鎌ケ岳

        1162m (三重)
KAMAGATAKE

2007年12月1日 晴れ

P7:15〜(中道)〜朝陽台〜望湖台〜武平峠〜鎌ケ岳〜(三ツ口谷)〜P14:30

この数日、里にも紅葉前線が下りてきた。右に左に明るく染まった山々を見て早朝の紅葉ドライブ。真っ赤に輝く朝日。これはまったく冬の朝の情景。
温泉街辺りはいい色に染まっている。御在所の紅葉はこんな下に降りてきた。裏道登山口に車は数台。この時期に岩登りはしないよね・・・。12月だもん。もうすぐスカイラインも閉鎖になるし・・・。
先週の雪で「山の冬休み」に入った人が多いのか駐車場には一台のみ。目の前のカエデが色鮮やか。あでやか。
赤く染まる冬の御在所を仰ぐ。
歩き始めると風もなく暖か。まるで十月のような陽気。先週の雪に警戒して武装しているので暑い・・・。こうやって寒くなったり暖かくなったりして季節が進んでいくのだろう。岩に触れても冷たさが心地いい位。こんな日だったら前尾根行けたかな。
おばれ岩下の紅葉はいつのまにか終わっていた。

岩棚。
やはり温泉街あたりの紅葉が美しい。馬の背尾根の稜線はオレンジ色に縁取られている。

地蔵岩。
最初のスタンス、右足に乗り込んで左足は膝であがってしまった。右足に乗り込んでいない証拠・・・。下から女性一人。「今度挑戦します。」と言っている。

何回登っても身軽に行動できない私・・・。素質も何もないことはわかりきっているから「慣れる」こと。
冬の朝日に地蔵岩の影が上の岩棚の東斜面に映っている。夏には気づかなかったけど、太陽の高度の関係かな・・・。冬の陽射しだからこうなる?
子供の頃「影ふみ」という遊びがあったけど季節は今頃だったのかな。しばし「影絵」あそび。

キレット上。
階段が新しくなっていた。「バンセン」というもので横木が取り付けられている。久しぶりに左の凹角部を上がる。岩が乾いているから滑らない。キレットの見える岩からキレットを見下ろす。朝日に伊勢湾が光る。ネコヤナギのようなコブシの芽がいっぱい。

下のテラス。
静か。前尾根に人の気配はない。やはり12月に「外岩」に来る人はほとんどいないようだ。みんな暖かいインドアや、車で直ぐ取り付ける日あたりのいい南山とかで練習するのだろう。
葉がなくなった富士見岩の尾根はただ銀色。見下ろすとハライドの尾根下部に標識がある。南コブあたりかな?

富士見岩下。
クサリを持たずにイチニサンと足だけで降りることができた。今までできたのは数回・・・。


上のテラス。

割谷、鳥居道谷辺りから里への紅葉が鮮やか。澄み切った空にぽっかり浮かんだ雲がいい。
シロヤシオの木には赤い新芽と種がこぼれた抜け殻「ナッツ」だけが残されていた。
あってもないみたいに軽いふわふわ苔が剥がれて落ちていた。本谷や藤内の岩を覆っているあの綺麗な薄緑の苔だ。

富士見岩。
見下ろせば本谷下のほうがいい色。ここから見ても今日の一番はホテルドマロニエや向陽あたりの温泉街。さらに全山紅葉の菰野富士から里へも美しい。長い釈迦岳の松尾尾根もはっきり望める。先日の雪は何もない・・・。

朝陽台。
休憩所すぐ下の遊歩道脇に先週の残雪。今季初の御在所の雪を足裏に感じる・・・。

遊歩道の雪と氷は消えた!標高の低い御在所はこうやって融けてしまうけど、標高の高い山では融けずにどんどん雪が積もるのだろう。

広場。
日時計に少し残雪。先週大きくなっていた人工氷ばくも融けた。

望湖台。
雪の消えた尾根が美しい。木々の枝や幹が日の光に銀色。先日降りたイブネの南東尾根はまさしく南東に突き出ていた。その下の愛知川あたりの紅葉がまだちらほら。
木の葉がないので国見岳の尾根がはっきりのぞめる。東に荒あらしい国見岳も西面はこんなになだらか。そこに重なるように釈迦の尾根もなだらかに伸びている。冬は山の起伏がよくわかる。

