鎌尾根
    
1060
(三重)

KAMAONE

2005年4月23日 晴れ 

宮妻峡キャンプ場P7:15〜(入道新道)〜入道ケ岳9:00〜イワクラ尾根仏岩10:00〜水沢峠10:45〜水沢岳11:15〜(鎌尾根)〜鎌ケ岳(12:45〜13:30)〜(カズラ谷)〜P14:45

R306、湯ノ山街道を越えて右折れ水沢から宮妻峡へ入る。
新芽が美しい茶畑の道を行くと宮妻口バス停、もみじ谷。車中から水沢岳と鎌尾根が目に入る。
初めて訪れる宮妻峡は自然がそのままの綺麗な渓谷だった。静かで観光化されていないのがいい。
宮妻峡ヒュッテ。その先に10台ほどの駐車スペース。ここに車を止める。よく見ると左下に大駐車場があった。


入道新道への案内板通り、林道から左下キャンプ場に下りる。内部川を渡って入道ケ岳への尾根道を登る。
ぬるぬるした地質でシロモジらしい木々の間を行く。新緑とシロモジの黄色い花、紫のミツバツツジ越しに小さく鎌ケ岳が目に入る。
よく藤原岳で見たコバイケイソウの大きい葉やトリカブトらしき葉があった。
入道ケ岳山頂が近くなると馬酔木が真白い花をつけて迎えてくれた。その下にはキクザキイチゲのような白い花。
宮妻峡の谷の向こうに春霞の中、鎌ケ岳、御在所岳、釈迦ケ岳、ハライド、キララまでが見渡せるようになる。
山容が大きく格好いいキララ峰を見下ろす。南斜面には山桜が薄墨桜のような渋い色。



萌黄色の木々と馬酔木と背が低い伊吹笹の中を行く。とても気持ちいい。
どこか手入れされた公園にでもいるかと錯覚する広々した入道ケ岳の草原。北の頭からさらに広い山頂を馬酔木の花を愛でながら行くと鳥居が見えて入道ケ岳山頂。
東を見下ろせばしろかきの済んだ田んぼの水面がキラキラ光る。南面に行くと野登山や仙ケ岳、宮指路岳が目の前。
この山は360度見渡せる山だった。
改築中の奥宮から先は馬酔木の古木が多かった。
イワクラ尾根に入ると右側が数箇所ガレていたり木の根が出ているので慎重に歩く。


シロモジの黄色い花や淡いピンクのアカヤシオが尾根や谷を美しく彩っている。咲き始めのアカヤシオは濃いピンクで本当に可愛らしい。優しいイワウチワも可憐に咲いている。
先日の馬の背も花が多かったけど、この尾根も本当に花が多い。
重ね岩の先に、三角の岩が見えてきた。あれが仏岩かな?
岩からの展望は最高だった。宮妻峡の美しい谷と今から行く水沢岳から鎌ケ岳や、キララ峰までが一望できた。
尾根や谷に淡い優しいアカヤシオ、萌黄色の木々、うす緑と薄茶色の柔らかな世界。
生命力溢れる大自然を独り占めする感じ。谷から心地よい風を感じてこの美しい萌黄色の世界に浸る。
し・あ・わ・せ・・・



宮指路岳への道を左に分けて右折れ。今来た岩峰のイワクラ尾根と入道岳を振り返る。
先ほどの三角形の仏岩がどんどん遠くなる。明日にでも咲きそうな蕾のアカヤシオがあちこちに目立つ。
水沢峠に下りていよいよ急登だなと覚悟する。登り始めはさすがにきつい。それはつかの間で長くは続かずすぐ緩やかな登りになる。水沢岳山頂。

北面花崗岩のザレがとても明るく白くいい感じ。なぜかこんな岩場が好き。
そこから望む鎌尾根の衝立岩、御在所岳、鎌ケ岳がアルプスのようだ。
特に少しずつ迫り来る鎌ケ岳が魅力的。近づき過ぎると崩落部分が痛々しい。
以前から鎌尾根を遠くから望むのが好きだったけどここを歩くのは又格別。
宮妻峡を見下ろすとコブシが白かった。雨乞岳も美しい。



時間が遅いからか静かな鎌ケ岳山頂。
数年前、椿神社から縦走した時は相当しんどかった。余裕もなかった。
でも今回は違う。心地いい。エネルギー溢れる春山を愛でる余裕がある。
鎌ケ岳を目指し歩き続けた六時間は新緑と躑躅に魅了された美しい時間だった。
山頂から見下ろせば馬の背尾根はアカヤシオで見事にピンク色に染まっている。
南面は今来たルートがアルプスのよう。自分が歩いて来た山なみを満ち足りた思いで眺める。熱い体に冷たいトマトがおいしい。
岳峠から初めてカズラ谷へ下りる。この谷から見上げる水沢岳は迫力があった。
沢歩きと思い込んでいたカズラ谷は歩きやすい尾根道だった。しばらくして水場があらわれ、左にカズラ谷の瀬音が聞こえはじめる。
下の方で今年はじめてのイワカガミ。咲き始めの濃いピンクが可愛い。


滝を仰ぎ見て川沿いに行くと林道に出た。目に痛いほどの新緑と山桜。右に行けば水沢峠。左に折れて駐車場へ。


今年は雪が多かったせいか桜の開花が遅かった。それと関係あるのかどうか分からないけど、山の花も花という花全てが一斉に咲きだした感じがする。
厳しい冬を乗り越えて咲くけなげな花々。その美しさに愛しくなって胸が熱くなる。
「今が全て」とばかり命を燃やしているように見える。
どの花も花数の多さと美しさが際立っている。躑躅の花がこんなに美しいことも今まで知らなかった。しっかり見ていなかったから・・・
今日の鎌尾根ルートは、美しい新緑と光る風の中、馬酔木、コブシ、ミツバツツジ、アカヤシオ、イワウチワ、イワカガミ、山桜など春の花の大饗宴。
その上、手付かずの自然が雄大で歩き応えがあってアルプスみたい。とても魅力的なコースだった。
秋にも又歩きたい。
私の中で鈴鹿で一番好きなルートになりそう・・・


トップメニューへ
inserted by FC2 system