国見岳・御在所岳・鎌ケ岳  
     1170m  1212m  1162m
(三重)


2006年5月14日 くもりのち晴れ

旧料金所P7:10〜(中道〜裏道)〜藤内小屋8:00〜岳不動8:25〜国見尾根8:50〜揺るぎ岩、獅子岩9:20〜国見岳テラス9:50〜朝陽台10:20〜望湖台10:55〜鎌ケ岳(12:40〜13:30)〜(長石谷)〜長石谷登山口15:10〜P15:30

Oさんが国見尾根から鎌ケ岳に行くというので一緒に。藤内小屋まであちこちに白いチゴユリ。あまり目立たない。バイカオウレンの種になったもの。ササユリらしき葉も見られる。
道には新芽が出た時落ちるとか言うカシ?の葉がいっぱい。登山道は落ち葉道。


小屋に着くと愛知労山の登山学校生約20人。「前尾根で岩登り。60歳台の人も何人かいます。どうですか?」と登山学校を勧められる。
沢に入ると昨日の雨で水量が多い。アジサイのようなオオカメノキの白い花。ヤシオ尾根からの合流地点ではシロモジの新緑が空を覆っている。岳不動前にはケイリュウタチツボスミレが群生。ネマガリダケの竹の子があちこちに出ている。

何年ぶりだろうこの道を登るのは。山を歩き始めて間もない頃よく来たけど。まだ本谷も藤内沢も知らなくて御在所岳のことが良く分からなかった。唯一ここだけがお気にいりだった。静かで、急登があってザレ場はアルプス的で・・・。藤内壁を見ながらの尾根歩きが良くて。揺るぎ岩なども格好いいし・・・。その後のリョウブや躑躅林を歩くのも好きだった。
そして国見岳の岩場を「お座敷」と呼びそこから御在所岳を眺めるのが最高で・・・。帰りは中道を降りるのが精一杯だった。まだ体力がなくて・・・。


数年前を思い出しながら滝の上にあがると、ザレ下の大岩左手に国見尾根から崩れ落ちたような岩石。谷になっている。崩れたのは最近のようだ。ガレ場を登るとヤシオ尾根に続く新緑のハライドが見降ろせた。どことなく春霞。
国見尾根のアカヤシオはほとんど見当たらない。咲いたものは昨夜の雨で散ったのかな?蕾が時々。
木々の芽も固い。春まだ浅い四月のような感じ。国見尾根は陽があたらないし、気温も低いようだ。風が冷たく寒いのでジャージを羽織る。
揺るぎ岩獅子岩に到着。
岳不動下から写真を撮りながら、先になり後になりしていた方。地面に寝転がったりして写真を撮る姿勢が本格的。
「グーグルで山野草を検索すると一番に出てくるC大学。」のHP写真を担当して見えもう十年になるらしい。N山さん。その経験から「今年は一週間も十日も花が遅い。」とか。やはり遅くまで寒かったから?
自然観察指導員のOさんが言うには気温が急に上がると花や鳥は種の保存か本能的に花を咲かせなきゃとか鳴かなくてはと感じるらしい。実際三月に暑いような日があって鳥たちが慌ててなき出したのがよくわかったとか。
と言うことは寒いので花や鳥はまだ春と思っていないのかな?
山では、花や鳥や写真に詳しい方から、こんな話を聞けるのでうれしい。
目の前には御在所岳。山頂あたりに所々アカヤシオのピンク。揺るぎ岩から尾根や谷を見下ろせば緑が鮮やか。すっかり春色。国見尾根を登りつめ分岐へ。N山さんは国見岳へ。
我々は国見岳テラスへ。
スキー場の北斜面もアカヤシオがちらほら。峠からスキー場への道も行きたいが朝陽台のアカヤシオはどうなってるいるのか気になるので見に行くことにする。
国見峠周辺は笹が刈られていた。期待した山頂のアカヤシオはほとんど咲いていない。緑に包まれた鎌ケ岳だけが美しい。すっきり春の装い。
望湖台手前冠峰碑前にタテヤマリンドウが群生。今咲き始めたばかりなのか花びらの先がぴんと張っていなくてしわしわしている。調べたらこの花は太陽の光がないと直ぐつぼむらしい。又水にも弱いことがわかった。
鎌ケ岳への手前御岳神社の尾根はアカヤシオが咲き始め。遊歩道でオオカメノキの白い花。
O川さん、木につくキノコを見せてくれる。茶色でわかめみたいにフニャとしている。これキノコなの?
望湖台。
風がきつい。雨乞岳は薄緑色。三角点で草もち一個で小休止。ここには先週ハライドで見たフモトスミレが群生している。米粒くらいの白い花をいっぱいつけている。
東屋手前や少し先のシロヤシオの木の下にはタテヤマリンドウの群生。日当たりがいいからか色が濃い。青が多いがその中に白に近いものや紫もある。
武平峠への道でキランソウ、フモトスミレ、四枚くっついたようなツクバネソウの葉などを見る。知らなかったのに通りかかった方が教えてくれる。
そしてこれも先週見た美しいピンク色の「シハイスミレ」。あちこちに。こちらも覚えたばかり。
天指し岩から見る鎌ケ岳とその尾根道は萌黄色。萌え出した緑が優しい。
武平峠。
越えると今度は御在所岳が薄緑の若葉色。昨年紅葉に感動した峠に近い裾模様部分だ。


