涸沢
      2309m
(長野)

KARASAWA

008年5月3日 晴れ

2日自宅22:00〜3日平湯1:30(車中泊)

3日平湯5:50〜上高地6:30〜明神7:25〜徳沢8:30〜横尾9:25〜本谷橋〜涸沢12:50(テント泊)

2日
深夜のせせらぎ街道は桜が綺麗。夜桜見物?雪の深い高山にもやっと春が来たようだ。平湯で車中泊。

朝、大正池は穂高の白い峰を映して神秘的。上高地バスターミナルに降りたつと空気がひんやりしていた。
河童橋あたりまで来ると朝日が差し込んできた。から松の新芽と残雪が眩しい。梓川の透きとおった「蒼」い水が目に飛び込んできた。手を入れたら凍りそうな「蒼」だ。

スキー靴を付けた板を背負った人。ザックの重さ約20キロ。山スキールートで槍から横尾本谷へ滑るそうだ。先週は抜戸岳から穴毛谷へ。ブログでお目にかかったことがある「さる知恵」さんだった。


雪を被った明神岳、新村橋からの前穂も美しい。屏風岩が見えて来るあたり、林道には所々雪が残っていた。

横尾。
大橋付近にもまだ雪があった。町の中かと思うほどの沢山の人・・・。やはり春は涸沢からと云う岳人が多いのだろう。
横尾谷を回り込んで屏風を仰ぐ。雪どけの時期だけできる滝はまだできていない。ゴロゴロとかバリバリか雷のような音。雪どけで落石?
雪はどんどん多くなる。ザラメ雪か?かき氷雪?をザクザク歩く。



本谷橋。
谷はまだたっぷりの雪に埋もれていた。去年は雪崩れで歩けず、谷少し上のトラバース道だった。今年は何処が谷だろうと思うほど雪が多い。広大なデブリ跡で休憩している人が大勢。こんなところで休んで大丈夫かな?

涸沢が近づくと雲が切れて青空が広がってきた。あえぎながら最後の急斜面を登る。
顔を上げると、穂高の峰が銀屏風のように目の前に聳えていた。涸沢だ。


天気は快晴。紺碧の空に、前穂北尾根から奥穂、涸沢岳、北穂高の南稜、北穂沢と続く白い峰々。神々しく美しい。今年も「涸沢」と「穂高」に会えて幸せ。
稜線には大きく雪庇が張り出し、あちこち雪崩れている。ゴーと電車のような雷のような音がして雪が稜線から滝のように落ちて来る。そして涸沢までゆっくり波が押し寄せるように流れる。何度も。でもカール下までは来ない。

ショベルで雪をならした後、テント設営。
テントの上に濡れた物を干す。気温が高く暖かいので直ぐ乾いた。
気がつけば靴にアイゼンがない。いつも本谷橋でつけるけど・・・。アイゼンなしで来てしまったようだ・・・。

小休止後、涸沢名物おでん。(大根、ジャガイモ、卵、こんにゃく、さつま揚げなど。)
穂高の白い峰を見上げながらヒュッテのベランダで寛ぐ。ここまで登ってきた人だけが味わえる最高のぜいたく。今、私は明るく柔らかな陽射し溢れる白い涸沢にいる。これ以上何にもいらない・・・。
いつも思うけど日本じゃなくてヨーロッパのような雰囲気がいい。写真や映像でしか見たことないヨーロッパだけど憧れる。いつか本物のヨーロッパアルプスの山並みをこの目で見たい・・・。

前穂5,6のコル手前に、何時間もかかって登って行った人がいる。スキーのようだ。皆が注目する中をあっという間に滑降。大きい拍手がわきおこった。小豆沢からはボード、こちらもほんの数分。涸沢で山スキーできたらいいな・・・。


次々人が来てテントもどんどん増えてテント村ができた。
太陽が涸沢岳に沈んだ。急激に気温が下がることもなく、なぜか暖かく感じる。
穏やかな涸沢の夜。満天の星に見とれる。ツエルトに包まってうとうとする。

北穂高岳へつづく。
     トップメニューへ
inserted by FC2 system