峠道。
振り返ると記念碑や御岳神社裾に笹の薄緑がきれい。雨乞岳も淡いうす緑の衣装。


鎌ケ岳山頂。
陽射しはやわらかで温かい。風はほとんどなく穏やか。耳あてとカッパ上衣を着る。
冬用化繊のTシャツだったが今日は暑かったので汗をかいた。「汗をかかないように歩く。」といつかH谷さんに言われたがなかなかうまくできない。
紅葉で薄赤に染まるキララ峰がきれい。先日歩いた入道新道の尾根はとても長くボリュームがある。入道岳で一番長大な尾根かな・・・。
目の前の小さい三角のピークがイワクラ尾根。その右のなだらかな谷が奥ノ谷。ここから見ても緩やかな傾斜だ。
熱い紅茶にホッと一息。ジャムパン、茨餅、飲むヨーグルト、みかん。 行動食は飴とスポーツドリンク。夏ほど水分を取らないので意識して飲むようにしないと・・・。
キララ峰宇曽利山からや稲森谷からよく来るという方と雑談。三ツ口尾根?から降りると言っている。日陰尾根のことかな・・・。


長石尾根から三ツ口へ。
尾根を降りてすぐの岩場。よく似た形の入道岳とキララ峰。元は一つで宮妻峡に切り裂かれたような形と勝手に想像する。ここからの風景が好き。
シャクナゲが生き生きしている。葉のウラは濃い緑の表とは対照的に茶色。裏表がこんなに違う葉っぱも珍しい。日本庭園から少し降りた地点で、左に左俣への斜面を見下ろす。

草原から左に三ツ口へ。
暑くてカッパ上衣を脱ぐ。
谷に降りると落ち葉がきれい。川の水にくるくる回っているのもある。岸にも赤や黄色の葉がいっぱい。その枯れ葉をサクサク蹴って落ち葉歩き。雪を蹴るのにも似た感覚で、超気持ちいい。黄色や茶色の落ち葉の中に赤いモミジがきれい・・・。


時々枯れ葉がはらはらと舞い散る。秋の陽射しに輝きながら・・・。楽しそうな淋しそうな舞い・・・。
谷の白い岩に黄色の落ち葉。「今散ったばかりです。」と言っているよう。



ダム湖へ。
御在所が晩秋の光に輝いている。
大黒岩はどこだろう?
光るゴンドラが一度消えて再びこけしのような岩の左から現れる。その岩がそう。それまでは後ろの屏風岩と重なってよくわからないがゴンドラ通過のその瞬間だけ、はっきり大黒岩とわかる。


三ツ口の小滝。
水が少ない。枯れ葉が滝下に降り積もっている。
ダム湖面には白い雲と青空と、舞いおりた枯れ葉が揺れている・・・。
上から見下ろせば、急にさざ波がうちよせて湖面はレースを敷き詰めたように真っ白になった。さっと元の緑の湖面に戻る。それはまばたきするほどのほんの一瞬、風と水が織り成す神秘的なシーンだった。


ダム湖下では落ち葉が水面にくるくる回る。きれい。あたりには山吹色のコアジサイ。そして今まで気がつかなかった小さい植物も色づいている。賑やかで明るい晩秋の山道。いい気分。


圧巻は駐車場のカエデ。午後の光に目の覚めるような金色!何もかも神業、美しすぎる。
山を歩いてこんな綺麗な美しい紅葉に出会えて幸せ。
御在所の神様と先生に感謝しながら山を降りる。


山頂から美しかった温泉街は「どんなだろう。」と行ってみる。三滝川沿いをモミジが彩っている。白い花崗岩に赤や黄の鮮やかな木々が映える。
大石公園あたりも見事。さらに上の温泉最奥駐車場まで続く鮮やかな紅葉。それはまさに「宝石箱をひっくり返した。」ような美しさ。御在所にモミジがこんなにあったの?と驚く。


今まで温泉街へはスカイライン通行止めの時期しか行った事がなかった。
遅いけど、今日、一年で一番美しい(別格の冬を除いて)御在所の裾模様「湯の山」を知りました。


拾い集めた木の葉を並べる。濃い赤、オレンジがかった赤、薄黄色、黄色、山吹色、みんなそれぞれ綺麗・・・。
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