鎌ケ岳

        1162m (三重)
KAMAGATAKE

2008年3月8日 くもりのち晴れ

P7:15〜(本谷)〜御在所9:20〜望湖台10:10〜鎌ケ岳12:00〜(三ツ口谷)〜P14:30

新雪はほとんどない。スカイラインを歩きだすと雪がしまって硬い。これなら本谷もいいかも。

谷に入るとミソサザイが春を告げてくれた。

不動滝。
念のため、ここでアイゼンをつける。一枚岩はさくさく雪階段で楽々登れる。

バンドのような岩。
ここも固い雪の足場ができて雪階段を真ん中から。

大黒滝。
下部だけが凍っていた。トレースは滝上のV字谷をつめている。そのまま登っていくと三角岩下で雪がない。以前ザイルを使った事がある岩だけど上がれない。
戻ろうかと思ったが雪があるので左から巻くと登れた。數こぎ気分。その後のくぐり岩横岩も雪の階段で楽々。この辺りから少し雪がしまってきた。
辺りは薄暗く本谷らしい・・・。


朝陽台へ右折。
普通に緑の鉄塔から行くのかと思えばトレースは谷を直登していた。結構急斜面だけど・・・。
無雪期には絶対歩かない歩けない谷。雪がある今日だからこそ歩ける・・・。
先日メールをいただいたUさん。本谷上部でラッセル。久しぶりに雪山を楽しんだとあったけど・・・。
多分このトレースはバリエーションルート好みのUさんのだろう。有難く使わせていただく。めちゃくちゃ急登。トレースが使えると楽で速い。とても御在所にいるとは思えないいい気分で朝陽台へ。


遊歩道を行く。脇の雪に乗るとはまり込まない。コクイ谷もいいだろうか?でも人が入っていないから時間がかかるかも・・・。元気に駆け回る男の子を連れたお父さんと一緒に広場へ。

休憩所前で小休止。
ガスッて天候がイマイチ。ソリ遊びの子供も登山者も誰もいないし、来ない。ロープウエイが止まっているのかな?
今日の峠道の雪はどうだろう。行けるかな?二週間前の大雪に弱気になっている私。

望湖台。
記念碑へもはまり込まない雪が気持ちいい。


峠道。
日陰の柵は上の手すりも見えないほど埋もれている。日が当たる場所では以外に雪が融けてしまった。思ったより少ない。鎌ケ岳への上りは雪がどうなっているのだろう。まったく雪の予測がつかない私。先を見通すことが出来ない・・・。

武平峠。
アイゼンを峠ではずす。ここまでもまったくいらなかったが、はずすのが面倒でつけたまま歩いた・・・。
峠からは大きい雪庇が残っていた。
三ツ口谷を見下ろすと源頭部までしっかり雪に埋もれている。岩や土なんか何にも見えなくて真平らに白いばかり・・・。


鎌ケ岳山頂。
雪庇がどんと三重県側に突き出している。え?ここは何処?
鳥居の上には1m以上の大きい雪庇。祠が何処にもない。
雪に埋もれた山頂は二段の雪山になっていた。下段に滑り降りて東の急斜面をのぞく。すっぱり綺麗に切れおちている。
それは私が待ち望んだ冬の鎌ケ岳の姿だった。どうやってこんな雪庇が出来るのかな?その大きさが吹き荒れた北風と雪の凄さを物語っている・・・。


そういえば先週は雪が多くて岳峠までで引き返した我々。多分武平峠や御在所からも人は入っていない。きっと今日まで誰も入らなかった、いや入れなかったのだろう。
風を避けて鳥居前で休憩。強風にOさんのパンがふっ飛んだ。東の急斜面の雪を滑って・・・。
いつかのようにここを降りたいけど、もう一度登りかえすのはきつい・・・。「お供え」ということにして・・・。

降りは三ツ口谷源頭部から。
頂上直下のしっとり雪を駆け下る。いざ源頭部へ。登山道すぐ下から降りて誰も歩いていない谷へ飛び込む。中ほどで丸い雪庇が出来てカールのようになっていた。ガレからの雪庇も大きく張り出している。足にまとわりつくこのしっとりさがたまらない。こんな雪大好き!
左俣出合に降りてもまだしっとり。誰も歩いていない雪原は荘厳な感じさえする。三ツ口谷の雪を独り占め!


時々日が射してくる。木漏れ日が白い雪面に樹々の陰を描き出す。綺麗。ここは何処と思うような神秘的な世界に惹きこまれる。
樹間からこぼれる一筋の光にも魅了される。雪と光と影の織り成す幻想的な美しさ。何の変哲もない風景が、光があるだけで美しい世界に変身する。
陽が差し込む度に繰り広げられる光のショーに異次元にでも迷い込んだよう。


大滝への道には降りず、巻き道を直進する。今日は堰堤下斜面も雪たっぷりで楽しい。


そしてダム湖。
空の蒼と、氷と漣と雪が眩しい。ここはもうすっかり雪どけ。輝きが違う・・・。光と風が春を運んで来ている・・・。
しっとり雪を楽しんでいる間に、季節は巡って春だった。
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