涸沢 

         2309m (長野)

2009年5月1日 晴れ
自宅21:00〜羽島〜高山〜2日1:00平湯P(車中泊)

2009年5月2日 晴れ
平湯5:00〜(タクシー)〜上高地5:30〜明神〜徳沢〜横尾(8:30〜8:45)〜本谷橋(9:45〜10:00)〜涸沢12:00(テント泊)
タクシー¥6000

普通のカッパ上下。スカルパに靴用カイロを入れる。
昨年より時間が早いので上高地に人が少ない。何時も14キロ背負うと肩が痛くなるので、ザックの腰にあたるベルト部分をしっかり締める。重みを全部腰で支えるように。そしてできるだけ膝と腰を伸ばし、肩の力も抜いて顎を出さないように歩こう。
河童橋から仰ぐ穂高の峰はどことなく黒い。明神岳にもほとんど雪がない。足元にはとうのたったフキノトウ・・・。たしか昨年は捜すのに苦労したけど。きっと雪が少なかったので雪どけも早かったのだろう。
横尾手前のガレを通るとパラパラと小石が落ちてきた。通り過ぎてしばらくするとガラガラ!落石だ!あやうく難を免れてホッ。

横尾で小休止。
草餅、アミノバイタル、飴。


歩き始めた横尾本谷、足元の雪は去年より少ない。回りこんで屏風から仰ぐ北穂高岳もどことなく黒い。
本谷橋を人が渡っている。雪が少ない為、谷を歩く方が危険らしい。その後、トレースは右岸を高まいている。急登だ。アイゼンをつけていないので谷へ滑り落ちないように慎重に。いつもの前かがみ姿勢だと重心が前に行ってよけい滑りそうで、極力立つようにする。
ざらめ雪を強く叩きつけるように蹴る。トレース幅は一人分なのですれ違いが大変。早めに少し脇に入って道を譲る。




大規模なデブリは谷まで続いている。見下ろすとすごい迫力だ。数箇所、そのデブリを乗り越して進む。雪が所々黄砂で茶色になっている。樹林帯も滑落しないように確かな一歩で進む。

前穂高岳がドーンと大きく見えてきた。さらに吊尾根、奥穂高岳が迫る。奥穂からの冷たい風が容赦なく吹き付ける。頬が冷たくなってひきつってくる。ネックウオーマーで顔を覆って、前の人を風除けにして進む。

深い呼吸を心がける。大きく二、三回はいて吸う。吸ってばかりだと酸欠になるそうだから。

こいのぼりが見えてきて、涸沢ヒュッテ到着。本谷橋から二時間。雪が少ないのではやかった!結局アイゼンは使っていない。

涸沢から見あげる春の穂高岳。今年も会えて幸せ。北穂高岳の北穂沢、南稜は黒い岩が目立つ。小豆沢は昨年同様、真っ白だ。でも去年見た奥穂高や吊尾根の雪庇がほとんど見られない。

やはりここは日本じゃなくてヨーロッパみたい。下界と全くかけ離れた別次元の美しさに見とれる。白く神々しい世界だ。



テント場へ行くと去年あった雪壁がない。テント設営開始。整地された誰かの跡をそのまま使う。結構汗をかいたので夜用に着替え、濡れたものをテントの上に干す。
昨年、雪が沁みる感じがしたので今回は靴に防水スプレーをしてきた。冷たい感じがなくて良かった!靴の内側を日に当てる。穏やかな春の陽射しが降り注ぐ涸沢。とても暖か。到着したお昼頃と比べ風も随分弱まった。

お腹がすいた!おでん(ジャガイモ、大根など)をテラスで。今年の積雪は赤いこいのぼりまであったそうだ。たしか新聞には6mとか出ていた。小屋はまだほとんど雪に埋もれている。
人がどんどん登ってくる。つながっている人が黒くムカデのように見える。ジグソーパズルを埋めるようにテントが次々隙間なく増えて、あっという間に総数2〜300?のカラフルなテント村出現!



呼吸に息苦しさは感じないが、胃がむかむかしてきた。気圧も気温も低いので、たぶん胃腸が働かないのだ。百草丸を飲む。
鍋を忘れた夫はカレー皿を借りて湯を沸かす。あったかい紅茶にホッと一息。


小豆沢の途中で数人立ち止まったままだ。もう時間切れ?どうするのだろうそんな所で・・・。下の方の二人は涸沢へ戻っている。
日は沈んだ。風も治まった。穏やかな白い涸沢だ。ダウン上下にカッパを着こんで寝袋にくるまる。寒くない。
夜中に澄んだ空を見上げる。星が瞬いて綺麗・・・。きっと明日は晴れ!


奥穂高岳へつづく。

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