展望台。
冬樹氷が美しかった谷は緑が萌え出している。雨乞岳も若草色に覆われて来た。時々陽が射してその緑が光りに映える。
黄色いバッジをつけた高齢のツアー登山者三十人ほどが降りて来た。やはり鎌ケ岳は人気の山だ。
山頂手前右の大岩へ。
ここで新緑の御在所岳を独り占めする。鎌ケ岳山頂は足の踏み場もないほどの人・人・人・・・。
その人をかき分けて進むと「Iさん。」と呼び止められる。碧南のI島さん。霊仙山に行こうとしたが、昨日の雨で谷には水が多いだろうと御在所岳へ変更。武平から登り、下りは三ツ口へ。
「何処から来たの?」「国見から。」と言うと「元気だな。」
人に言われてそうか今日は御在所岳からじゃなかったんだとはたと気づく。国見岳から鈴鹿三山を歩いてきたのだった。時間がいつもより遅いなとか思っていた・・・。
でもスローペースで来たから余りえらいとか感じなかったけど・・・。
パン一個。紅茶。トマト。飲むヨーグルト。
山頂南端の木にシジュウカラ?胸元の黒いネクタイが目印。目の前で囀る。ここは特等席。
東に綺麗な緑色のキララ峰。入道ケ岳、鎌尾根の山の色も美しい。淡い緑。先日宮妻峡から来た時とは又山の色が違っている。刻々と変化している。山の端を見ても夏によく見る蒼いような紺色ではない。全山緑に染まっているのだ。
岳峠。
ここも萌黄色の世界。
夫が珍しく腰が痛いというのでここでシップ。ストックをついてゆっくり歩くように言う。


長石谷は新緑が眩しい。中ほどでシャクナゲ。チャルメルソウ。少し下で初めて見る薄青色の小さい花ヤマルリソウ。名前のとおり瑠璃色。その透き通るような蒼に魅せられる。そしてイワカガミの群生。
犬星の滝。
今日は水量が多い。
これも今日初めて見るブナの新芽。ほとんどが成長せずに枯れるとか・・・。なんか声援を送りたくなって「頑張れ。」と囁く。
他にウラシマソウ、ネコノメソウ。ちょっと汚れたようなヤマジノホトトギスの葉など。
その下に水が多い時だけひらがなの「く」の字滝になるところで「イワザクラ」を探す。
種が付いているものがあるけどなんか違うような・・・。見つけられなかった。残念・・・。
替わりにイワタバコの葉があちこちに。こちらはもうじき花を付けそう。
来年は絶対見たいなイワザクラ。川原に何かの印か置き石。
登山口あたりの山肌は濃い緑。すっかり夏色だ。


腰の痛い人はさっさとおりて何処にもいない。一の谷茶屋で花が十数個ついて垂れ下がる薄黄色のウリハダカエデの花を見つける。舞妓さんの鼈甲のかんざし見たい。
このあたりで山を仰ぐ。御在所岳は新緑に被われとても若々しくすがすがしい。
スカイライン道には薄紫色の藤の花。温泉街では白いウツギの蕾(卯の花)が目にとまる。
千草あたりでは麦の穂が少し黄色く色づき始め、それが風に波打って海のよう・・・。麦秋も近い。
国見尾根では「春まだ浅い。」と言う雰囲気だったのに里は初夏。大雪にはしゃいでいたのがつい昨日のようで・・・。ただ季節の移ろいに驚かされるばかりだった。

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