北岳
3192(山梨)

KITADAKE

2000年9月8日 雨  夫と二人

自宅22:00〜中央甲府昭和9日1:30〜広河原4:15(仮眠)

9月9日

広河原(6:00〜6:40)〜白根御池分岐7:10〜二股(右俣コース)9:00〜小太郎尾根11:00〜肩の小屋(12:00〜15:00)(昼食、テント設営、仮眠)〜北岳山頂(15:40〜16:00)〜肩の小屋16:20(テント泊まり)

カーナビを長野県芦安村広河原で入れたら、甲府昭和から大周りに県道南アルプス公園線を行った。この道は途中舗装もなく地道でトンネルも岩をくりぬいただけの険しい道だった。夜叉神峠でいれたらよかったが失敗だった。今後は行き先とルートを良く確かめて決定すること。少し仮眠して出かける。
大樺沢コースは、南アルプス林道入口ゲート横から入って野呂川のつり橋を渡り大樺沢を沢沿いにまっすぐ登るルート。あいにく曇って大樺沢から北岳山頂は望めない。
フジアザミ、ハリブキ、オヒョウ、ウバユリ、キツリフネ、ヤグルマソウ、ヤマハハコ、コゴメクサ、カニコウモリなどが咲いている。2箇所ガレ場。沢を横切り、尾根を登り白根御池小屋への分岐二股を右に行く。左は八本歯のコルへ。右俣コースはイブキトラノオなどのお花畑。ダケカンバの林をぬけ広々とした草原の斜面ではナナカマドがきれいだった。しばらく行くと白根御池からの道と出合い、さらにお花畑を行くとハイマツが多くなり稜線に出た。
目の前に夏に行った仙丈ケ岳が大きく現れた。北岳から見る仙丈岳は蒼く美しく、なだらかな山容は気品があった。大樺沢側はガスだったが仙丈側は晴れていた。手前の小太郎尾根に続く小太郎山もきれいだった。この稜線までが何と遠かったことか。さすが日本第二の高峰北岳、安易に登らせてはもらえないと感心しきり。

つくづく、南アルプスの山の大きさを思い知らされたのだった。仙丈岳からの風はきついがそこからは気持ちのいい稜線歩き。赤いウラシマツツジ、濃い紫リンドウ、薄き色のトウヤクリンドウなどが咲いていた。やっと肩の小屋に着いて早速鐘をならす。下から早くこの鐘をならしたくてウズウズしていたのだ。
少し下のテント場にテント設営、仮眠後山頂に向う。足が重いので岩のガレ道をゆっくり行く。
山頂は広く、大きい三角点があった。ガスの切れ間から時々富士山が顔をのぞかせると「わー。」と歓声があがった。少し間ノ岳の方へ下りるとガスも切れて富士山がよく見えた。又バットレスはこの下だろうかと足元を見下ろした。20分で肩の小屋へ下り夕食。フリースにカッパをきても寒い。肩や腰にカイロを貼ってあたたまる。
甲府や東京のネオンなどで空が明るく星はだめだった。それでもスバルとオリオンはよくわかった。夜空に富士山と北岳が黒いシルエットで浮かび上がっていた。少し風が出てフライシートがはためいたが雨はだいじょうぶのようだ。



9月10日起床4:15〜日の出(5:15〜5:30)〜北岳頂上(6:10〜7:20)〜肩の小屋テント8:00〜8:20(テント撤収)二股9:05〜白根御池小屋10:15〜広河原12:00〜村営芦安村温泉ロッジ(13:00〜13:50)(入浴)〜韮崎14:20〜羽島17:00〜自宅17:50


5時前から辺りが明るくなり、富士山の少し左手の空一面が青からオレンジ色さらに金色になった。それは壮大なスケールで大自然の最高傑作ともいえるご来光だった。まさに神わざそのもので、荘厳で華麗な美しさに体が固まってしまった。その感動を胸に山頂へ向う。風がきつくとても寒いのでカッパを着て、耳あてをつけた。
山頂は昨日の天気とは雲泥の差で見事な大展望。ここでも再び感動をもらう。南に間ノ岳、塩見岳に続く南アルプスの山々。北に少しベールのような雲を抱く仙丈岳。甲斐駒ケ岳、鳳凰山。 目の前に池山尾根、富士山。ほかに八ヶ岳、甲武信岳、鋸岳、中央アルプスなど。周りの山全てが顔を揃えていた。風がほとんどなくなり全天快晴の穏やかな日になりそう。
偶然山頂でお会いした方に熱いコーヒーを頂き、一緒に至福の時を過ごす。北岳からの眺めを決して忘れることはないと確信を持って言えるほど存分に山頂を楽しんだ。時のたつのも忘れて・・・



下りは贅沢にも、甲斐駒ケ岳や鳳凰山を眼下に見下ろす豪華な稜線歩き。昨夜小太郎尾根にテントはったという若者はザックをそのまま稜線上に置いてきたといって身軽だった。
小太郎尾根から小屋までは左の草すべりを下りて行く。右俣コース上部と同じダケカンバの林ではダケカンバの幹や葉の緑が色鮮やかだった。キタダケトリカブト、サラシナショウマ、キバナシャクナゲ、赤いヤナギランなど小屋の上はお花畑。
小屋前の池で小休止。冬、雪崩でこの小屋がよく流されるらしい。草すべりを見上げると傾斜が急で雪崩もイッキにきそうだ。小屋から下の樹林帯は、木の根の階段などで段差が大きく膝を痛めそうだった。その木の根がすべるので気をつけて下りた。小屋の下でシラビソにサルオガセが巻きついて深山の様子。
出合に着くともう膝がガクガクだった。駐車場で出会った人に夜叉神峠への道を聞き、広河原から夜叉神峠方面に行く南アルプス林道を行く。こちらの道も鳳凰山の山すそを行く高所で道幅が狭く今にも野呂川谷底へ落ちそうな険しさだった。
峠を越えたところの村営芦安温泉ロッジで汗を流し、韮崎へ出た。
今回、「頭を冷やさない。」「寝不足にならない。」の二点に気をつけたら頭痛にはならずにすんだ。又、膝はサポーターをしたので痛みはなかった。さすがに南アルプスの山「北岳」は、遠くて大きくて気高い山だった。


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