前尾根(御在所岳)
1212m(三重)

MAEONE

2005年6月10日 快晴 

裏道登山口P6:30〜前尾根P7取り付き・8:00〜P6・9:00〜P3・10:30〜ヤグラ(10:30〜12:00)〜(前壁ルンゼ、裏道)〜藤内小屋テストストン〜P13:30



梅雨前にもう一度岩を歩きたかった。
駐車場で白いエゴノキ。
今日はザックは小さめ。荷物をできるだけ軽くする。
薄紫のコアジサイ、よんの橋でヤマボウシ。
ご一緒していただくのはAさん。
靴はクライミングシューズファイブテン?23、5cm。茶色。
少しきつめ。カラビナの付いたベルトと共にザックにいれる。
前尾根P7に着く。身に付ける順番はヘルメット、ハーネス、靴。
八の字結びをして私が先。Aさんが後。
前回Iさんと行ったのとは違うルート。その右。クラックをまっすぐ上がる。
靴が岩に吸い付くような感じがする。前回は登山靴だったから・・・
リッジすぐ右に木があるところに出た。
ジャミングとか手を岩の間に入れるようにいわれたが手が小さいのでごそごそでジャミングにならない。
リッジを上がる。ここは前回怖くてパスしたところ。今日初めて登る。行けた。
P6の内側チムニーには行かず左の外側を行く。上からのぞくと下に前回行ったチムニーがあった。


ボルトは二トンの重さにも耐えるらしい。
カラビナにも数字が書いてある。開いたイラストの横に7とか。それは700キロに耐える意味らしい。
カラビナは内側にカーブしたものが自分の体側。八の字結びから少し残し、ボルトにつけたヌンチャクにザイルを通す。左から入れて下を通しひねってかけるらしい。徳利むすびみたい。それで自己確保をする。よくわかってないけど・・・
P7P6と難関を越えて9時。
目の前に一壁とバットレスを眺めながらほっと一息。上の落ちそうな岩は鏡岩か扇岩か?
ここでクリームパンを食べる。
クライミングシューズはつま先で立つ。手を岩に置く時は指をばらばらにしないでくっつけて置く。


P5は傾斜が緩やかで楽しい。高度にも恐怖感はない。上部は左のクラックに入る。先にきついところP7P6を通過しているので楽しめるのかも・・・
P4も傾斜は緩やか。上部は左から手がかりがないところを上がる。
ふと足元の岩に小さいイワカガミ。この花に心和み緊張感がほぐれる。名前の通り岩に咲くことを知った。
目の前に中尾根。ここはクラックが多いところとか。高度感もしっかりありそうだ。レベルは滝谷と同じだそうだ。よほど練習しないとだめだろうな。
何十メートルかを懸垂下降であっという間に降りるとか。
怖いとかなんだかんだと考えていたら何も出来ないだろうな。こんなところ。きっと何も考えずに行くしかないんだろう。
一番上にオニギリという岩があるとか・・・その岩にも憧れる。
いつか行きたい中尾根。そして滝谷も・・・
たとえ夢だけに終わってもいい。行く夢を見ているだけでも楽しいから・・・
でもやはり夢だけでは終わりたくないし・・・
目の前にマイナスの滝やひらがなの「く」の字の反対のような奥又の滝を見る。



歩いたり移動する時はザイルを首にかける。この時、ザイルの一本だけを持って(初めに肩に掛けた分は置いておく)気をつけの姿勢で折り返すと長さが揃う。
歩かない時は自分の足下にからまないようにザイルを置いて行く。これはAさんが上がってくるとザイルに余裕が出来るから。多分次にすぐ使えるように。
前方にP3の岩。最初のP7に比べるとなだらか。手がかりはないが緩やかなスラブ。ほとんど直登。上部二つ岩は左から巻く。
ここまでで十時半。約二時間半。
確保などは今日は覚えている時間がなかった。あっという間にここまで来てしまったという感じ。
P3から見るP2のヤグラは格好いい。ルートもはっきり見える。



いよいよヤグラだ。ここは初めて。真ん中の岩の間を行く。
Aさんはヤグラ下の大木にシュリンゲを一巻きして間に通しカラビナを掛け確保する。
上部中ほど右に大きい岩。ここから右に行く。
何も手がかりが無い岩。右手を忘れて左手だけを岩の左上方にかけ足裏を岩に押し付けて上がる。
とそこから体が左に傾いたまままっすぐ立て直すことが出来ない。
すぐ上の岩を下から持ち上げる感じで手を置く。体が岩から離れた。姿勢が岩に対してまっすぐになった。
ここを頭がつかえるマントルとかいうらしい。そしてヤグラの肩に上がる事が出来た。
「わーすごい。高いよ。」自己確保を長めにしてもらってはるか下の一壁や藤内沢を見下ろす。
濃い緑に包まれた夏の鋸岩が正面に。
梅雨に入ったというのに風はさわやか。岩に寝転んで体中でヤグラの岩を感じる。まあ寝転んで万歳しているってとこかな。立っていると危ないから。気分は最高。



Aさんは今日で三回目なので、ここを懸垂下降で降りる。
下から見ているとスイスイとスムーズに降りた。エイト環というものを使って皮手袋をはめていた。
降りて下からザイルを引くと下降終了。明るい表情が爽快さを物語っていた。
食事をしながら下からヤグラを仰ぐ。
そしてクラックの説明。指を岩に入れたり、掌を入れたり腕ごと入れたり。体ごと入るとチムニー。その大きさによって対応が変わる。



下りはヤグラのコルから前壁ルンゼへ。ここは濡れて滑りやすいし浮石が多い。落ちたら大変だ。
なるべく山側にくっついて歩く。途中前壁を仰ぐ。裏道はサラサドウダンのじゅうたんだった。

手本を見ていると簡単に思え、わかったつもりでそこに行く。
いざ自分がそこに行くと回りが見えない。手や足をどう置いていいやらわからない。先ほどしっかり見ていたはずなのに・・・
そして無我夢中で進んで後から復習しようとしてもできない。
どこが何処だかどうやったか覚えていない。
イメージトレーニングもできない状態。
うーん。どうしたら覚えるんだろう。この頭と体。やはり何度もやるしかないのかな?
理屈じゃなしに体で覚えるって事かな?
又、大きな夢と目標が見つかったからやるっきゃないよ。

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