鎌ケ岳

       1162  (三重)

2010年2月13日 曇り時々晴れ

P7:00〜(中道)〜朝陽台9:05〜望湖台9:40〜峠〜鎌ケ岳(11:40〜12:15)〜(左俣〜三ツ口谷)〜ダム13:35〜P14:00

御在所からのつづき。

もっと雪を歩きたいのに消えてしまって、なんか物足りない・・・。

峠。
二段雪庇も雪壁もできていない。樹氷もない。バナナ、キャラメル。
鎌ケ岳へ足跡はないようだ。硬い雪がまた現れた!心弾ませながら登る・・・。

展望台。
ここから望む薄化粧の鎌ケ岳が美しい。白い左俣が呼んでいる・・・。

雪壁あたり。
壁はできていないが、しまった雪を登る。つま先を蹴りこんでT尾さんがささっと速い。「ここは力を抜いて反動で。」「そうかここは反動なのか。」言われてから気づく。聞いたこともどこでどう使うのか覚えられないし、ちっとも身に付かない困った人・・・。
それに蹴りこむのはどうしても力が入る。意識して力を抜こう。こんな雪は数センチ蹴りこむだけで安定するそうだから。

硬い雪の感触をつま先に感じながら登る。めちゃ気持ちいい!こんな雪大好き。



馬の背岩。
岩の雪が消えている。脚の長いT尾さんは楽々。短い脚の私はどうかな?左からとりつき右手で上のほうのガバを持つ。体を岩から離して・・・。右足で小さいスタンスを拾うように教えてもらう。「やったー登れました。」Tさんはまったく普通。登山道を歩くのとなんら変わらない。力が抜けている・・・。

青空がちょっと広がってきた。この辺りから鎌ケ岳のとげとげ樹氷が頭上に広がる。それはこれまで見たこともない鋭い氷の花。刺さったら痛そうだけど、触れるともろい。

振り返れば、粉雪まぶされた御在所にところどころスポットライト。樹氷越しにのぞむ蒼い山に見とれる・・・。



鎌ケ岳山頂。
スラブから、ルンゼを歩いて前尾根岩から大岩に立つ。足元の白い峰はさながらウエデイングドレス。長いドレスの裾が風になびいて前に横にひらひら。今日の白い世界は最高だ!

南に行けば、仙ケ岳のさらに南の御所平までが白く眩しい。水沢岳、鎌尾根も白いベールを纏っている。伊勢湾も蒼く綺麗。気のせいか水が二色に見える。川の水と海の水との境目がそう見えるらしい。
明るい春の光が降り注ぐ山頂で、海の青と白銀の峰
に囲まれて食事なんて最高の贅沢。カップ麺でもめちゃ幸せ!


降りはアイゼンをつけよう。
左俣へ大木目指して雪を歩く。ここはどこだろうと思うような白い林。写真を撮りたいが急なので我慢、通過。シャクナゲ林は笹が起きて雪が柔らか。膝まではまりこんだりする。

その後は硬くしまった雪。サクサクアイゼンが効く。急斜面なので、まっすぐに降るより、トラバースして。右に左にジグザグ降る。なんとなく左が苦手。歩きにくい。硬い雪はどこまでも続いた。



ちょっと岩が出たりして危ないけど、滑落訓練をしている人もいる。サクサクザクザク。超気持ちいい雪。気分はちょこっと北穂沢。
中ほどまで降りて、ふりかえれば白い林が見送ってくれていた。谷にはその後も雪たっぷり。


背後から光が届いて雪面に木の影がやさしい。この辺りからもう樹氷はない。沁み出した薄氷が岩を覆っている。ベルグラというらしい。


ベルグラをカッテイングしながらの講義?
以前は、アイスクライミング時、ブレードを使って氷をカットした。今は出っ歯のアイス用アイゼンがあるので使わないがなぜかそのまま残っているそうだ。

中ほどからは黒い林。滝の右斜面を駆け下り、三つ口谷へ。

谷から見上げると、黒っぽい。とてもあんなに雪があるとは思えない・・・。「こんなしまった雪なら登るのもいいかも。」

三ツ口の凍った滝で、氷のカッテング体験。シュピッツエ近くを持って、ブレードを軽く氷に打ち付ける。ストンと落とす感じだ。ここでも力任せにはしないで力を抜く感じで。デコボコした氷面を山靴に感じて自分が刻んで創りだした氷道を登るなんて、気持ちいいだろうな。

あちこちの滝の氷が融けていた。おまけは堰堤下のちょこっと雪。はまりこみながらも楽しく・・・。



山の家前では馬酔木の白い花が膨らみ始めている。もう春?


駐車場に戻って山を仰ぐ。青空が広がった。なんと樹氷は朝のまま、黒い岩肌を美しく飾っている。やっぱり、今日も来てよかった。最高に美しい冬の御在所に出会えたから。


翌日、筋肉痛。トラバースがこたえたらしい。やっぱり谷に落とされないと強くなれないのかな・・・。

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