小屋に入るとストーブがあった。かじかんだ手と冷えた体を温める。ホットミルク、クラッカー。
先ほどの蟻のような人がほとんど泊るのだから今日の北穂の小屋は超満員だ。
あまりゆっくりしていると雪が緩んでくるのでそろそろ降りよう。山頂直下の雪質は朝と同じサクサク。人は途切れることなくどんどん登って来る。皆、雪崩をおそれて少しの雪を落としても「落」と叫んでいる。トレースをはみ出ると怒られるし・・・。
インゼルで休憩。
先端の特等席で東稜の岩と雪歩きを見学。二箇所ほど昇り降りとトラバースがあるようだ。
雪面を降る時、後で降りる人(トップ)はどこを支点にするのだろう。雪があるだけで支点になるような木などないように見える。先に降りたセカンドはザイルを手繰るような姿勢をしているけど・・・。M田さん夫妻と我々の四人の目で見ていてもよくわからない。
その後のナイフエッジは一つ間違えば滑落するだろうに、途中でブランコのように座って楽しんでいる人もいる。私もやりたいそのブランコ。はたして我々はその尾根を歩けるようになるのだろうか?
下から登ってくる人を避けて東稜側へ横抜け。そしていよいよ今日の核心部「北穂沢降り」スタート。
急斜面を駆け降る。さっくり雪で超気持ちいい。広くてどこでもどこまでもぴょんぴょん飛び跳ねて走れる。時々シリセード。
中ほどでアイゼンをはずしグリセードも。スケールがでかくどこでも行けるしなんでもやれる北穂沢。めちゃくちゃ楽しい雪遊び。
すると東稜からスキーヤー三人。沢を滑り降りてくる。格好いい。またまた私もやりたい穂高でスキー・・・。
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