コクイ谷
    
(滋賀


2006年3月11日 晴れ

温泉最奥P7:00〜(本谷)〜大黒岩9:00〜望湖台10:00〜(地獄谷)〜地獄谷出合10:30〜(上水晶谷)〜根の平雨乞岳分岐11:10〜コクイ谷出合(11:30〜12:30)〜(コクイ谷)〜黒谷出合13:10〜沢谷出合13:20〜(沢谷)〜窯跡の平13:30〜沢谷峠13:40〜武平峠14:25〜P15:15


雪が融けた本谷を行く。あんなにあった雪もほとんどない。残雪程度。
歩き始めるとウグイスの声。今年初めて聞く。まだ上手くないのでとてもウグイスとは思えない。時々それらしく鳴く時もある。冬の間に鳴き方を忘れるらしい。不思議・・・。

不動滝。雪融け水が多い。水しぶきの虹に見とれる。
滝の上ではミソサザイ。綺麗な複雑なさえずりが谷に響き渡る。こちらは忘れていない。うっとりするほど美しい。鳥の中では小さい方から二番目とか。体は小さくても透き通るような歌声は最高級。
雪が消えた一枚岩。
岩が濡れている。立って歩くように登る。慎重に。



大黒滝下は左から。
滝直下には硬い岩のような雪。多分シャンデリアの融け落ちたものだろう。そこを通り過ぎると雪は柔らかかった。
滝の上に出ると何かが違う。こんな岩あったかな?V字谷には行かず右の尾根から行く。くぐり岩下も何か違う。
三角岩がない。冬の間何度も歩いたV字谷を見降ろす。ここから雪と共に大黒滝の上まで落ちたらしい。すごい音がしただろうな。雪融け時には思いもよらない事が起きるから恐ろしい。
くぐり岩右岩。一番下から。残雪もなく岩も乾いて苦労せず登れた。
くぐり岩をのぞくとまだ雪で埋もれている。先週Mさんがこの付近の残雪が危険で戻ったとか言っていたけど・・・。それもうなづける。
そこからは固い雪。はまり込むところもあるので慎重に。岩壁と縮んだ雪渓の間に隙間ができている。
アルプスでこの「シュルンド」に落ちたら氷下の水にはまって凍死するそうだ。やはり雪融け時は要注意。
冬に見事な氷ばくができる岩には薄緑色の苔。



大黒岩へ。
先日行った鎌ケ岳左俣の雪が白く残っている。ここから見ても相当急斜面だ。
テラスでのんびり日向ぼっこ。風もなく暖かい陽だまり。これは四月の陽気。
そのテラス上の岩に上がる。以前は人が上がるのを見ても怖かった岩。今自分がその岩に乗っている。今日で二回目。「信じられない。」
Tさんらは勿論平気でテラスから「フリクションが利く。」と直登している。谷からの風が熱い体に心地いい。
その後冬のように大黒尾根を上がろうとしたが通行止めになっていた。一の谷新道に降りると山頂直前に雪山。思いがけない雪にいい気分。
遊歩道から見る御岳神社の尾根は、木の根の周りが丸く雪融けしている。春山・・・。
望湖台。
雨乞岳の雪が随分融けて白い部分が残り少ない。三角オニギリも小さくなった。



地獄谷へ。
雪が締まってかかとで降りる。
しばらくすると雪たっぷりの谷になってきた。時々腰まで嵌る。足が地につかないとどこまでも落ちそうで怖い。滝手前は慎重に。
地獄谷分岐。
雪が多い。Oさんはそのまま谷を行く。岩を飛び越えるのも雪に嵌まり込むのも楽しくてしょうがないという様子。まるで陸上競技のハードルでも飛び越えているよう。
大雪の日に歩いたので今日は「楽々」と言っている。一つずつ経験を積み重ねて日に日に逞しくなるOさん。私とは意気込みが違う。夢もどんどん膨らんでいるようだし・・・。

ふた筋の滝にも雪融けの水が溢れている。
二つ岩。
水は緑。岩の苔も薄緑。美しい。何時来ても何度来ても感動する場所。
根の平雨乞岳分岐をコクイ谷へ。残雪は浅い。
コクイ谷出合。
清流が穏やか。その水面に木々の陰が写って綺麗。川岸の雪面にピッケルを刺してザックに腰を降ろす。風もなくとても暖か。
テイータイム。そう寒くないのに熱い紅茶が美味しい。パン、チョコ、草もち。ここにずっといたい気分になる。気持ちいい。
じっとしていたら体が冷えてきた。雪の上にいるんだから当たり前。カッパ上衣を着る。
辺りの木々は新芽を膨くらませて春を待ち焦がれている。雪はあっても春の気配。
朝明からイヌを連れた女性。この時間から雨乞岳へ。すごい。



コクイ谷。
川の中を行ったり淵を歩いたり。雪融け水で滝の水量が多く迫力がある。時々歩く淵の雪にもはまり込む。
黒谷出合。谷が明るく広い。
沢谷出合。ここも滝の水量が多い。



窯跡の平。
Oさんは大雪の日、ここからどこを歩いたかわからないほど急いたとか。谷とか掘割道は何となくわかったらしい。沢谷峠あたりからはひたすら鎌ケ岳目指して。
私も深い雪を想定して歩くが、やはり窯跡の平から峠その後もはっきりしない。残雪期の三月でこの程度。「あの積雪でよく歩けたよ・・・。」と感心する。



武平峠。
マンサクの高木。よく見れば枝先に黄色い小さい花。その楚々とした花びらに厳冬に耐えた日々を想い、山の花の強さに心打たれる。
トンネルを抜けると三重県側だけに残雪があった。
西多古地の滝の水量も多い。気温15度。暑かったはずだよ。
表道に合流。いつかの雪庇は影も形もない。
静寂の中に三ツ口ダムは深い緑色。時々さざなみが水面を銀色に輝かせて美しい。
残雪の地獄谷、上水晶谷、コクイ谷歩き。木々や山肌がどことなく春色に染まりはじめ、なんとなく春の香りがする御在所岳だった。

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