涸沢岳
     3110m
(長野)

KARASAWADAKE

北穂高岳東稜のつづき。

2009年9月19日 快晴

涸沢4:30〜東稜取り付き6:30〜稜線7:30(登攀開始)〜コル9:30(登攀終了)〜北穂高岳山頂10:20〜涸沢岳11:30〜(ザイテン)〜涸沢13:00(テント泊)


こんなにはっきり滝谷を見たのは初めて。なんと荒々しくそそり立っている岩峰なんだろう。
目の前の北穂高岳南峰のテッペンに人がいる。涸沢岳へ向う道は岩が乾いて気持ちいい。
前回は雨だったので景色がなく、滑るのではと不安だった。今日は周囲の山々を見ながら歩けて気分は最高。



行く手に鎖や梯子が見えてきた。涸沢岳への登りだ。こんなに急登だったのかな。まるで剣岳みたい・・・。
その急斜面の梯子と鎖を若者二人が降りて来た。我々のヘルメット姿に「僕立ちもクライミングするんですよ。二子山へよく行く。」などと話しかけてくれた。

そこかしこの岩の隙間に黄葉した草が美しい。見下ろすカールは金色。涸沢から見ると三角に尖がった涸沢槍はこの辺りかな?ここではまったくわからない・・・。



涸沢岳到着。
澄み切った秋空に、前穂高岳、奥穂高岳、ジャンダルムが屏風のように並んでいる。先日のヘリ事故現場も目に入る。
先ほどまでいた北穂高岳は随分後方になった。ちょっと頭痛がする・・・。


ザイテングラート。
しばらく降りると、小屋手前広場で人が集中して登ってきた。賑やかだ。つい先ほどまで静かな穂高を独り占めしていたから町の中へ飛び込んだ感じ・・・。

涸沢岳の裾に敷き詰められた黄金色絨毯は紅葉したタデかな?ザイテン中ほどから涸沢岳を見上げる。荒々しかった北穂高岳側の岩稜はとても魅力的だった・・・。

小屋の上ではナナカマドの紅葉が始まっていた。目の覚めるような鮮やかな赤に魅せられる。これから日に日に色づいて涸沢は錦の衣装を纏うのだろう。



いつの間にか数百ほどに膨らんで、テント村ができていた。穏やかな天候に、皆、テントの外で寛いでいる。「おでんが売り切れる。」と急いで降りた人!間にあってよかったね。

ヒュッテからテントに戻ろうとすると誰かを呼ぶ声に振り向く。「○○さん!」声の方を見るとAさん達。まさか自分のこととは思わなかったのでびっくり!

岩登りに来ているH山岳会、Mとさん等に会ったそうで、彼女等は明日滝谷へ。やっぱりすごーい。私もいつか行きたいよ・・・。

夜になって風が出てきた。どんどん強くなってテントがバタバタする。その音にまったく眠れないので「お片付け」する。明日は早く降りよう。



2009年9月20日 晴れ

涸沢6:00〜横尾8:30〜徳沢(昼食)〜上高地11:30〜(バス)〜沢渡P12:00〜沢渡温泉13:00〜松本14:00〜羽島〜自宅18:00

風はまだきつい。モルゲンロートに染まる穂高の峰。美しすぎる・・・。本谷からは朝霧が湧き上がって屏風も神秘的だ。横尾大橋のピンクの野菊に見とれる・・・。

シルバーウイークだから?さっさと歩けないほど人が押し寄せて来る。子供から外国の方まで、涸沢、穂高へと移動している。登山者はえんえんと上高地まで続いた。小屋の畳一枚に三人と言うのもうなづける。

今日も沢渡行きのバスはすぐ発車した。行楽日和で沢渡駐車場はどこも満車で、入れない車が数珠繋ぎ。その為、道路もがんじがらめ。反対方向の松本へ抜ける。高速も車は多かったが、早い時間なので渋滞にはまることはなかった。

東稜の岩を歩けて、色づき始めた涸沢に会えてよかった・・・。数週先だろうか?是非、錦絵涸沢を見てみたい・・・。

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