鎌ケ岳  
        1162m
(三重)


2007年6月10日 雨のちくもり。

P7:00〜(中から裏道)〜国見峠〜御在所〜武平峠〜鎌ケ岳〜(三ツ口谷)〜ダム〜P14:15

昨日に続いて今日も大気の状態不安定。大雨洪水雷注意報が出ている。
小雨。駐車場には一台の車もない。いきなりゴロゴロと雷。こんな日に御在所に来るのは我々くらいだよ。普通の人から見れば「狂っている。」
カッパ上下。雷が怖いので裏道から。傘をさして歩き出す。裏道分岐手前でガンピの花の蕾。
藤内小屋は静か、この天候に皆あきらめている。
ササユリの蕾は少し大きくなった。
ウサギの耳。
ここのも大きくなっている。雨は小降り。遠くで雷数回。
藤内沢出合でバットレスを仰ぐ。沢の水が滝のよう。こんな日の藤内沢は危険だろう。そのまま裏道を行く


ここから先は余り歩かないので(登りは多分数回)景色が新鮮。どこでも行けそうな広場に出る。いつかツアー登山が迷った所。やはり初めてならわかりにくい。
「リリリリー」とオオルリ。いい声にうっとりする。
6合目。
左に藤内壁前尾根を仰ぐ。どれがP4、P3の岩、ヤグラとはっきりわかる。今までは何処がどうとかよくわからなかったけど・・・。
前壁を仰ぐ。
大きいスラブ岩を歩いて目の前には前壁。
サラサの可愛い花びらに水玉。どんな宝石より綺麗で見とれる。タニウツギもあちこちに。
水田の緑と麦畑の茶色のコントラストが鮮やかな菰野の町が見えはじめた。雨は上がりそう。
時々登山道が真っ白。シロヤシオの花びら道。
沢を越えてスキー場を望むと真っ赤なベニドウダンが目に飛び込んできた。


そこから遊歩道にかけてはサラサドウダン、ベニドウダンの回廊。ミズナラの新緑も綺麗。
雨にあらわれた木々がみずみずしい。淡いベージュに見えるのはすべてサラサドウダンのようだ。
我々の後に裏道から一人。寒いのでそのまま裏道を降りるそうだ。朝会った登山者はこの人だけ。
朝陽台。
一瞬、青空、そして微かに鎌ケ岳。
軽く食事。レーズンパン、ミニトマト、さくらんぼ。止まると体が冷えて手もかじかんできた。ロープウエイで上がってきた観光客も「さむ。」と言っている。
ケルン。
国見岳の雲が取れ始めた。すっかり雨が上がった。
遊歩道から望む鎌ケ岳。下界の雲海がもこもこと。湧き上がる雲は光って美しい。遠く雪山のような雲も面白い。
望湖台。
上水晶の尾根もガスが流れて神秘的。白い木々が目に止まる。ヤマボウシかな?
峠へ。
ここもベニドウダン、サラサドウダン回廊。今日の主役はサラサ!黄色く見えるもの、赤く見えるものなど個性がある。


峠道。
下界の雲に見とれながら歩く。ふと鎌ケ岳を背景にタンナサワフタギの白い花。余り目立たないけど・・・。
耳を澄ませば鳥の混声合唱。
鶯、ホトトギス、オオルリ。そして雨乞岳の方から「カッコウ、カッコウ」の声。ここには静かでゆったりした時間が流れている・・・。澄んだ鳥の声に魅了され、心が研ぎ澄まされる。思いがけずすばらしい合唱が聞けて幸せ。たしか鳥が鳴き出すと雨があがるとか・・・。
西方に目をやれば青空に新緑の雨乞岳が美しい。東雨乞岳は優しく柔らかい薄緑。


ザレ途中で峠へ下る老夫婦。なんとも足元がおぼつかない。すぐにザーという音がして男性が滋賀県側に数メートル滑り落ちた。ストックは登山道に。「大丈夫ですか?」と声をかける。奥さんが「大丈夫。」と明るく答えた。少し足が痛そうだがそれ以上落ちることなく自力で這い上がった。大したことなくてよかった・・・。
一歩を見誤ったか、膝がガクガクしたか・・・。
一つ間違えばはるか下まで・・・。これがアルプスだったらただではすまない。下りでは特に「確かな一歩」がどんなに大切か思い知る。

峠。
あんなに体が冷えていたのに暑くなってカッパを脱ぐ。


展望台。
ヤマツツジ、ベニドウダンの彼方に、雨乞、御在所。
新緑のシャワーを浴びながら鎌ケ岳へ。雨上がりの美しい緑に心弾む。木々の緑と時々覗く蒼空に魅せられて見上げてばかりなので首が痛い、そして歩くのも遅い。
ヤマツツジの水玉。みずみずしい。雨に濡れたヤシオの葉も美しい。


鎌ケ岳山頂。
手前の岩場から大岩へ。御在所は緑の美しい姿を誇っている。めちゃくちゃ爽やかで超気持ち良い。雲が流れて見え隠れする辺りの山々。イワツバメ?が飛んでいる。
南方に行けば三重県側はガスッて幻想的。誰もいない鎌ケ岳も珍しい。

尾根を降り始めると宮妻峡あたりから雲が湧き上がる。なぜか下界がとても遠くに見える。空気が澄んでいるとそう見えるのかな?不思議。大地は緑一色で綺麗。
山頂直下の岩場。
東方からの踏み跡を見つける。もしかしてこれが東尾根かな?
左俣手前尾根道。
山頂のシャクナゲが咲いた時、見つけたヤシオ幼木の斜面。その時ヤシオソウ草原とでも名づけたいように思ったけど・・・。その緩斜面に木漏れ日が縁取りある薄緑の葉を輝かせる。ここも綺麗。
シャクナゲは淡い緑の新芽をつけている。紫色のタツナミソウ。


日本庭園の岩場から三ツ口谷左俣を見下ろせばまだ淡い薄緑色。鎌ケ岳の雪が最後まで残る所だから新緑も一番遅いのだろう。
三ツ口谷のあちこちの滝はものすごい水量。ここでも木漏れ日が水しぶきを光り輝かせていた。滑りやすい大滝の上を慎重に降る。


ダムではモリアオガエルの卵。ソフトボールくらいの大きさで白い泡のかたまりがいくつも。
ダム下登山道でエゴノキ(チシャノキ)の白い花びら。山の家辺りではウツギが白い卵型の蕾をいっぱいつけていた。コアジサイも次々咲き始め、季節は夏へ移ろうとしている。その前に梅雨が・・・。
朝の雷や天気予報からはこれほど回復するとは予想もできなかった今日の天候。雨上がりの山に魅せられる・・・。空、雲、草木、水、光なにもかも美しい。
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