笠ケ岳

2898m(岐阜)

KASAGATAKE

2003年9月5日 雨 夫と2人

自宅20:30〜新穂高温泉P24:00(仮眠)

9月6日 雨

P5:00発〜笠ケ岳登山口6:00〜(笠新道)〜笠ケ岳山荘12:30


笠新道は、聞いていたとうりジグザグの急登で大変きついものだった。登山者も少なく、10人ほど出会っただけだった。
杓子平のお花畑に出たが、ガスで何も見えない。視界が悪いので、そこから稜線に出るまですごく長く感じた。
稜線を左に折れて笠ケ岳山荘に向かう。相変わらずガスの中。風も強く何も見えず小屋までつくか不安になる。
雨がどんどん強くなり手が冷たい。稜線の左側は、スパッときれたところが何箇所かあって滑落しないように気をつけて歩いた。
ガスの中でもハイマツの濃い緑を楽しみながら行くと、突然目の前に雷鳥が現れた。おなかが白背中は茶の赤いとさかが目立つ雄、一回り大きい雌。人を見てもまったく動じることなく悠然としている。
雷鳥に出会ったのは初めてなのでとても緊張してシャッターを押す手も震えた。(やはりうまく撮れなかった。)
やっと小屋が見えて一安心。雨が激しいので、テントはやめて小屋泊まりにする。
素泊まり¥5500。

小屋は新しく、大変きれいだった。体が冷え切っていたので、暖かいストーブが大変ありがたかった。
雨の中、もちとパンを少し食べただけなのでお腹もすいていた。食事は自炊。
泊まりは60人ほど。夫婦2組と6人部屋。東京の夫婦は、北アルプス中心であまり人のいない静かなところを歩いてみえるとのこと。ご主人が山に詳しく頼もしい方だった。
東海山岳会のSさんは、ローツェのある峰を初登頂され、1997年の岳人に特集された方だった。その記事をみせてもらい(当時30歳)8000M級の山の話を聞かせてもらった。目元の優しいこの若者が厳しい体験を積まれたんだなと感心する。
雨があがって、西の空がきれいな茜色に染まった。小屋の窓から光り輝く夕焼け空をずっとながめていた。とても幸せな気分だった。
夜中に満天の星をみた。地球の近くに接近していた火星、スバル、その他無数の星も。天の川が、小屋の屋根と十字になるように青く流れて、降ってくるように輝いていた。
目の前には笠ケ岳が青い夜空に黒くそびえていた。
いつもの頭痛のため、夜中に安定剤やバファリンなどを飲む


9月7日 快晴

起床4:30〜笠ケ岳山頂6:00〜(笠新道)〜新穂高温泉P12:00


朝、目の前に槍ケ岳、穂高岳の峰がある。なんとぜいたくな素敵な景色だろう。ちらちらと穂高岳山荘のあかりがみえる。やがて槍ケ岳の左からご来光。荘厳な感動の瞬間だった。
小屋に荷物を置いて山頂へ行く。山々は、昨日のベールを脱ぎ捨ててすがすがしい姿で現れた。
黒部五郎岳や薬師岳が、大きく迫力があった。白いふわふわの雲海の中、白山はただ一人孤独だった。さらに焼岳、乗鞍岳、御嶽山が重なって、富士山、南アルプスと360度の大展望。ずっとこのまま頂上にいたい気分だった。
昨日はガスで何もわからなかったので、今日も杓子平を下りることにする。
笠ケ岳をずっと背後に望みながら、右に遠く槍ケ岳、穂高岳を、左には薬師岳、双六岳、雲ノ平などを眺めながらの稜線歩き。こんな雄大な景色の中を行けるなんて気分は最高。
足元にはハイマツのほか、チングルマ、トリカブト、ウサギギク、ツマトリソウ、リンドウなどが目を楽しませてくれた。コバイケイソウは枯れて、黄色い花のようだった。



杓子平から見る笠ケ岳は、黒い岩と緑のハイマツと白い雪渓の織り成す美しい山だった。
今回はずっと槍ケ岳、穂高岳に見守られながら歩いた幸せな山行だった。
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