国見尾根
    1170m
(三重)


2007年3月24日 くもり

P7:00〜(中道)〜朝陽台〜(裏道)〜国見岳石門〜国見尾根〜(裏道)〜P13:20

朝、鶯のさえずりを聞く。春だな・・・。



Oさんにザイルを持ってもらう。風はまったくなく暑くて額から汗が流れる。夏みたい。
岩棚。
いつもは乗らないあちこちの乾いた岩に乗る。ざらざらして気持ちいい。
地蔵岩。
取り付く時「左足爪先立ちすれば・・・。」言われるまで忘れている。
肩に立てば吹きぬける春風が心地いい。あたりは春霞。そしてなんとなくどことなくうす緑。春色。
下りる時「手も足も短いのだからしっかり左手を伸ばす。そして体を振る。」
ここでも鶯。さえずりは360度、四方八方のメスに呼びかけるらしい。
キレット。
風はない。鎌ケ岳北斜面の雪もほとんど消えた。
富士見岩下の岩場。
クサリ場から続くあちこちの乾いた岩に乗る。ここもどの岩もフリクションが効いて気持ちいい。
上のテラスからは凍っている。春の中道はこうなるのだった。数年毎週、中道に通っているのでわかってきた。後尾根からのロープ前が特に分厚い。その氷を避けて乾いた岩に乗る。
ガレを登って、直下の残雪をちょっぴり楽しんで富士見岩へ。本谷の残雪は大黒岩真下あたりだけ。
朝陽台大岩に乗る。
ケルンから裏道を国見峠へ。雪に埋もれていた笹は起きだしていた。
国見の岩場から望む藤内壁が格好いい。スキー場から峠へ降りる道も雪が消えてはっきりそれとわかる。
この岩から望む御在所岳が一番好きかも・・・。
夏に行った後尾根を目で辿る。一壁直ぐ上に茶色に見えるザレ場、そこまでの岩場に悪戦苦闘した・・・。ここから見ればその後の名もないテラスまでも急斜面で相当距離もあるようだ。


そして石門へ。
何年ぶりかな?狭い廊下のような岩の間を通る。そこは氷道。あたりにはワイン色のイワカガミの葉がいっぱい。
石の上に乗ってみると結構広く平らなスラブ岩。御在所のレーダー、上水晶の尾根、そして遠く雨乞岳を望む。ちょっと方向がわからなくなる。躑躅の木々は芽を膨らませて出番を待っている。
国見尾根を降りはじめるとここにもワイン色じゅうたん。花の季節は見事だろう。
天狗岩。
ここでひもの結び方教室。
インクノット。
自己確保の為、ハーネスにエバンス結びした後、動けるように2mほど残した先に、インクノット結び。そこにカラビナをつけそれをボルトにかけて確保する。
落ちた時は手で二本のザイルを掴むようにして持つ。これはちょっと怖い。とっさにはできそうにない。
エバンス。
ハーネスへの結び方。
掌側にザイルの端をもち、三四回手に巻きつけて手の甲側からザイルを丸めてくぐらす。
エイトノット。
駒結びにならないように。八の字結び。
懸垂下降。
ザイルの中ほどを、支点になる岩にかけエイトノット。ザイルの両端も忘れずにエイトノットで結ぶ。
懸垂下降する方向にザイルを投げる。下降は体を立てずに倒れるほどに横にするとうまく出来る。肩がらみでやると腕力や上半身の力がないので手や肩が痛い。
カラビナを組んだものをザイルを通して降りるのは楽。これはいろんな下降器やエイト環で降りるのと同じで、腕力がない私にもできる。
ザイルの後片付け。
キンク(ねじれ)しないように丸める。最後の止め方が綺麗。丸で職人技。几帳面でないとできないかも。私のような大雑把では・・・。


帰り、はじめてザイルを背負う。重心がザックの上にきて結構重く足がふらつく。こんなくらいの距離でへなへなしていては山には行けない。
いつも御在所はザックが軽いけどこれからはもっと荷物を増やそう。そして足を鍛えなくては・・・。
岳不動への分岐を超えて岩棚を歩く。ここは二回目。気持ちのいい岩。尾根最後の岩からバットレスを挟んで藤内壁中俣や奥俣の残骸氷が目の前に。一壁には何もない、雪も氷のかけらも・・・。誰もいない早春の静かな藤内壁。
そこからは急な降り。二回目だけどよく覚えていない。この道はこんなに急だったんだ。
途中でショウジョウバカマのつぼみ。かわいい。その先には咲いたものがいっぱい。この辺りは日当たりが良さそうでアシビも咲き出していた。
前尾根がどーんと見える場所に出た。今まで目に入らなかったやぐらもはっきりわかる。四角い積み木を積み上げたようなチムニー岩が目の前に。こうして見上げれば「前尾根はとても急。」
垂直に見える藤内沢の名残雪を見上げる。御在所岳山頂はとても暗い


裏道へ。
天気予報どおり、ぽつぽつ雨が降り出した。
お茶を飲みたいがザイルの下になってしまって出すのが面倒。水場で初めて御在所の水を飲む。「おいしい。」
胃腸が過敏なので(直ぐおなかが痛くなる)今まで山の水は飲まないようにしていたけど・・・。
日向小屋では満開のアシビ。中道分岐から下の裏道はあまり歩いていなくてとてもいい気分。
登山口辺りで鳴き方がまだあまり上手くない鶯。直ぐ後にとても上手な澄んだ声の鶯。夫々個性ある鶯の声を背にまだ開通していないスカイライン道へ。
トンネルを抜けるとタラの木数本。その芽を摘むと涙のような透明の樹液が出るそうだ。あたりのヤシャブシやキブシも薄緑。山が萌黄色に染まる日も近い。
車に戻って水筒の水を飲む。「おいしい。」 冬なら水分を補給することなく行動してしまうけどやはり春なんだな。これからの季節はこまめに水分補給しよう。

降りで重く感じたザイル。家で重さを量ると3、7キログラムあった。時々ザックの上にかけている女性を見かけるけど、自分で背負ってみて初めてその重さを知る。
一番大切なものだから、他の重い食料などを減らしてしょって行くらしいが・・・。
足や腕を鍛えて、体力もつけて、体重も減らしてと・・・。やらなくてはならないことばかり。

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