鎌ケ岳  
       1162m
(三重)


2007年2月24日 晴れ

P7:00〜地蔵岩7:30〜(中道)〜朝陽台8:45〜望湖台9:10〜武平峠〜鎌ケ岳(10:40〜11:00)〜(左俣)(11:10〜11:40)〜(三ツ口谷)〜三ツ口大滝12:05〜堰堤12:22〜ダム12:28〜P12:50

千草あたりで東の空がオレンジ色に染まる。朝焼け。グリンホテル前信号で真赤な朝日が顔を出し始めた。こんな瞬間に出会えるなんて・・・。とても厳かな気分。
御在所岳も赤く染まる。広場の水溜りには氷。
地蔵岩。
岩は乾いているが風がきつい。冷たい硬い岩に触れると手が冷たくてじんじんする。周囲はもやっとして春霞。見下ろす大地の薄緑に春を感じる。
着地。
左手の肘を伸ばし、体を右に振る感じに体を伸ばすと一回で降りる事ができた。
テラス。
風がきつく冷たい。ここからは残雪が多い。硬い雪と氷。硬い雪を蹴って、乾いた岩を選んで乗る。



富士見岩を仰ぐ右カーブから先週行った大黒岩を望む。すぐ下にはそのままの残雪。
富士見岩下のクサリ場。
久しぶりに乾いたスラブを歩く。山頂の白い御嶽山が養老山脈の上に浮かぶ。
上のテラス。
「ゴルフ場の近くの池が凍っている。」のがはっきりわかる。
雪融け水が藤内沢に落ちる岩場、今日はガチガチ氷。乾いた岩を見つけて足を広げ体を斜めにして通過する。面白い。
後尾根からのロープあたり。
半透明氷と岩を慎重に選びながら歩く。硬い雪を蹴り込むが一点に乗れない時があって数回滑る。脇の(氷よりは)柔らかい雪を蹴り込んでステップをつくる。
富士見岩。
「御池岳にほとんど雪が見られない。」
朝陽台。
休憩所から林の中の硬い雪を歩く。
スキー場上部の雪が融けてしまった。下のほうにはまだ残っている。
寒くて手がかじかむ。顔も冷たくて口の回りの筋肉がこわばる。これは冬の感覚。今年はこんな感覚を味わったのはほんの数回だった。
望湖台。
雪が少ない雨乞岳をのぞむ。雪チョッピリの雪庇尾根を歩く。記念碑までの林歩きは笹が起きて無理。あずまやから振り返れば笹ばかりの望湖台だった。
峠道。
所々に名残の雪。春の陽射しを受け、乾いた岩を颯爽と歩くつもりが、冷たい風に顔が凍りそう。寒い。風邪気味なので時々咳をしながらただひたすら歩き続ける。この風にも過ぎ行く冬を感じながら・・・。
展望台。
鎌ケ岳左俣あたりを眺めていると目の前の谷からケーンと言う鹿の鳴き声。悲しそうで、子鹿が母を慕うような甘えた声にも聞こえる。谷間を移動する間ずっと鳴いていた。
源頭部。
谷上部の雪は消えた。鎌ケ岳山頂から派生した尾根や谷にも全くない。岩があらわ・・・。
山頂直下ガレ場で今日はじめて人に会う。修理されたらしいスパッツのガムテープが目に止まった。
左の岩場から右の大岩へ。はじめて何も考えずに取り付く事ができた。さらに私の岩へも。
南面は暖か。陽射しは明るく柔らかでここには冬はもうなかった。風邪のせいか食欲はない。カステラを頂く。


下りは尾根から。
緩やかな斜面を少し降りて大木を見上げる。笹に滑らないように歩いてここでアイゼンをつける。
雪は先週くらいの硬さでかかとが少し入る。ピッケルをしっかり刺してアイゼンを効かせて行こう。知らなかったけど、左手の斜面をトラバースする時も利き手を使うそうだ。
直ぐに最も急斜面と思われる馬の背岩の横を下る。垂直ではないかと思うほどの斜面。今日はアイゼンをつけたので恐怖感はない。氷のように硬い雪にアイゼンがよく効く。前のめりにならないように慎重に。
ひらがなの「く」の字の裏返しの曲がり角からはやや緩やかな斜面。さらにサクサク降りる。気持ちいい。谷の中ほどで右に少し高くトラバース。
ここ左俣は木漏れ日が雪面に樹木の影を落とす美しい白い谷・・・。
下部で、先週降りた長石尾根からの谷を見上げる。そこからだと今日の全行程のわずか五分の一にすぎないようだ。
左に滝を見て三ツ口谷に降りアイゼンをはずす。谷から見上げただけではとても想像できない先ほどの谷の雪。


三ツ口谷には氷のオブジェがあちこちに。氷柱も。濡れているように見える岩の隙間の氷には乗らないように慎重に歩く。まだこの時間でも相当冷え込んでいる。
久しぶりに大滝前の道を降りる。滝の周囲が凍って綺麗。


ダム湖堰堤手前で御在所岳はるか上空に飛行機雲。春の柔らかい光が溢れた青空キャンバスに描かれた絵画、そして緑の漣と風に心あらわれる・・・。

冬と春のはざまの三ツ口谷、弥生三月がすぐそこに・・・。

     トップメニューへ
inserted by FC2 system