどうまく行けなかった箇所を確認しながら行く。やはりスムースに行けない所は同じ。結構冷静な自分だった。一回目より早い時間で行けたようだ。
「一・二ルートは事始め。三ルートは入門。」とか。
私は今日この入門ルートを二回練習したことになる。
最後に二ルートで懸垂下降。
引っかかるような物ははずす。巻き込むと大変だから。
髪は短いから大丈夫。バンダナをポケットに。
手袋をはめザイルを軽く持って加重。手はあまり下降器に近づけない。体が岩に垂直になるように。足は肩幅。膝を伸ばして後ろ向きで歩くように。下を見ながらしっかり自分の足で着地。

一壁初体験の今日、天気予報はくもりのち雨ところにより雷。
ところが実際は朝の小雨はどこへやら。風がそよそよ吹いて爽やか。青空ものぞいてクライミング日和。一壁デビューにふさわしい。
岩も乾いて気持ち良い。なぜかこの花崗岩のざらざらした感触が好き。
大好きなササユリに見守られながら藤内の風を感じて一壁にいられる私。気分は最高。

去年の今頃、私も岩を体験したかったなと壁の前を通る度に思っていた。いつもそういう気持ちで籐内壁を仰いでいた。でも一歩踏み出す勇気がなかった。
秋に偶然、岩を経験された方にお会いして背中を押された気分になる。もちろん全て自己責任で。
硬い靴を買ってテストストンを歩く練習。毎週かかとに豆ができた。冬の間その靴で歩いて、約半年岩に慣れる練習を続けた。それが今日の一壁へのステップとなって行ったようだ。
子供の頃から、地に足がつかない高い所が苦手だった。怖がりでいつも親を困らせていた。母が知ったら本当に腰を抜かすかも・・・
未熟な私にとって、三千メートルの山を安全に通過するためにやることはまだまだいっぱいあるよね。
テストストン歩きも続けなきゃダメだし・・・(頭も体もすぐ忘れるから)

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