涸沢岳
    3110m
(長野)

KARASAWADAKE

北穂高岳からのつづき。

2008年5月4日 快晴

テント4:00〜(北穂沢)〜北穂高岳(7:00〜7:30)〜(北穂沢)〜涸沢9:30〜(ザイテン)〜白出のコル(12:30〜13:00)〜涸沢岳(13:30〜14:00)〜穂高岳山荘14:30(泊)

小豆沢は雪崩れ跡が多く涸沢岳側はスキーやシリセードの人。トレースは雪崩れを避けザイテンを登っている。我々もそのままザイテンへ。午後のこんな時間は雪が緩んで歩きにくい。
小豆沢を下る人に雪崩れが直撃。たいしたことないと判断してか、又いきなり来たから身動きできないのか?ゆっくりと流れる雪の中にただ立っている!見ている方がはらはらする。その後も何度も稜線から雪崩れる。


その奥穂高の岩の隙間から気持ちよさそうにスキーで滑り降りてきた。誰も歩けない所を自由に動けるんだから行動範囲が登山の何倍も広がる・・・。スキーっていいな。

高度が上がったからか、疲れたからか途中で歯が浮いたように痛くなりバフアリンを飲む。足は元気だけど・・・。
ザイテンを降りてくる人は普通に歩いてなんかいられないとばかり皆シリセード。雪を蹴散らして楽しそう。



白出のコル。
トラバースして小屋へ。雪は屋根の上まである。たしか四月中旬新聞に小屋明けの準備風景写真が出ていたが・・・。約二週間で掘り起こされたようだ。

奥穂への登り口、はしご付近は大渋滞している。
あまりに好天だし、時間もあるので涸沢岳へ行くことにする。アイゼンなしで。途中でパトロール中の長野県警山岳救助隊の方三人に出会う。今日は滑落などの事故もなく雑談できる余裕がある。


トラバース斜面。
思ったより足は疲れている。朝から約8時間歩いたからフラフラ。ヘナヘナと今にも座り込みそう。慎重に慎重に。
「奥穂へ行っても良かったかな・・・。」と夫。でもこの足で滑落しては大変だ。無理はしないほうが・・・。
振り返れば奥穂山頂と前穂、吊尾根が背後に大きい。掘り起こされた小屋もはるか下になった。

涸沢岳。
岩場の端に行くと雪庇だった。「こわーっ。」
朝の強風はまったくない。穏やかな山頂だ。槍と北穂の峰を眼下に望む。北穂高山頂とはまた少し趣が違う・・・。
よく見れば稜線上を何人もの人がこちらに向っている。めちゃ危ない所。今日みたいな日、きっと縦走には最高だよね。風がないし、天候が崩れる心配もないし・・・。

年配の方二人到着。今朝横尾を出て東稜からこの涸沢岳へ。さらにまだ今から横尾に降りるという。超人!
また単独で今から西穂へ降りるという人もいる。エキスパートと言うか、穂高を知り尽くした人だけに出来ることだろうそんなこと・・・。
「縦走路、数箇所危ない所があった。ここから先も何箇所かあるよ。」と明るく楽しそうに言った。


我々はゆったり腰をおろして展望を楽しむ。ここにいられるだけで十分だった。さらに奥穂、ジャンダルム、西穂を眺められる斜面でももう一度小休止。

目の前にあるのはただ蒼と白の世界。そこに黒い岩肌。春山穂高岳に魅せられる・・・。天候に恵まれたおかげでこんなにゆっくり山を楽しめて幸せ・・・。


ヘリポートに座り込んだ方一人。「太ももが疲れた・・・。」
聞けば室堂から五色ケ原、黒部五郎、槍、天狗原、横尾本谷、涸沢と山スキーされたとか。なんとすごい体力と行動力。たった一人で雪の北アルプスを駆け回っているなんて神業!またまたすごい人に驚かされる・・・。


小屋に戻るとガスッてきた。
陽射しがなくなると急に冷える。暑すぎる部屋もある。私の体は寒かったり暑かったりのこの急激な温度変化についていけない。涸沢と違って3000mの世界だし・・・。
頭が痛いし、胃がむかむかする。呼吸も苦しい。血圧が下がるような感じ。高山病?しばらく歩き回ったり、薬を飲んだりいろいろ試みる。このまま体調が悪ければ一人で涸沢のテントへ下りなければと覚悟する。さらに足裏マッサージなどをしてやっと一時間ほどで回復。

食欲はないのでご飯を少しとスポーツ飲料。
偶然、H山岳会Mとさんに会う。相変わらず精力的。三年ほど前に御在所で初めてお会いした時と全く変わらない。余り天気が良かったので午前と午後、奥穂を二回登られたそうだ。以前、悪天で登れず帰ったことがあって、「どうしても奥穂へと。」いう強い想いからの行動。うなずける・・・。達成できた今日はめちゃくちゃハイ。

明日天候がよければ奥穂高へ。
上高地につづく。

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