鎌ケ岳

        1161m (三重)

2009年2月14日 小雨のちくもり 強風

P7:00〜(中道)〜朝陽台〜武平峠〜鎌ケ岳〜(長石谷)〜P13:00

駐車場に車は一台もない。風がきついし、小雨も降っている。一度カッパ上下を着るが、雪がないからと思いなおして脱ぐ。一瞬だけ青空がのぞいた!
気温が高い。湿度も高いのか梅雨時のようにむっとする。雪は融けてしまった・・・。
岩棚で雨が降り出しカッパを着る。たいしたことはないようだ。辺りはガスッて何も見えない。夏のように汗が流れる。
残雪に足の置き場を考えながら歩く。「膝を伸ばして立つ」を意識しながら。
時々現れる硬い雪にはつま先を蹴りこむ。

富士見尾根下の鎖場。
先週の氷は小さく縮んでいた。上のテラスからは何も見えない。富士見岩直下の鎖場はガレを行く。今日は氷がなく濡れた岩場なので普通に登れる。




富士見岩からも何も望めない。トレースが黒っぽくなって回りの雪面より浮き上がっている。風で飛ばされてきた木の枝などがそれを縁取って面白い。
はまらない硬い雪を歩いて林をぬける。スキー場の雪は融けた。冬の間何日営業できるのだろうか?きっと数えるほどだろう。ソリ広場の雪を歩いて旧カモシカセンター前で軽くお茶。パン。
遊歩道の所々に残った雪を歩いて柵を右折れ。今冬は一度も直進していない・・・。ここにも浮き上がったトレースがあり、それに乗って歩くと沈まないので楽。
雪がなくなって高くなった柵を必死に?乗り超える。そこからの尾根にドーンとあるはずの雪がない。少ない雪にはまりこむ人がいるので私が先に。それもほんのつかのまで、普通に掘割道を歩けた。三重県側に大きく張り出していた雪庇も消えた。

峠道。
前を向いていると吹きつける風に呼吸ができない。息を止められる。顔を横向きにして深呼吸。「ふーっ。」峠手前の二段雪山はかまくらかスノーブリッジみたい。乗って・・・。

すぐの雪壁も融けて小さくなった。苦労せず普通に鎌ケ岳へ。でもこの登りがキツイ!
掘割道の中の雪に乗るとごっそり落ちこむ。そこから這い上がるのはとても疲れるのでしばしば尾根に逃げる。
展望台手前の雪壁、中ほどの融けたザラメ雪を蹴りこんで進む。気分がいい!
三ツ口谷の残雪を見下ろす。鎌ケ岳直下は岩とザラメ雪。やっぱり乾いた硬い岩を歩くのって最高!。

雪庇が消え、祠が顔を出した普通の鎌ケ岳山頂。
起きだした笹に風を防いでもらってお茶にする。おにぎり、パン、紅茶、ブランデイ入りチョコ。こんな日はおにぎりもいい。

長石谷を降りよう。
遮るものが何もないこの岩からの展望は半年ぶりだ。キララや大地を見下ろしいい気分。岳峠への降り道にべたべた雪。
うっすら鎌尾根が見えてきた。幻想的だ。左に折れて長石谷へ。しばらくで目の前に白はげへの尾根。残雪と笹の緑がいかにも春の雰囲気。
足元にも雪が出てきた。硬い雪!と、よろこんでそのつもりで行くとはまり込んだりすべったりと裏切られる・・・。



犬星滝。
少し陽が差しはじめ空が明るい。水量が多く水音がでかい。雪解け水だ。氷らしきものはどこにも見当たらない。凍った滝見たかったよ・・・。
人の気配で岩魚の動きが速い。やはり春。

川はゴーゴーと豪快な音をたてている。優しいせせらぎではなく激しい流れ。その音を聞いて流れを見ているとなぜか心が落ち着く。滝もあちこちにできている。どの滝も水が多くて楽しい・・・。




河原へ降りるあたりの大石と滝に光が射し込んで綺麗。この石は温泉街の大石公園のよりでかい。長石谷はあまり変わらなかったと思っていると道が削られそこに流れができ河原へ降りられない。

そして長石谷登山口へ。
「なんとなく明るい。」って降りて行くと橋がない。下流に赤茶けた残骸・・・。鉄橋が壊れるほどの雨ってどんなだっただろう。豪雨の爪跡がここにもあった。
白い岩ときめ細かい白砂の浅瀬で靴を洗う。明るい光が降り注いで陽射しは五月のよう。
峠道の強風に冬を、長石谷の水には春を感じる山歩きでした。一日で二つの季節を味わえるなんて贅沢・・・。

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