一壁

        1212m (三重)
GOZAISYO

2009年10月9日 くもりときどきはれ

裏道登山口7:00〜藤内沢出合8:30〜一壁(8:45〜11:00)〜小屋11:30〜登山口12:10

真冬のように寒い。相当気温が低い。耳あてにバンダナを巻く。
一壁は風の通り道。ツルムのコルから冷たい風が吹き抜ける。下で確保するのに寒くて立っていられない。足ふみをしながらロープを出す。手がかじかんで・・・。登るにも岩が冷た過ぎて手が凍る。指の感覚がなくなって首筋で手をあっためる。二本ほど登るがとても耐えられない寒さ・・・。

前尾根には日が差して暖かそう。P6特訓さん、一人で何度も上り下り。P5の下には藤内側の滑り落ちそうな斜面を登っている人が・・・。そこへは行った事がないけど・・・。もしかしてそこが滑り台?

しばらくすると若い二人がやってきた。「長野から来た。大阪の帰りにたち寄ったけど、硬そうでいい岩ですね。でも寒いですね。」彼はガイドブック「日本の岩場」を手に持っていた。
はじめてなのに3ルートをスイスイ登って行った。体の動き、足の置き方がとても滑らかでしなやか。相当ハイレベル。

我々はもう寒さに耐えられなくて帰ることにする。風邪をひきそうだから・・・。
北谷にはドングリがコロコロ転がっていた。木から落ちた実はもう芽を出して生きようとしていた。なんて強く逞しいのだろう。
登山口に戻ると菰野富士の上に箒で掃いたような雲。北風と一緒に飛んできたのかな?
温泉に入ってあったまる・・・。生き返ったよ。

この日、北アルプスは大荒れ。あちこちで雪が降ったようだ。




2009年10月12日 はれ

下の駐車場がいっぱいでトンネル上に止める。登山口でAさんにロープを持ってもらう。重いので助かります・・・。
小屋では、先週の滑落事故の話でもちきり。前尾根テストストン前の一壁ルンゼでのこと。どうやら私が滑り落ちたのと同じ場所らしい。
クライミングを終えての降りで、テストストン前まで滑落しヘリで運ばれた。もうダメとか思われていたが数日で退院できたとか。
やはり岩登りの事故は気が緩むのかクライミング前後のなんでもないところを降る時に多いようだ。自分でも何度も体験してよくわかっている・・・。気をつけよう。
前尾根は少し色づいた。


2ルートをはじめてリードする。カラビナにロープを掛けるのに結構力がいる。上でルベルソを使って引き上げるのが遅い。腕力がないので登る速さに手繰るのが追いつかない・・・。

右ルート。
レンガのように四角く出張った岩からスタート。たしか前回、Kさんに細かく教えてもらった。その前は中ほどでガバに届かず止まってしまった・・・。足を少し上げよう。小さなスタンスに乗るとガバに届いた。「やったー。」
立ち止まることなく右上してレイバック。終了点手前で直上したいが滑る。このあたりホールドもスタンスもあまりないから私には無理・・・。右に回りこんで何とか登るが最後が難しい。

人工ルートではハングした岩をトラバースしている。前尾根にはP4藤内側、P5手前岩の藤内側、P7の藤内側など上級レベルの今にも滑り落ちそうな斜面を登っている人がいる・・・。

私は、降りで滑落しないように、慎重に一壁ルンゼを降りた。





2009年10月19日 はれ

登山口7:30〜一壁(8:30〜12:00)〜登山口13:15

前尾根の紅葉は濃くなった。バットレス上、鏡岩辺りまで赤い。
P7に取り付いた人数名はルートを捜しているようだ。ギザギザ岩上リッジの藤内側を行こうとしている。相当苦労していたが降りて出直した。こちら一壁には誰もいなくて貸切状態。

3ルートから。
やはりいつかのように手がかじかんで首筋であたためながら登る。この後、リードする為、カラビナを掛けたままにして登る。終了点からの降りは何処にも確保されていないので慎重に歩く。先週ここでスリップした・・・。

二回目。
緊張しながら登る。カラビナにロープを掛けるのが重い。上に進んでも腰が下に引かれるような感覚。腰が重い。時々必死に引き上げながら進む。

終了点。
自己ビレイを二箇所で取りアンカーをセットする。ルベルソに掛けて手繰り寄せるのが重い。振り分けずに足元に置くが、腕力のない左手がつらい。
でもどうにかできた、3ルートのリード。次回はカラビナも自分で掛けよう。


右ルート。
レンガ岩に乗る。中ほど、行き詰ったガバへは小さいスタンスに乗って足を上げると左手が届いた。しばらく右上してレイバック。左に戻る感じで上る。最後、直上するもスリップ。ホールドもスタンスも少ないのでやはり今日も右にトラバースするルートで。私にとって、ここは最後が核心部。何度も練習すれば慣れるかな・・・。

滑落事故現場一壁一ルンゼは慎重に降ろう。

駐車場に戻り、車のドアに手を掛けようとすると背後に何か動く影・・・。振り返るとアサギマダラがヒラヒラ!まるで「こんにちは。」て挨拶しているみたい。
今年は御在所で見ていなかった。わざわざ会いにきてくれたような気がしてうれしくなる。弾んでいるようなはしゃいでいるようなその飛び方が愛らしくて、蝶から目が離せない。一つのことに心奪われると他は何も考えられない不器用な私。たぶんほんの短い時間だったのだろうが、写真撮りたかった・・・。
10月半ばでまだ渡らないのかな?それとも渡りの途中かな?今日御在所へ来なければならなかった理由がちゃんとここにあった。アサギマダラに会えてハッピー!


         トップメニューへ
inserted by FC2 system