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鎌ケ岳へ。
雪壁がでかい。パワーが違う若い人達は楽々越える。四番目の私、雪が踏まれているのでどうにかついて行ける。今日はいつになく鎌ケ岳の雪が多いようだ。
急斜面も越えた頃「一番に行っていいよ。」美味しい所をプレゼントされました!
「私、こんな綺麗な所、歩いていいの?壊すのもったいない。」と思いながら足を踏み入れる。「キャホー。これ以上の雪はないよ!」しっとりなめらかな雪が足にまとわりつく。粘り気があるような雪ってこんな雪?うきうきわくわくしながら歩き続ける。いい気分。
掘割道が吹き溜まって通れない時は尾根に上る。小さい雪壁は思いきり足を上げて乗り越える。
今、通り過ぎたばかりの兎の足跡。爪跡がはっきりしている。一緒にはしゃいでピョンピョン。はしゃぎすぎて駆け出す人もいるけど・・・。
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二段の雪壁。
本日の核心部垂直雪壁登場。想像していたより「ちょっと薄い。」そうだ。まず一番に中ほどをTさん。私は左端。Oさんは右端。T尾さんは「残り物で!」
腰辺りまでの雪を、膝で押すとさくっと硬い。T尾さんの分も横取りして壁を越える。「やったー。」気分は最高!
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展望台。
手前に雪庇。ここにこんなのできたの初めて見る。展望台岩が雪に埋もれて真っ白。その雪庇越しに御在所をのぞむ。綺麗!
この先の雪が滅茶苦茶多いがその雪壁をかき分けて進むOさん。前方には真白き峰鎌ケ岳。山にゆっくり見とれている間もなく綺麗な風紋や雪庇が、次々現れる。雪は相変わらずしっとりなめらか。
でかい雪庇!こんなの今まで見たことない。写真を撮りたいけどただでさえ歩くのが遅いのでパス。今日は写真より何より雪雪雪!こんなにいい雪は一年に何度もないんだから・・・。
雪一杯の三ツ口谷を見下ろす。ここから見る限り鎌ケ岳山頂の岩場は変わっていない様子。掘割道に入らず、ガレ上の道へ進む。馬の背岩には左の枯枝から。
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山頂直下。
チムニーみたいに両足で岩壁を押す。雪がついていても体ごと岩に挟まれる感じで登れば滑らないし怖くない。
時間を聞けば「1時。」体力のなさに加えて雪に見とれているせいで峠から二時間もかかってしまっている。足手まといでごめんなさい。
右に大岩へ。
雪がついているし、風がキツイので岩へは乗れない。半年ぶりの鎌ケ岳山頂だ。目の前に銀色に輝く御在所。今日ここに来れて幸せ。もうずっとここにいたい気分・・・。
私の岩へ。
片足を乗せるが風があるので立つのは今度までお預けにしよう。そうだ祠のことをすっかり忘れていた。雪はどんなだろう。
神様は埋もれてしまった。鳥居の上の方だけが出ている。南方へ大きい雪庇がつながっている。笹は雪に隠れて鎌ケ岳はただの雪山。それは私が会いたかった冬の鎌ケ岳。
南に行けば鎌尾根も銀色。きっと私の為に今日その衣装をまとってくれたのだろう。美しい!
東は白いばかりの急斜面。ちょっと駆け降りてみたい・・・。そしてその先に広がるなんとものどかな蒼い大地。
あちこち歩いて鎌ケ岳山頂の雪を味わう。なんといったって一年で一番美しい鎌ケ岳だから・・・。
「鎌ケ岳の神様、とびっきり上等のプレゼントありがとうございます。」
山って、どんな辛いことも苦しいことも忘れさせてくれる。おおらかでどっしりとして・・・。やっぱり私は山が好き。
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降りは源頭部から。
今来たガレ場を駆け降りる。時々腰まではまる。出るに出られない時は慌てずに。「無理すると大腿骨骨折なんてことになるから。」とT尾さん。
去年私が落ちた辺りをあっという間に滑り降りる。もしかして生クリームみたいな雪ってこのこと?、私が知る限り三ツ口谷も最高雪質。
その後も何度も腰まではまったり、もがいたりの雪遊び。こんな楽しいこと知ってしまったらやめられないよ。
草原からは木にくくりつけられた「巻道」の看板どおりに進み、大滝へは降りずに直進する。ちょっと凍った滝を見たかったよ・・・。
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堰堤の上まで来ると、冬の光がさんさんと降り注ぎ明るい御在所。格好いい!
今日のおまけ。
堰堤下の斜面は雪いっぱい。ラッキーとばかり駆け下る。一番下の滝は埋もれて1mほどの高さになっていた。「ちいさ・・・。」
ダム湖も土砂がいっぱい、緑の湖水はなかった・・・。
余りにも速いペースに私はついて行けない。半年の休みで体力ガタ落ちだけど、今日、厳冬期の御在所、鎌ケ岳の雪を歩けて幸せ。もうほかに何もいらない・・・。
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