前尾根
    1212m
(三重)


2007年5月19日 晴れ

P7:10〜(中から裏道)〜(P6からP3)11:00〜(裏道)〜(中道)〜P13:00

昨夜か明け方か雨。スカイライン道は濡れている。駐車場には一台の車もない。登山者は天気に正直。「こんな日は岩も濡れているから危ない。」と思っていたら「すぐ乾く。」そうだ。
中から裏道へ。小屋のシロヤシオは雨に散っていた。ウサギの耳から藤内壁を仰ぐ。目の前にサラサドウダン。そういえば二年前ウサギの耳に初めて登ったのもこんな新緑の季節だった。
藤内沢のテストストン左端練習。確実に片足に乗り込んでから次の足に体重移動しよう。
前尾根へ。
P7で既に取り付く人がいる。巻き道からP6チムニー下へ。力をつける為永餅をほおばる。ヘルメット、ハーネス。エバンス結びをして自己確保。
先生は登って行ったかと思うと「終了」の声。はやっ。
ザイルが引き上げられる。「登ります。」下の方は少し岩が濡れている。右腕内側の筋肉が張って鈍痛。先週のがまだ残ってる?
なぜか取り付きの丸いスタンスとクラックがない。その右外を行っているらしい。小さいスタンス。これに片足で乗り込めない。すぐ左の大きめのクラックに左足。これも乗り切れない。カラビナ二個をはずしてチムニー下の匍匐前進。
先週なんでもなく行けたのに今日は怖い。右足をもう少し前のスタンスに。「そこに立つ。」少し前進したので、もう一度匍匐前進。左上の岩が手がかり。やっとできた。なぜ怖いのか?「片足に乗り切っていないから。」
チムニー下。
右のボルトにカラビナ。上側にインクノットで自己確保。手袋をつけて下でグリップビレイ。
先生はチムニーをすばやく上へ。先週とは全く違う速さ。私が登り始めると先ほどのP7の人が来た。次の人がいると遅い私は「早く」と焦ってしまう。急かされているみたいで。「先に行って。」といっても行けないし・・・。
思ったより早く進んで左手を伸ばせばガバがあった。左の尖塔に足を掛けチムニー上へ

マントル岩へ。
そのまま垂直の壁へ。中ほどの小さいスタンスから上のガバを持って。上がったら平らな岩にボルトがある。右に自己確保。左にグリップビレイ。
先生が上がるとザイルが余ってくるので足元に置いて行く。
その後、ある程度は首にかけ駒結びしてハーネスにカラビナ。残りのザイルを少し手に持ちそのまま移動。
P5への巻き道で鮮やかなシャクナゲが目に飛び込んできた。濃いピンク。可愛い。前尾根にもシャクナゲが咲く・・・。
濡れた木に滑る。事故はこんな時起きるのかも・・・。岩場でない巻き道も慎重に確かな一歩で歩こう。
楽しく岩を歩いてモアイ岩に到着。


P4。
北谷側に少し降りてから登る。そこで自己確保。首にかけたザイルを下ろし、グリップビレイでザイルを出す。「終了。」今日はよく聞こえる。
登り終え、終了点より前方下の広場まで降りてザイルを手繰り寄せる。首にかけて少し手に持つ。

ななし。
アイゼン跡がテストストン。北谷側が切れ落ちている。広場に出た。前尾根の岩はどの岩も思ったより乾いている。



P3。
取り付き、ななしと似て北谷側が切れ落ちている。そののっぺりした何もない斜面でトップロープ練習している人がいる。もちろんクライミングシューズで。
しばらく見学する。私には取り付くこともできないレベル。「テンエー。」とか言っている。昔なら6級とか・・・。


右に行ってみると細いクラック。ここなら天気のいい日に登れるかも・・・。
空が暗くなってきた。今にも雨が降り出しそう。「早くチムニーを通過しよう。」
見学を終了して左の藤内沢側から登っていくとチムニー下へ。ちょっと取り付けず苦労する。ザックを上げてもらって進行方向向いてチムニーを上がり後ろ足を背後の岩へ。手がかりのない丸い岩を歩く。もう目の前には大きいスラブと二つ岩。
前回はスラブを歩いたので今日はスラブ岩右を行く。そのままやぐらのコルまで降りてザイルを手繰る。
ヤグラを見上げると左下あしらいにシャクナゲ。目の前にシロヤシオ。まだ蕾だけど・・・。大好きな花に迎えられ気分は最高。
おかげで前尾根二回目無事終了。「やったー。」達成感がなんとも心地いい。掛かった時間も前回より短縮、疲れもほとんどない。



先ほどの人達はヤグラへ。
ヤグラの上からヤグラへ降りて行くと彼が登ってきた。

P1へ。
アルフアルンゼのシャクナゲを見に行くがチラホラ。
少し雨が降り出した。もう登り終わっているから安心。今頃チムニーにいたらパニックになって泣きだしていたかも・・・。
カッパを着て裏道へ。冬に三ルンゼから登る道から富士見岩へ。中道で名残りのアカヤシオ。可愛い濃いピンクでまだ蕾。シロヤシオもあちこちに。こちらは雨に痛めつけられている。雨あがりのしっとりしたシロヤシオは好きだけど・・・。


岩棚。
鎌ケ岳もキララも緑一色。初夏の山。綺麗。前尾根を歩いた後のハイな気分のままなので何もかもがいつもより輝いて見える。雨は小降りになってきた。
このパノラマを前に、余り空腹ではないが軽く食事。岩のぼりはスキーと同じでお腹が空かない。でも他のどんな事より達成感がある。それが魅力なのだろう。
次回はザックをもっと軽くしよう。
課題は片足に確実に乗り込む。岩から体を離す。この二点かな?言葉では簡単だけどなかなかできない・・・。しっかり意識しようっと。
予想外に(昨夜の雨に絶対行かないと思ったので)前尾根の岩を歩けて幸せだった。

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