鎌ヶ岳 

       1162 (三重)
2011年1月9日 はれ 

P7:00〜(三ツ口谷)〜鎌ヶ岳9:30〜武平峠10:45〜P11:40 

本谷から藤内沢の予定だったけど・・・昨日、三ツ口谷に置き去りにしたピッケル。待ちくたびれているだろうから早く迎えに行こう。昨日と反対ルートで。この時は、トレースもあるだろうからと甘い考えで。

スカイラインの氷道をつるつる滑りながら歩く。風がきつい。

堰堤上から見下ろすと、白い雪の上になんとなく・・・あった。あーよかった。

ダムから朝焼けの御在所を仰ぐ。
二人ほど歩いた跡があるので、三叉路で長石尾根へ出る。草原に出ると日が差してきた。あったか。お日様はなんて有難いのでしょう。凍った指が動きだした。ミニ餅一個。


見上げると青空に白い展望台が眩しい。

ここからは日陰になる。少し歩いてから、数年前、胸突き八丁でアイゼンをつけたことを思い出した。戻ってここでアイゼンをつける。再び出発。

この先の掘割道にトレースはなかった。風で消されて一面雪野原。腰まではまり込む。一歩がなかなか進めない。道がないので、木に巻かれた赤や黄のテープを捜しながら・・・

やっと日本庭園あたりに出た。背後に白い御在所が美しい。



胸突き八丁にさしかかる。
岩が隠れて、ただのさくさくした雪斜面。ここも腰まではまり込む。四苦八苦して、難関突破。左俣のシャクナゲ林が見えて来た。ふーっ。
岩場に出た。


前方に真っ白の鎌ヶ岳が、青空に聳える。見下ろせば、蒼い峰キララ。これは絶景だ。後から来た人一人。

左俣の白い大木が目に入る。頭の上には白い木々と真っ青な空。

直下の樹氷トンネルをくぐり抜ける。今度は冬の御在所全景が目に飛び込んで来た。雨乞岳もたおやかな白い峰となっている。昨日は全く見えなかったけど、こんなに綺麗だったんだ。



南の山も白く輝いている。風がきつい。
昨日と同じ祠前で、かやくごはんオニギリを頬張る。

武平峠へ降りよう。
昨日の登りは二時間弱だったけど、降りだから楽かな?またまた甘い考え・・・後から来た三ツ口さんも、御在所へ行く予定だと言っている。

山頂直下の雪を、二日続けて駆け下る。岩場で、今、源頭から登ったばかりという人が道を譲ってくれた。

所々、消えかけた昨日のトレースらしきもの。風がきついので源頭から降りたい・・・相方は峠まで行って御在所へ行くかどうか考えるという。

滋賀県側からの強風に吹かれる。寒くて痛くて目を開けていられない。顔が痛い。手も痛い。稜線のトレースはすっかり消えていた。


風紋が大きい。そこに背後から時々日が差して木々が影を落とす。美しい。雪庇もでっかく張り出して道をふさいでいる。相方はそれを踏み外し、しばしば雪に埋もれる。尾根から引き上げたり、風上の滋賀県側に回り込んだりする。

やっぱり源頭から降りた方がよかったなと後悔しながら、必死で雪を歩く。道ではなくて雪そのもの歩き。

前方に御在所のガレが見えて来た。峠はやはり吹き溜まりだ。上から見るとよくわかる。幾重にも積まれた雪庇が張り出しているし、掘割道は雪で埋もれている。昨日のトレースはあとかたもない。本気でここはどこ?と思う。

雪壁の上に出た。
どこからどう降りたものかと思案する。
少し登り始めて、あきらめた新しいトレースがある。これだけの雪を乗り越えるには相当の勇気と体力がいるよ。

峠についてホッ。膝ガクガク。足腰フラフラ。



御在所への登りは何時間かかるか見当もつかない。相方はまだ物足りないようだけど、私はもう十分。降りるよ。風がなかったら行けるけど・・・


目が痛い。温泉で見ると、冷たい強風にさらされた滋賀県側の左目外側が真っ赤。この後、数日間目薬をさし続けることになった。

厳冬期の御在所、風によって、雪の様子は刻々と変わる。昨日と今日とではまったく違う。甘い考えは通じない。
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