一壁

        1212m (三重)
GOZAISYO

2010年6月12日 曇り時々晴れ

P7:00〜(裏道)〜一壁(8:30〜15:30)〜(裏道)〜小屋16:30〜P17:00

登山口でパトカー二台。最近御在所で遭難や事故が多いので、気を付けるようにチラシを配布される。「今年で七件、この六月に入って四件、うち二人死亡」

今日は睡眠不足で体が重い。事故を起こさないようゆっくり歩こう。
予報は晴れだったが、藤内はガスっていた。
足元の岩も濡れている。いつか滑落事故があった一ルンゼを慎重に登る。
一壁に着いたが、目の前にはガス湧きあがる暗い国見岳と前尾根。

今季初めての壁。先生の新しいロープは目も覚めるような青。今日はダブルロープで。


3ルート。
下部の岩壁は霧に濡れている。チョークがつけてあってわかりやすい。垂直岩のことをすっかり忘れてしまっている。緊張して一歩一歩。

左ルート。
ハングから上は、ロープが直角になってうまく流れないので細かく支点を取っていくようだ。
そのハング越えが核心。思い切って外に出て乗り、左にトラバース。次のレイバックがうまく乗れない。終了点手前のレイバックはうまくできて楽しい。
ダイレクトを登る若者さん。山靴で口笛吹いてルンルン。がっちりした体格だが綺麗に楽々登っていった。

右ルート。
レンガみたいな四角い岩からハングを目指す。ハングを超えたらしばらくで右上する。左ルート同様難しい。

再び左ルート。
やはり初めのレイバックが登れなくて立ち止る。右の方へ、小さく足を上げていく。左上のガバに届いてやっと登れた。

3ルート。
今度はツインロープで。二本のロープを一本の様に扱う。
先ほどよりは速く登れたが、腕が疲れてきた・・・



霞んでいるが、前尾根P5フランケ藤内沢側ルートをのぼっている人が見える。その上のすべり台も圧巻。ここからみるとケルンみたい。まったくの垂直壁だ。


P5フランケの人がすべり台てっぺんまで行った。

ガイドさんは壁のどこにいても動きが軽い。どうしたらそんなに力が抜けて楽に歩けるんだろう。どこにどんなホールドがあるかということとムーブすべてが体と頭の中に入っているからだろう。

体力がない。足も疲れてきたので、今日の練習はここまでとする。でも五本練習できたのは今までにないこと・・・


相方はさらに右ルート。
取りつきは離れているのに、ハングで、左ルートと出会う。その後、並行して登っていく。

若い人が一の壁フランケ人口ルート?をトップロープで練習。登っているのをあまり見たことがないルートだ。藤内壁を知り尽くしたガイドさんは岩がもろくて危ないと声をかけている。「崩れたら下の人も怪我をする」(我々のことだ)



果敢に?相方はダイレクトにも挑戦。このルートはハングあたりの岩が剥がれて、以前より難しくなったそうだが・・・
終了点までの距離も一壁の中で一番長いようだし、登り応えがありそう。

体重が重いからか?力強い登り方。
ハングも立ち止まることなく進んでいる。安定しているが力みが入りすぎ。無理ないよ、きっとすごい高度感だろう。持久力も必要だから、前半の元気なときに練習したほうがいいよね・・・


25年以上岩に通って一度も落ちたことがないというTまさん。「足の親指にどうやって全体重を掛けるかが課題」 素質はもちろん、登る姿勢、のめり込み方がけた違い。練習量もすごい。

それ以上経験豊富なKさんからも岩登りの話を伺う。「登るのは足が9割。残り一割は手。落ちると顔を怪我するので、とっさに手で壁をつっぱるという練習もするといい」「バットレスも3ピッチまではアブミを使わずに普通に登れる」

Hさん夫婦、体重が増えたそうだが、技術やバランス感覚は研ぎ澄まされて別格。静かにそっと一点に乗る姿勢が美しい。「穂高や剱岳の岩ばかり行っているので表銀座とか行ったたことがなかった。去年はじめて後立山を歩いた」岩登りの人ってのめり込んでしまうのかな?

さきほどの楽々ダイレクトさん。トップロープで人工ルート?を登っていった。ハングが難しそう。果敢に何度もトライ。登れた!


ダイレクト初体験の相方が降りてきた。達成感もひとしおで「最高に気持ちいいー」と叫んでいる。屏風でも行った気分?
「長い壁を次々クリアしていかなければならないので、岩に集中して、何も考えていられない」

天候が回復して、何日分も練習できたのでよかった・・・

小屋。
私がこわごわ前尾根へ行った頃、よくお会いした女性と再会。きゃしゃでどこか男性っぽい雰囲気。平気で岩場を歩く姿が眩しかったけど・・・。それが岩はとっくに卒業して、今夢中なのは自転車とか。のんびりやさんはやっと岩に慣れてきたばかりだというのに。この違いはなんだろう・・・

明日も晴れたら、やっぱ前尾根かな・・・

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